それダメー!NGなエアの節約方法~スキップ呼吸~
出来るだけ長い時間潜っていたい。
ダイバーなら誰でもそう考えるものですよね!
何人かのチームで潜ってる際、自分だけエアが少なくて申し訳なくなってしまうこともあると思います。
そんな「エア持ち」についてはこちらの記事でご紹介しました。
こちらの記事にある様な方法で正しくエアを節約するのなら良いのですが、中には間違った方法でエアを節約しようとしている人も……。
その方法とはズバリ、スキップ呼吸です。
スキップ呼吸とは
通常、ダイビング中の呼吸は、
ゆっくり吸って
ゆっくり吐く
一番最初に教わる、いわば鉄則ですね。
一方スキップ呼吸はというと、
ゆっくり吸って
少しの間、息を止めて
ゆっくり吐いて
少しの間、息を止めて
という呼吸方法を指します。
初心者ダイバーなら1度はやってしまう、間違ったエアの節約方法がこのスキップ呼吸です。
思い当たるフシがある人も多いのでは??
何を隠そう、筆者も初心者の頃はやってしまったことがありました。
そして、痛い目をみました……。
でも、息を止めている時間を作ることで、ダイビング1本の中で息を吸う回数を減らせば、エアを節約できそうですよね。
なぜダメなのでしょう?
むしろ呼吸数が増加する?
こちらの記事でも触れましたが、人間が苦しいと感じるのは、体内に酸素が足りない時ではなく、体内に二酸化炭素が多くなった時です。
スキップ呼吸を行うと、息を止めている間に体内の二酸化炭素が増え、身体は通常の呼吸以上に酸素を求めます。
従って、自分では通常と同じペースで呼吸しているつもりでも、知らず知らずのうちに呼吸数が増え、結果としてエアの節約にはならなくなってしまいます。
にわかには信じられないかもしれませんが、自分自身で実証済みです。(笑)
もちろん、多少の節約になる可能性は否定しませんが、スキップ呼吸をしたところで、節約できるエアは10程度でしょう。
ウエイトを見直したり、中性浮力を上手く取れるようになったり、水中での動きを極力なくす、といった正攻法でダイビングが上手になると、それだけで50近くのエアが節約できる場合も。
だったらそっちの方がお得ですよね!
少しでも節約できるならやってみたいと思われるかもしれません。
しかし、スキップ呼吸を行うと、経験したことの無い苦痛を味わうことになってしまいます。
スキップ呼吸は酸欠を引き起こす
スキップ呼吸を続けていると、体内の換気が悪くなってしまうため、軽い酸欠状態になってしまいます。
酸欠状態は、軽い物であっても、ダイビング中だけでなくエキジット後も、頭痛や吐き気が続きます。
筆者もダイビングを始めてすぐ、中学校3年生の頃に、頭痛、吐き気に加えて強い眠気に襲われたことがあります。
果たして本当にスキップ呼吸をしていたのかは覚えていませんが、症状と、カッコつけたいお年頃(自爆)と考えれば間違い無くスキップ呼吸を行っていたのだと思います。(笑)
そして、酸欠状態になってしまっていたのでしょう。
酸欠状態は、さらに我慢を続ければ、もっと重篤な症状になってしまう可能性も秘めています。
なので、スキップ呼吸は
絶対に
やめましょうね!
もうひとつ、当たり前ですが、エアが少ないのが恥ずかしいからと言って、サバを読んでエアを報告することも絶対にダメですよ!
ガイドダイバーは良い意味であなたのことを信用していません。
直接残圧を尋ねるだけでなく、さりげなく目視でもあなたの残圧を確認しています。
中には、よほど恥ずかしいのか残圧計を身体の方にわざわざ向けて、見られない様にしている方も見かけたことがありますが、なおさら怪しいです。
筆者なら、そういう方には残圧を尋ねるのではなく、残圧計を直接見せてもらいます。
そして、サバを読んでいることが発覚するはずです。(笑)
サバを読んでいることがバレれば、余計に恥ずかしいですよね。
正しい方法でエアを節約することは大事なことですが、経験や体格によってエアの減り方が違うことは当たり前です。
エアの減りが早いことは恥ずかしいことではなく、予め分かっていればそれに応じたコース取りを行うこともできるので、エア持ちが悪いと感じている方は事前にハッキリと申告しておきましょう。
そして、ダイビング中も無理な節約を行おうとするのではなく、素直に残圧を申告しましょう。
その方が、あなたも、周りの方も、存分にダイビングを楽しむことができますよ!
この記事へのコメントはありません。