圧平衡とは?耳抜きと何が違うの?

耳抜き。
この言葉を知らないダイバーはいないことでしょう。
むしろ、ノンダイバーでもほとんどの方が知っている言葉かもしれませんね。
潜ることで水圧が増加し、何もしないと耳やサイナスが痛くなってしまいます。
これを耳抜きによって痛くならない様にするわけですね。
サイナスって何?という方はこちらからどうぞ!
それ以前に、潜ることで水圧が…の部分で引っかかった方はこちらから!
そしてこの痛みのことをスクイズと言います。
よく、テキストでスクイズの話になると
『無理な圧平衡をしたまま潜ると、リバースブロックになり…』
とあったりします。
リバースブロックとは何ぞや、は以前ご紹介しました。
あれ?
無理になんかするとリバースブロックになるらしいけど、その圧平衡って何?耳抜きと何が違うの?
そんなことを思った方もいるのではないでしょうか??
ということで、今回は『圧平衡』という言葉について、ご説明していきたいと思います!
耳が痛くなる仕組み
こちらでご説明した通り、潜ると周囲の圧力は上がります。
一方体内の空間(中耳)の圧力はそのままです。
そして、自然の摂理として、物質は圧力が高いところから低いところに移動しようとします。
高気圧側から低気圧側に向かって風が吹くのと同じですね。
つまり、圧力の高い海水が、圧力の低い体内空間(中耳)に流れ込もうとする。
しかし当然、空間との間には壁があるので入り込めない。
これが押さえつける力になり、痛みを生じるわけですね。
耳抜きの仕組み
では、痛みを生じさせないためにはどうしたら良いのでしょう?
海水と体内空間で圧力差があるために痛みを生じるわけですから、圧力差をなくしてやれば良いわけです。
そしてその方法は2つ。
周囲(海水)の圧力を体内空間と同じレベルに下げるか、体内空間の圧力を周囲(海水)と同じレベルに上げてやれば良いのです。
前者に関しては、圧力を下げる=水深を上げる≒浮上する、ということですね。
後者が耳抜き。
空気を体内空間に送り込むというわけです。
圧平衡とは
この、周囲(海水)の圧力と体内空間の圧力を等しくすることを圧平衡と言います。
化学の授業で平衡という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
あるものと、あるものの釣り合いをとること、釣り合いがとれた状態のことを平衡と言います。
ダイビングの場合、圧力の釣り合いを取るので、圧平衡というわけですね。
耳抜きも圧平衡の一種ですが、浮上することもある意味圧平衡です。
ただ、基本的に圧平衡=耳抜き、と思ってもらってOK。
したがって、無理は圧平衡を行うと、という文章は、無理な耳抜きを行うと、と読み替えることが出来ます。
ではなぜ、わざわざ圧平衡という言葉が出てくるのでしょうか?
それは、圧平衡を行う必要のある場所が、耳だけではないからなんですね。
圧平衡を行う必要がある場所
こちらの記事でもご紹介した通り、体調などによってはサイナス(副鼻腔)でもスクイズ(痛み)を生じる場合があります。
これはサイナスが体内に存在する空間だからで、耳抜きと同時に圧平衡を行っているわけですね。
この表現がややこしいですね。
つまり、耳の圧平衡を行うのが耳抜き、他の場所は厳密には〇〇の圧平衡ということ。
耳の圧平衡のために耳抜きをすると同時に、サイナスの圧平衡も完了する、ということです。
では耳、サイナスの他に圧平衡が必要な場所はあるのでしょうか?
体内の空間で圧平衡が必要な場所は他にはありません。
空間としては肺がありますが、レギュレーターで呼吸しているため、肺の内部は自然と周囲の圧力と同じになっています。
圧平衡が必要な場所は2ヶ所。
1つはマスク内部、もう1つはドライスーツ内部(ドライスーツで潜っている時のみ)です。
完全に口呼吸のみで潜っている場合、マスクは水圧によって押さえつけられます。
そのため鼻から息を出して、マスク内部の圧平衡を行う必要があります。
だからダイビング用のマスクは鼻がすっぽり入る様になってるんですね。
仮に水泳用のゴーグルで潜ると、ゴーグル内部の圧平衡を行うことが出来ず、目がえぐられるほどに押さえつけられてしまいます(笑)
ただし、これに関しては特に意識をしなくても、自然と出来てしまっていることがほとんどだと言えるでしょう。
ドライスーツを着用している場合、こちらも体とスーツの間に空間が出来てしまうので、給気バルブからドライスーツ内部に給気をして、圧平衡を行う必要があります。
さらに詳しくはこちらを見てみて下さいね!
まとめ
基本的には圧平衡≒耳抜きと思ってもらってOKです。
厳密には
- 圧平衡
- 耳抜き
- サイナスの圧平衡
- マスク内部の圧平衡
- ドライスーツ内部の圧平衡
という関係性だと言うことですね!
ちなみに、耳抜きが苦手な人は、こちらもチェックしてみてくださいね!
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