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水深と圧力の関係

基礎知識

無邪気にプールで遊んでいたあの頃…

水着ギャルを水中から見ようとプール遊びのひとつとして水底に潜った時に、耳が痛くなって潜るのを諦めたことはありませんか?

既にダイビングを経験した方の中には、ダイビング中に耳が痛くなる経験をしたことがある方もいると思います。

これは耳の中の空間が水圧で押されるために痛くなります。

水圧は常に一定ではありません。

水深に応じて変化します。

今回は、その関係性について見ていきたいと思います。

水深と圧力の関係

物体は常に周囲から圧力を受けています。

今スマホの前にいるあなたの身体にも、です。

実感は湧かないかもしれませんが、あなたの身体には頭上はるか500km、宇宙との境界である大気圏まで、巨大な空気の柱の重みがかかっています。

この重さが圧力(大気圧)です。

地上の大気圧は1013.25hPa(ヘクトパスカル)、これはおよそ1kgの力がかかっていることになります。

圧力は、その物体の上にどれだけの力がかかっているか、と言えるので、山登りをすれば当然圧力は下がります。

例えば富士山の山頂であれば標高は3776m。

地上に比べると3776m分の空気の柱が頭上から無くなります。

したがって、地上で1013.25hPaだった圧力は富士山頂では約630hPaになります。

なお、便宜上1013.25hPaのことを日本では1気圧、と読んでいます。

海外式に1atm(アトム)と呼ぶこともあります。

hpa

さて、話をダイビングへと戻しましょう。

海の中に潜ると、あなたの頭上には海面までの空気の重さに加えてその水深までの水柱の重さが加わります。

この水柱の重さが水圧です。

水圧は水深10mごとに1気圧増加します。

水深10mなら圧力は、大気圧1気圧+水圧1気圧で合計2気圧。

水深20mなら大気圧1気圧+水圧2気圧で合計3気圧ですね。

大気圧の1気圧を加える事をお忘れなく!

それにしても、10mごとに1気圧だなんて、キリが良くて覚えやすいですね!

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ここからが面白いところです。

1気圧というのは空気の層500km分の重さのことでした。

水深10mで1気圧増加するということは、10mの海水の水柱の重さが500kmの気柱の重さが同じ、ということですね!

あえて海水、と言っているのには訳があります。

浮力の仕組みでご説明したとおり、海水は真水に塩分が加わっている分、真水よりも重たいです。

つまり、圧力はその重さにも関係があるので、真水(湖など)の場合には水深10mで水圧が1気圧増える、というわけではないんですね!

淡水(真水)の場合は10.3mごとに水圧が1気圧増加します。

なんともキリの悪い…

それにしてもこれ、面白くありませんか?

真水10m分の重さと、大気圏500km分の空気の重さが同じ、であればわかるような気がします。

しかし、真水ではなく、海水10m分と同じとは…

なんだかつくづく、地球は仕組まれた星、な気がしますね!(笑)

耳抜き(圧平衡)との関係

さて、冒頭耳が痛くなってしまって潜るのをあきらめました。

ダイバーの方ならご存知だと思いますが『耳抜き』が全てを解決してくれます!

耳抜きについては別の機会にご説明するとして、注意すべきことがひとつ!

浅い水深ほどこまめに耳抜き!

ということです。

これは、水深の変化に伴う水圧の変化を見るとわかります。

水面(水深0m)から水深10mに潜ると圧力は1気圧⇒2気圧となります。

つまり、2倍になったということですね。

一方、水深10mから水深20mに進むと圧力は2気圧⇒3気圧となります。

つまり1.5倍です。

いかがでしょう?浅い水深の時の方が変化率が大きいことがわかります。

感覚的にはダイビング序盤、水深5m~8m付近が一番耳抜きのトラブルが起きやすいので、油断しないようにしましょうね!

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細谷 拓

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合同会社すぐもぐ代表社員CEO。 学生時代、大瀬崎でのでっちをきっかけにダイビングにドはまり。 4年間で800本以上潜り、インストラクターを取得。 静岡県三...

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