根、クレバス、オーバーハング……地形を現すダイビング用語を徹底解説!
根、クレバス、オーバーハング……地形を現すダイビング用語を徹底解説!「あそこのポイントのドロップオフにはハナゴンベがたくさんいて……」
「正面にある根にカエルアンコウがいるよ!」
ダイビングをしていると、そんな会話を耳にすることがあります。
もちろん、根と言っても植物の根ではなく、地形を指しています。
地形を指す用語は普段の生活では使わない言葉ばかり。
今回はそんな用語をご紹介して行きたいと思います。
目次
根
岩礁や岩など、水底から大きく隆起した場所の事を言います。
根自体が生き物たちの隠れ家になるだけでなく、根には海藻やソフトコーラルが生育するため、それらも生き物たちの隠れ家となっています。
したがって、多くの魚は根の周りでいつでも隠れられる様に生活をしており、生き物を探す際には、まずは根から探してみると良いでしょう。
●●根、▲▲の根などといった形でダイビングポイント名になっている場合も多いです。
尚、根の頂上は根頭(ねあたま)と呼ばれます。
隠れ根
通常ダイビングでは、陸上から続く根も、全てが水面下に沈んでいる根も、全て根と呼びますが、釣り人などは全てが水面下に沈んでいる根を隠れ根と呼ぶことがあります。
ダイビングの場面では基本的に根と同じ意味だと思って良いでしょう。
ただし、大きな根の陰に隠れる様な根を指している場合もあり、ケースバイケースです。
飛び根・離れ根
陸上から続いている根ではなく、陸から孤立している事を明示的に示す場合に、飛び根や離れ根ということがあります。
潮流がよく当たるダイビングポイントとなっている事が多く、多くの魚が乱舞するダイナミックなダイビングを楽しめることが多い場所です。
リーフ
直訳は礁で、水面に僅かに突き出すか、ごく浅い水深にある根の事を指します。
ダイビングの場合、岩で出来たもの(岩礁)は根と呼び、サンゴで出来たもの(サンゴ礁)を指す場合が多いです。
リーフ(サンゴ礁)は魚たちの恰好の隠れ場所となるため、カラフルな魚が集まります。
南国の海のイメージ=リーフと言えるでしょう。
アウトリーフ
リーフの外側を指します。
潮流が当たり、ダイナミックなポイントとなっている場合がほとんどです。
インリーフ
リーフの内側を指します。
サンゴ礁が天然の防波堤となり、穏やかなポイントとなっている場合がほとんどです。
クレバス
両側が岩壁の溝や亀裂のことを言います。
概ね人が通れるほどの規模の物を指す場合が多いです。
クレバスの中には多くの生物が潜んでいるほか、通り抜ける際には冒険心をくすぐられる景観を楽しむことが出来ます。
スリット
規模が小さい場合にはスリットと呼ぶ場合もあります。
スリットには甲殻類やヨウジウオの仲間のほか、様々な種類の幼魚など小さな生き物が隠れていることが多く、かわいらしい生き物を見つけることができる場所です。
アーチ
唯一普段の生活でも出現する言葉なので説明不要かもしれませんね。
逆に日本語で説明する方が難しい……
上方向に凸な曲線形状、としか日本語では表せず、アーチそのものの日本語訳は存在しない様です。
ダイビングの場合、綺麗なアーチ形状でなくとも、人くぐり抜けることができる規模で、奥行きがないものは全てアーチと呼ばれます。
火山由来の地形を持つダイビングスポットに多いです。
オーバーハング
岩や岩盤などの接地面よりも上部が手前にせり出している部分のことを言います。
スリットには入ることが出来ないサイズの生き物たちにとっては恰好の隠れ場所となり、カエルアンコウなどが潜んでいることもしばしば。
直接光が当たらない場所なので、ライトを使って丁寧に探してみましょう。
ドロップオフ
崖のように急激に水深が深く落ち込んでいる地形のことを言います。
単にドロップと略して使用される場合もあります。
潮流がよく当たる場所となり、ハナダイの仲間や回遊魚、マンタやサメなどの大物を狙える場合が多い場所です。
かけ上がり
斜面のことを指します。
大きな岩や根が多いダイビングポイントでは綺麗な斜面になっている場所は少なく、斜面であることを明示的に示すために使用されます。
尚、かけ下がりと表現されることもあります。
チャネル
島と島の間など、巨大な水路となっている場所を指します。
潮流が集約されるため非常に流れが速い場所ですが、その分、大型の回遊魚やマンタなどが狙えるダイビングポイントになっている場合が多いです。
ゴロタ
大きめの岩や石のこと。ビーチの砂利止めなど人工的な物を指す場合が多いですが、自然のものを指す場合もあります。
ゴロタが広がるエリアの下をゴロタ下、上をゴロタ上などと呼ぶ場合もあります。
パヤオ
流木等を集めてロープなどで水底に固定した浮魚礁のことです。
厳密には地形ではありませんが……
浮魚礁を用いた漁業が盛んなフィリピンの言葉です。
パヤオに魚が集まる理由は所説あり、そもそも水面に浮いている物に集まる習性がある魚がいるほか、パヤオに付着したプランクトンを求めて小魚がやってきて、その小魚を求めて大型の魚がやってきて……と食物連鎖の基盤になっているという説もあります。
最後に
地形を表す用語はどれも専門用語で、はじめは意味がわからないものばかり。
専門用語を理解できるようになると、なんだかダイバーとしてひとつ成長した気分になれますね。
ただし、新しく覚えた言葉を使いたい気持ちはよくわかりますが、専門用語ばかりを使っていると、ベテランダイバーからも初心者ダイバーからも閉口されてしまうので、お気を付けを!!
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