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PADIダイブプラナーの使い方

スキルについて

ダイビングライセンスを取得するための学科講習で、最も多くの人がつまずくのが潜水計画の立て方。
指導団体によって利用するツールが微妙に違います。

今回はPADIで使用される、レクリエーションダイブプラナーの使い方を見て行きたいと思います!

現在はダイブコンピューターの普及により、PADIをはじめとした多くの指導団体では、ダイブコンピューターの使い方のみを講習で教われば良いことになっています。
しかし、ダイブプラナーを理解してダイブコンピューターを使うのと、理解せずに使うのでは、リスクをどれだけ理解しているかという部分で雲泥の差があります。

実際ダイブコンピューターの普及により、減圧症は減るどころか増えてしまっているという現実もあるのです。

その理由はまたの機会にお話をするとして、それだけダイブプラナーは保守的なダイビングを行うことが可能と言うことですね!

ここでは、NAUIダイブテーブルの使い方との違いも含めて見て行きましょう!

そもそも、NAUIダイブテーブルは表面で完結していることに比べ、PADIは裏表です。
しかし、3つの表がある点では一緒ですね!

基本の『き』

圧力グループ

AからZのアルファベットで体内に残留する窒素の量を表します。
Aならあまり溜まっておらず、Zだと限界ギリギリまで溜まっています。
ちなみにNAUIはAからLまでとなっています。

窒素の出入り

同じ水深でも長く潜れば潜るほど窒素は体内に溜まります。
同じ潜水時間でも深度が深ければ深いほど溜まります。
水面休息をとればとるほど体内から窒素は排出されます。

減圧不要限界(NDL)

ある水深で、減圧症のリスクを基準に、安全に潜ることが出来る最大の時間です。
NAUIでは最大潜水時間と言います。
体内に窒素が全く溜まっていない時には黒地に白抜きの数字です。

潜水後の体内残留窒素を調べる

さて、いよいよ実際の使い方を見ていきましょう!
まずは体内に窒素が全く溜まっていない状態、つまりその日の1本目の使い方です。

表面の深度から、そのダイビングの最大水深を見つけます。
その際、実際の水深に一番近い数字ではなく、一番近く、かつ実際よりも深い数字を選ぶことが重要です。
例えば最大水深が14mちょうどなら14を選ぶが、15mなら16を選ぶ、ということですね!

次に、選んだ水深の列を下に辿り、そのダイビングの潜水時間を見つけます。
その際、深度と同様に実際の潜水時間に一番近い数字ではなく、一番近く、かつ実際よりも長い数字を選んでください。
例えば16mで潜水時間が39分なら39を選ぶが、40分なら41を選ぶということですね!

そして、選んだ潜水時間の行を右に辿り、見つかったアルファベットが1本目、ダイビング終了後の体内に残留する窒素量です!

どうでしょう?簡単ですよね!

NAUIとの違いは、縦横が逆、ということと、PADIの方が細かく出来ている、という点です。

水面休息で排出される窒素を調べる

先程の続きで行きましょう。
1本目が終わった時点のアルファベットから手を話さないで下さいね!

そのまますぐ横の水面休息時間表を辿っていくと、何やら細かい数字がたくさん書いてあります。
ここももちろんNAUIより細かいですね。
この細かい数字が水面休息時間を表しています。

先程の図の終わりから続けて見てみましょう。

水面休息時間が55分だとします。

該当する場所を見つけ、そのまま下に辿ってみましょう。
新しいアルファベットが現れましたね!

これが水面休息後の窒素量を表します。
たしかに、窒素量が減っていることがわかりますね!

2本目以降の体内残留窒素を調べる

ここからがややこしくなってくる所です。

今から2本目のダイビングをしたいと思います。
ということは、あなたの身体の中には1本目のダイビングで溜まった窒素が残っていますね。

このダイブプラナー、非常に便利なのですが、唯一欠点があります。
身体にどれだけ窒素が溜まるかは、表1で調べますが、この表1は身体に窒素が溜まっていない状態のことしか調べられないのです……。
これはNAUIのダイブテーブルも一緒です。

さて、ではどうするか?

身体に残っている窒素を時間に換算する

という考え方をします。
ここがみんな、わけわからなくなるところなんですよね……。

体内に溜まっている窒素、これを一旦無かったことにします。
そして、2本目の水深で何分潜ったら同じ量の窒素が溜まるのかを考えます。

窒素が溜まる、という現象は同じなので、これでも計算は出来ますよね、という話です。

ということで体内の窒素量を時間に換算するために準備されているが裏面です。

先ほどの続きから行きましょう。
1本目、休憩が終わり、アルファベット(体内の窒素の量)はEでした。
そのまま指は固定していてください。

NAUIの場合、左利きの人には申し訳ないと言いながら、右手に変えてもらう必要がありますが、PADIのプラナーは変えなくてOKです!
PADIは左利きの人にも優しい?笑

ただし、PADIの場合は裏面に突入します。
指を同じ場所に固定したままプラナーをひっくり返しましょう。

すると、同じアルファベットが裏面にも書いてあるはずです。

左利きの方、ごめんなさい。
ここで指を右手に変えてください……。
やはりPADIも左利きには優しくなかった……。笑

右手の指をアルファベットに固定したまま、左手の日々で2本目に潜る水深を表3の一番左の列から見つけます。

そして、左手でその列を右に辿り、右手は先ほどの場所から下に辿ります。
すると、2本の指がぶつかるところに2つの数字が見つかりましたでしょうか?

