減圧症とは?

ダイビングをやっていると、色々なところで減圧症という言葉を聞きます。
もちろんライセンスを取る段階でも勉強したはずなのですが
実はちゃんと説明できる人は少ないのではないでしょうか?
あーあれね!
なんか深場大好きダイバーがかかるやつ!
50点。
ということで、改めて減圧症について勉強してみましょう!
●兆候と症状
まず、どの様な状態のことを減圧症と言うのでしょうか?
典型的な症状としてはベンズと呼ばれる関節痛や手足のしびれが挙げられます。
ほかに、倦怠感、めまい、難聴、耳鳴り、息切れ・呼吸困難、胸部の違和感、皮膚のかゆみ、発疹、頭痛などが挙げられます。
減圧症治療で有名な山見医師によると
レジャーダイバーの減圧症では、関節痛・筋肉痛の痛みの程度は軽く、ほとんどのケースにしびれ感(中枢神経障害)を伴います。四肢のしびれ感は末梢側に多く出現し、自覚的にはチクチクするまたはジーンとした違和感として感じます。
とのことなので、頭痛だけなどで過度に恐れる必要は無いでしょう。
夏場のインストラクターなんて、毎日倦怠感と闘っていますからね!(笑)
この症状、約半数はダイビング後1時間以内に発生します。
また、それ以上経ってからでも、ほとんどの場合は72時間以内に発生すると言われています。
ダイビング後3日以内に関節の痺れなどを感じたら、迷わず病院に行きましょうね!!
そして、稀にダイビング後72時間以上経ってから発症することもあるので、72時間以上経ってるから減圧症では無い、とは言い切れないこともお伝えしておきます。
●原因
では何故減圧症を引き起こしてしまうのでしょう?
その仕組みについては長くなるのでそれはそれで別の記事にしようと思います(笑)
結論から言うと…
深く潜りすぎ
長く潜りすぎ
が原因となります。
じゃあどれぐらい長く、深くなら潜って良いの?
それを教えてくれるのがダイブプラナー(ダイブテーブル)です。
そして、それを自動的にリアルタイムで計算してくれるのがダイブコンピューターですね。
●誘因となるもの
さて、長く潜りすぎ、深く潜りすぎ、ていなくとも減圧症は発生することがあります。
ひとつは健康等に関するものがあります。
40歳以上(みなさんには無縁かもしれませんが、いつかは年を取りますからね!笑)、肥満(BMI25以上)、古傷、減圧症の既往歴、脱水、疲労、月経、冷え
これらは減圧症のリスクを高める可能性があると言われています。
また、ダイビング中の激しい運動、潜水直後の温浴、潜水後の運動、ダイビング後の高所移動(箱根の山越え等)も減圧症のリスクを高めると言われています。
これらは避けることが出来るものなので、極力避けましょう!
そしてもうひとつ。
急浮上
が挙げられます。
ダイブプラナー(テーブル)やダイコンが『安全』と判断するのは適切な浮上速度で浮上した場合です。
安全な浮上速度、覚えていますか?
1分間に9m〜18mですよ!(指導団体によります)
この速度を超えて浮上した場合には、急激に周囲の圧力が下がるので減圧症発症のリスクが非常に高まります。
なぜ周囲の圧力低下が減圧症を引き起こすのかは、減圧症の仕組み、をご覧下さいね!
●予防法
基本的にはこれまでに上げた誘因となるものを避けることが予防法になります。
長く潜り過ぎない、深く潜り過ぎない、これは当然です。
ダイコンの指示に従うだけでなく、余裕を持ったダイビングを行なうことが重要になることは、デコって何?でお伝えしました。
また、様々な誘因がある中でも、『冷え』と『脱水』が回避可能にも関わらず大きな一因になっているという話もあります。
ダイビングの時はこまめに水分補給!(水ではなくスポーツドリンク等で!)
無理してウエットで潜らない!(学生は特にここ大事ww)
そして、ダイブプロフィールにも気を使いましょう。
リスクが高いと言われているのは以下の2つ。
●のこぎり型
図のように深度変化をくり返すダイビングです。
初心者の方の場合は急浮上のリスクも出てくるので避けましょうね!
●箱型
意外とやってしまいがちなのがこちら。
なぜリスクが高まるのかはもっと深い部分を理解するとわかるのですが…
これで減圧症になってしまうケースが一番多い気がします。
そして理想的なダイブプロフィールはこんな感じ。
ダイビングの最初で一番深いところに行き、徐々に深度を上げていきましょう。
もちろん安全停止もお忘れなく!
減圧症は、ダイビングに復帰することが出来なくなるケースも多々あります。
………
嫌ですよね?
でも、DECO寸前で目の前にヘルフリッチがいたら…
行くは一時の満足、行かぬは一生の満足ですよ!!!
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