「ナイトロックス」と「エンリッチド・エア」

ダイビングを始めると、
なにげな〜く耳にする言葉、
「ナイトロックス」と「エンリッチドエア」。
※http://www.shirasaki.or.jp/より写真引用
ダイビングサービスで、こんなラベルが貼られたタンク、見たことありませんか??
おそらく
「普通のタンクの空気となんか違うんだなぁ。。。」
ぐらいしか知らない方も多いのでは??
今回は、そんな「ナイトロックス」「エンリッチドエア」の単語の意味と、
そのタンクに詰まれている空気の効能についてわかりやす〜くご紹介してみたいと思います!!
「ナイトロックス」と「エンリッチド・エア」の言葉の意味
ダイビングの世界では、「ナイトロックス」という言葉と「エンリッチドエア」という言葉が、
混在して使われています。
■ナイトロックスとは
簡単に言うと、「窒素と酸素が混合した気体」を指します。
窒素の「Nitrogen」と酸素の「Oxygen」を組み合わせた造語です。
なので、広い意味では、通常の大気中の空気もナイトロックスと言ってしまえば、ナイトロックスなわけなんです。
※http://www.padi.co.jp/より画像引用
通常の大気は、酸素21%・窒素78%、その他のガス1%で構成されていますよね〜?
普段私たちが吸っている通常のタンクもこれと同じ割合で構成されています。
(ここ。エントリーダイバーテキストの重要項目ですよ♪)
■エンリッチドエアとは
ダイビングにおいて、ナイトロックスの中でも、
酸素濃度が21%を超え、40%以内のものを「エンリッチドエア・ナイトロックス」と呼び、
通常のタンクの空気と区別をしています。
通常のタンクよりも、酸素濃度が少しだけ濃い空気が詰まったタンク!ということですね!
「エンリッチド・エア」を使うメリット
・通常の空気のタンクを使用した潜水(深度・時間)を行なった場合、減圧症のリスクが低くなる
・疲れにくい・エキジット後の脱力感が少なくなる
→個人差があるようですが、特に1日に何本も潜る場合、顕著にその傾向が高まるようです。
※ただしあくまで個人的な感想の域を出ておらず、効果を否定する研究結果も示されています。
・減圧不要限界時間が長くなる
・短い休息時間で次のダイビングが可能になる
→通常の空気に比べ、減圧不要限界時間が伸び、1日に通常タンク本数よりも多く潜れるようになります。
折角ダイビング旅行に来たのであれば、より沢山潜りたいですよね!?
特にリゾート地でエンリッチドエアを置くところが増えてきているようです。
※もちろん伸びた減圧不要限界の分、長く潜ってしまえば、水面休息時間は返って短くなることもありますよ!
「エンリッチド・エア」を使う際、気をつけなければいけないこと
・酸素中毒を起こす可能性がある
→通常の空気のタンクよりも酸素の濃度が高いため、その分酸素中毒を起こす可能性があります。
より深く潜る程、その可能性が高くなるため、通常の空気のダイビングよりも、
潜れる深度が制限されます。
ex)酸素濃度32%エンリッチド・エアーで最大深度30m以内・酸素濃度36%エンリッチド・エアーで最大深度28m以内
・エンリッチドエア専用のダイコン設定が必要
通常の空気のタンクと比べると、減圧不要限界時間が変わるため、
ダイブコンピューターの設定をエンリッチドエア用に変える必要があります。
多くのダイブコンピューターは設定が変えられるはずなので、
ご自身の持つダイブコンピューターの説明書をよく読んでみてくださいね♪
※参考→【ダイビング器材】ダイコンとは?
エンリッチドエアを使うためには??
・講習を受ける
通常のタンクを使用しダイビングと比べて、若干異なる点があります。
上記で述べた注意点をしっかりと認識認識し、
エンリッチド・エアを使って安全にダイビングを楽しむために、講習を受ける必要があります。
※参考
http://www.naui.co.jp/program/stepup.html#speciality
http://www.padi.co.jp/visitors/program/spcon/ead.asp
https://www.divessi.com/sc-ean
・エンリッチド・エアタンクが置いてあるか事前に確認する
日本国内でもエンリッチド・エアを使用できる環境は広がってきていますが、
すべてのダイビングサービスで取り扱っているわけではありません。
また、取り扱っていても事前予約が必要な場合もあります。
事前にエンリッチド・エアのタンクの取り扱いがあるか、
潜りに行くサービスに確認をしておきましょう。
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