この、ぶつかったところにある白地に黒の数字が、

身体に残っている窒素を時間に換算したもの

です。

そして、もう1度表面に戻り、実際の潜水時間に、今見つけた時間を足しあわせ、その合計を潜水時間として次の圧力グループを見つけます。

PADIはNAUIに比べるとクルクル裏返すところが若干面倒でしょうか。

この先、3本目へと進む場合は同じことの繰り返しでOKです!

次回のダイビングの最大潜水可能時間を調べる

ここまでを理解できればこれは簡単です!

先ほど両手の指がぶつかった部分、青地に黒の数字が一緒に書いてあったと思います。
これが、次回のダイビングの最大潜水可能時間です!

今回の例の場合、74分ですね!

次回の計画している潜水計画を実行するために必要な休憩時間を求める

ここからは応用編です。
とはいえ、実際に重要になるのは計画なので、一番重要な部分でもあります!

1本目が終わり、そのダイビングでの圧力グループが求められたと思います。

2本目の計画を実行するのに必要な休憩時間を求める、ということは言い方を変えると、

「休憩を経て、2本目で予定をしている水深、潜水時間でのダイビングが可能なレベルに反復グループがなっている」

ということです。
具体的に見ていきましょう。

1本目が終わり、圧力グループがMだったとします。
2本目には16mに50分間潜りたいと計画しています。

つまり、水面休息が終わった時点で、16mに50分間潜水可能なレベルまで圧力グループが戻っていれば良いわけです。

ここで裏面表3を見てみます。

裏面の水深16mの行を右に辿り、最大潜水可能時間が50分を超えているところを探します。
そこからその行を上に辿ると……。

休憩終了時点で反復グループがEになっていれば良いことがわかりますね!

右手の指をEに固定したまま表面に戻りましょう。
1本目終了時の反復グループがMなので、左からMの行を右に辿り、同時に下からEの列を右に辿ってみます。

ぶつかったところは0:47〜0:55ですね!
つまり、47分以上水面休息を取れば、計画通りのダイビングが可能、ということです!

万が一最大潜水時間を超えてしまった場合

万が一ダイブプラナーの示す減圧不要限界を超えてしまった場合には、以下のルールを適用し、減圧停止を行います。
いつも行う安全停止ではなく、減圧停止です。

減圧停止については以下の記事からどうぞ!

超えてしまった時間が5分以内⇒水深5mで8分間
超えてしまった時間が5分以上⇒水深5mで15分以上(可能な限り長く)

減圧症のリスクが極めて高い、というだけで、即減圧症になるわけではありません。
上記の指示を守ることで、そのリスクを下げることが可能です。

ここはNAUIダイブテーブルと大きな違いがある点ですね!
NAUIの場合は水深や超過時間によって様々な減圧停止時間を指示してくれます。

特別ルール

ここまでダイブプラナーの使い方を見てきましたが、特別な使い方をしなくてはならない場面がいくつかあります。

一つは高所潜水の場合。
日本で言うと、本栖湖など標高300m以上の湖などで潜る場合にはこのままの使い方で計算してはいけません。

そして、通常の海でのダイビングでも特別な使い方をするケースがあります。
水温が非常に低く、呼吸数が上がる場合と、激しく動いた場合です。

その様なコンディション化では実際より4m深く潜ったとして計画を立てます。
具体的な数字が示されていることがNAUIとの違いです。

また、NAUIダイブテーブルには存在しないルールがもう一つ。

1日に3本以上潜る場合、圧力グループがWまたはXになった場合には必ず1時間以上、Zになった場合には必ず3時間以上の水面休息をとるように

とされています。

NAUIとの違いも含めて見てきましたが、NAUIの方が、一面で完結している点で利便性は良いでしょうか。
一方でPADIの方が見た目でもわかる通り、細かい設計となっています。

最後にご紹介した特別ルールからもわかる様に、1分でも長く潜りたい!という姿勢が伺えるように思います。
一方で、NAUIの方が万が一の際のフォローが手厚く出来ています。

どちらのツールが優れている、ということは全くなく、ダイブプラナーを正しく理解することが、減圧症予防の第1歩ですよ!

細谷 拓

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合同会社すぐもぐ代表社員CEO。 学生時代、大瀬崎でのでっちをきっかけにダイビングにドはまり。 4年間で800本以上潜り、インストラクターを取得。 静岡県三...

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