痛くなるのは耳だけじゃない!サイナスとは?

大人気ドラマ、ドクターX。
緊迫の手術シーンの終盤、内田有紀演じる城之内博美が決めゼリフかの様にこう言います。
「バイタル。血圧XXXのXXX、心拍数XXでサイナス。」
ん?サイナス??なんか聞き覚えあるぞ??
こう思った方も多いのでは無いでしょうか??
サイナス、ダイビングでもよく聞く言葉ですね。
ですが意外に『サイナスって何?』と思っている方も多いかと思うので、今回はサイナスについてご説明したいと思います!
ドクターXでのサイナス
すいません。
先に謝ります。
ドクターXでのサイナス、つまり、医療現場でのサイナスは、ダイビングとは違う意味で用いられます。
なんでも
“Sinus Rhythm”
のことを指し、不整脈の無い正常な心臓の動きを意味するのだとか。
手術シーンの最後にこの言葉が出てくるということは、その手術が無事成功したことを示しているわけですね。
ちなみに、実際の手術でわざわざ『サイナス』ということは無い、なんてお医者様からのツッコミもありますが…(笑)
ダイビングにおけるサイナス
さて、本題はこちらです。
Sinusには2つの意味があり、ひとつは主に静脈洞など血管が合流する部分を表す”洞”という意味。
こちらが転じてドクターX内の様な使われ方をするわけですね。
※医学に詳しいわけでは無いので、もし間違っていたらご指摘ください
もうひとつの意味がダイビングで使われる意味です。
洞≒穴、ということで頭部に存在する文字通り穴、空間を表す意味があります。
日本語では副鼻腔と呼ばれます。
どこにあるの?
図の通り、4種類の空間として存在します。
専門的にはそれぞれ前頭洞、篩骨洞、上顎洞、蝶形骨洞と呼ばれます。
“頭部”はどんな動物でも脳、目、口、鼻から形成されています。
頭部の大きさは身体の大きさに応じてバランスの良い大きさがある程度決まりますが、脳の大きさはそうとも限りません。
すると、頭部の大きさに対して脳が小さい場合などは、余分な空間が出来てしまうことになります。
その空間が骨や筋肉で満たされてしまうと、今度は頭部が重くなりすぎてしまう、そこで空洞として存在するのが副鼻腔なのだそうです。
もちろん、あくまで進化の過程での話なので、ここがこうだからここがこうなって、ではなく自然と形成されてきたわけですが…(笑)
なぜ重要なの?
ダイビング後、サイナスの痛みを感じたことのある方もいるかもしれませんね。
通常であればサイナスは耳抜きと共に、自然に圧平衡が取れます。
しかし、風邪をひいていたりするとサイナスが炎症を起こしてしまっている場合があります。
この状態だと、いくら耳抜きをしても圧平衡が取れなくなってしまうことがあります。
すると…
もうお分かりですね。
潜降時にはスクイズが、浮上時及びエキジット後はリバースブロックが、発生してしまうのです。
特にサイナスのリバースブロック、それはそれは辛いです。
そうならないために、正しく耳抜きをして、それでもうまく行かないときには無理せずダイビングを中止する勇気を持ちましょうね!
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