NDL?RNT?残留窒素時間??ダイブテーブル用語解説
その商品のUSPは何?目標達成までのKPIは?ROIもしっかり確認してね。
えっと…ルー語ですか?
この他にもWEB業界を中心にビジネスの場面ではアジェンダ、エビデンス、インセンティブ、ファクトなどなど、カタカナ用語が飛び交っています。
一昔前は「意識高い系」などと揶揄する声もありましたが、エビデンスやファクトなどは様々なビジネスの場面だけでなく生活の場面でも定着してきている感がありますね。
では、こんなのはいかがでしょう?
次のダイビングのMDTは?潜ってる最中はちゃんとダイコンでNDLも確認してね。あ、ダイビングが終わったらちゃんとRNTも考慮して圧力グループ出してログに書くんだよ。
圧力グループという言葉だけでもわかれば、ダイブテーブル(プラナー)関係の話という事はわかりますね。
そう、ダイブテーブル関係の言葉には、この様にアルファベット略語や略されていなくても独特の言い回しになっている用語がたくさんあります。
という事で、今回はダイブテーブル関係の用語について一気にご説明して行きたいと思います!
NDL/MDT/ノンストップリミット/減圧不要限界/無限圧限界/限界時間/最大潜水時間
これらは全て同じ意味です。
最大潜水時間、と言われれば少しは納得できるかもしれませんが、これから潜ろうと考えている水深に滞在可能な最大の時間です。
もちろん、エアが持つかどうかではなく、体内に蓄積する窒素の量から考えて、です。
通常のダイビングは減圧停止が不要な範囲内で行います。
簡単に言うと、いつ水面に浮上してもOKな範囲、ということです。
減圧停止について詳しくはこちらからどうぞ!
逆に、直接水面に浮上すると高い確率で減圧症にかかってしまうような潜り方(減圧停止が必要な潜り方)を安全に実現するのはテクニカルダイビングの範疇です。
減圧停止が不要な範囲で潜ることが出来る時間の限界だから減圧不要限界(無限圧限界)。
英語にするとNo Decompression LimitなのでNDLです。
それぞれをもう少しニュアンスで伝わりやすい言葉に言い換えたものが限界時間であり最大潜水時間であり、ノンストップリミットですね。
MDTは最大潜水時間を英語にしたMaximum Dive Timeの略です。
尚、この中でNDLに関しては「これから潜ろうと考えている水深に滞在可能な最大の時間」という意味だけでなく、ダイブコンピューターを使用している場合に、「今いる水深に滞在可能な最大の時間」という意味でも用いられます。
SIT/水面休息時間
これは読んで字のごとく休憩時間ですね。
SITは水面休息時間を英語にしたSurface Interval Timeの略です。
気をつけて欲しいのは、なにも水面に浮かんでいなくても、ウエットスーツから着替えて遊んでいても、なんならベッドで寝ていても、ダイビングとダイビングの間が24時間以内であれば、潜っていない時間は水面休息時間と呼ばれます。
水面というのは水面そのものを指すわけでは無く、水面の圧力→大気圧の場所、つまり陸上を指しています。
24時間以内であれば、と言ったのは、便宜上ダイブテーブルでは24時間で全ての窒素が体内から排出されると考えるためです。
実際には24時間経っても全ての窒素が排出されないこともあります。
尚、現実的にはあまり考えられませんが、水面休息時間が10分以内の場合には、その時間もダイビングを行っていたものとして、1本目と2本目のダイビング時間を合算して考えます。
RNT/残留窒素時間
Residual Nitrogen Timeの略です。
24時間以内のダイビングで体内に蓄積した窒素は、次のダイビングでも考慮に入れる必要があります。
しかし、ダイブテーブルは体内に窒素が全く蓄積していない状態からどの様に蓄積するかということしか求められません。
そこで、体内に窒素が蓄積している分、実際よりも長く潜ったとして考えていきます。
この、体内に蓄積した窒素を時間に換算したものが、残留窒素時間です。
残留窒素時間の考え方が、ダイブテーブルの使い方でみんなつまずくところですね……。
TNT/合計窒素時間
Total Nitrogen Timeの略です。
体内に窒素が蓄積している場合は、その分の窒素を時間に換算したRNTの分だけ長く潜ったことにして考えると言いました。
実際に潜った時間と、RNTを足したものがTNTです。
2本目以降のダイビングでは、このTNTを用いてダイブテーブルを使います。
ADT/実際潜水時間
Actual Dive Timeの略です。
つまり、ADT+RNT=TNTですね!
AMDT/修正最大潜水時間
Adjusted Maximum Dive Timeの略です。
MDTはどんな意味だったか覚えていますか?
減圧不要限界、つまり、ある水深に滞在可能な最大の時間でしたね。
こちらはそのMDTにAdjustedが付いています。
AMDTは体内に蓄積した窒素を考慮に入れる、つまりRNTを用いてAdjust(修正)した、ある水深にどれだけ滞在可能かを示す時間です。
ダイブテーブルを見てもらうとわかるのですが、実はAMDT=MDT-RNTになっています。
まとめ
実際の会話でNDL以外のアルファベット略語が使われる場面はそう多くありませんが、テキスト等では普通に使われます。
また、限界時間と減圧不要限界など同じ意味を持つ言葉が統一されずに使用されていることもあるので、もしわからなくなったらまたこの記事に戻って来て下さいね!
現在は多くの指導団体で、ダイブテーブルを習わずにダイブコンピューターの使用方法のみを教われば良いことになっています。
しかし、ダイブコンピューターを正しく使用するためにも、ダイブテーブルの考え方を理解することは非常に重要です。
ダイブテーブルの使い方がわからない、忘れてしまったという人は、こちらの記事へどうぞ!!
PADI、NAUI以外の指導団体のテーブルに関しても、使い方は基本的に同じですよ!
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