潮汐って何?干潮・満潮、潮回りなどを気にしてダイビングしよう
ダイビングを行う日の満潮、干潮、気にしてますか?
特にビーチダイビングの場合、干潮時はエントリー、エキジットがハードになることもあるので、事前に確認することをオススメします!
もちろん、すでに気にしているダイバーの方も多いことでしょう。
潮見表の満潮時間、干潮時間を見ていて、ふと疑問に思ったことは無いでしょうか?
それぞれの時刻とは別に記載してあるこんな言葉。
大潮、小潮、若潮、などなど…
大潮小潮ぐらいはご存知かもしれませんが、若潮や長潮となると、よくわからない方も多いのでは!?
ということで、今回はそんな潮汐にまつわる用語についてご説明していきたいと思います!
そもそも潮汐とは?
満潮や干潮、大潮や小潮、海面(場合によっては湖面)が上下する現象を表した言葉ですが、その海面が上下する現象を総称して潮汐と言います。
これは、(地球の場合主に)月の引力によって引き起こされる現象です。
日の周期(満潮・干潮)
地球は自ら約1日1回転しているので、1日の間でも海の潮位は変化します。
そして、潮位が最も高い時間を満潮、潮位が最も低い時間を干潮、と呼びます。
1日の中で月との位置関係が変化するため、月に最も近づいている時は海水が月に引き寄せられ満潮になります。
反対に、月から最も遠ざかった時、月に引き寄せられる力が最も小さくなるため、地球自身の遠心力の力が強く働き、こちらも満潮になります。
そして、このちょうど中間の時間帯で干潮となります。
満潮時と干潮時の潮位差は1~2mになることも珍しくなく、その分深度が変わるので注意が必要です。
ちなみに干満差世界一で知られる場所はカナダ南西部に位置するファンディ湾。
その干満差はなんと15mにも及ぶのだとか!
そして干満差日本一は有明海と言われており、最大で6mにも……!
ダイバーのみなさんなら、その干満差の凄まじさ、イメージが湧きますよね。
繰り返しになりますが、特にビーチダイビングの場合、干潮時は滑りやすい岩肌がむき出しになっているなど、エントリー、エキジットがハードになることもあるので気を付けましょうね!
また、干潮と満潮の間では当然水が動いています。
つまり、干潮、満潮時刻の付近は潮止まりといって比較的流れが発生しづらいですが、そのど真ん中の時間帯は流れが発生しやすい時間帯なので要注意ですよ!
月の周期(潮回り)
月は約1ヶ月かけて地球の周りを1周しているので、1ヶ月の間でも海の潮位は変化します。
潮汐には月の引力だけでなく、太陽の引力も関係しています。
太陽は月よりもはるかに大きく、強い引力を持つ一方で、月よりもはるかに遠くにあるため、潮汐に及ぼす影響は月の半分ほどと言われています。
ここで出てくるのが大潮や小潮の他、聞きなれない若潮や長潮などです。
この潮の干満差を5種類に分けたものを潮回りと言います。
- 大潮:潮の干満差が最も大きい時期で、満月や新月付近の数日間。
- 小潮:潮の干満差が最も小さい時期で、上弦や下弦の半月付近数日間。
- 中潮:大潮から小潮に、小潮から大潮に向かう間の時期。
- 長潮:小潮の直後1日。満潮干潮の変化がゆるやかな日。
- 若潮:長潮の翌日。満潮干潮の変化が徐々に大きくなりはじめる日。
太陽と月、地球が一直線に並ぶ満月や新月の日は、1日の干潮満潮の仕組みと同様に、潮位の変化が大きくなり、大潮となります。
逆に半月の日には潮位の変化が小さくなり、小潮となります。
原則的に15日という決まったサイクルでそれぞれの潮が訪れ、
若潮
中潮中潮
大潮大潮大潮大潮
中潮中潮中潮中潮
小潮小潮小潮
長潮
若潮
中潮中潮
…
と続きます。
ただし、月は約29.5日で地球の周りを一周するため、0.5日分のずれを解消するために、潮周りが4週するたびに大潮の日が1日減ります。
一般に、大潮時は潮の動きが活発であることに連動して、魚たちの動きも活発になると言われています。
逆に、魚を捕食するアオリイカを狙う漁師たちは、若潮に気合いを入れて漁をするのだとか。
当然、大潮時は干満差が激しい分、強い流れが発生しやすく、小潮時や長潮時は比較的流れは弱い、ということも言えます。
年の周期
地球は1年をかけて太陽の周りを回っているため、この位置関係による影響が潮位にも現れます。
これは、満潮や干潮の時間帯に影響を与え、同じ大潮でも夏場は昼間に干満の差が激しくなり、冬場は夜中に干満の差が激しくなる傾向があります。
潮汐表について
満潮干潮、その日の潮回り(大潮小潮など)にも少しだけ注目して潜ることで、より安全に、楽しく潜ることができるようになります。
では、その日の潮汐はどの様に調べれば良いのでしょうか?
ここまでご説明してきた通り、潮位は月や太陽の引力が影響しています。
地球の動きはもちろん、月や太陽の動きについても規則性があるため、予測することができ、それに伴って潮位も予測することができます。
実際に観測される潮位については気圧などの影響もあるために予測値とは誤差がありますが、満潮の時間や干潮の時間が大きくずれるということはありません。
そんな予測は様々なところで発表されており、気象庁では概ね1年先までの潮位・潮汐予測が発表されています。
つまり、気象庁のページから、自分が潜る日、潜る場所の潮汐情報を把握できるというわけですね。
ただし、潮汐の情報は特定の地点の情報しか得られません。
これは、潮位の予測にはその地点の地形なども関わるためで、例えば今自分がいる地点そのものの潮汐予測を知りたいと思っても、現在の所そういった方法はありません。
しかし、地点が少しずれたからといって、干潮の時間や満潮の時間が大きくずれるということはないので、自分が潜る場所から最も近い、潮汐予測が発表されている地点を探して確認する様にしましょう。
尚、Scuba Monstersのスポット探しのページでは、各ダイビングスポットのページで、そのダイビングスポットから最も近い地点の潮汐予測を表示しています。
いちいち調べるのが面倒という方にはおすすめですよ!
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