【徹底比較】ソーラー充電式ダイコン7種&タイプ別おすすめ機種
みなさんこんにちは。
最近「だいがくで書いてる『しげ』じゃない方」という、じゃない方芸人になりつつある『たく』です。
さて、2014年の登場以来爆発的人気となり、今や海でダイバーの手首を見ると、ほとんどの人がつけていると言っても過言では無い、ソーラー充電式のダイブコンピューター。
もちろん僕らも愛用しています。
いえ、愛用していたんです。
遡ること数週間前、それは沖縄での出来事でした…
あ、ここから前置き長いです。
さっさと本編に行きたい人は、こちらからどうぞ!
ダイコンを2つ無くすというミラクル
スベスベオトヒメエビsp.に気を取られ…1個目。
沖縄県北谷町の砂辺海岸付近を拠点に潜っていた僕ら。
その日は3月としては珍しく、目の前の海である砂辺の海が穏やかな日でした。
穏やかな日はなかなか無いので、ナイトダイビングまで楽しむことに。
ナイトダイビングを終え、そそくさと器材を洗っていると、別のチームで潜っていたしげが、何やらテンションMAXです。
そう言って、一眼を手に再び海へ…
みなさんもそう思いますよね。
こちらです。
https://twitter.com/yuta3822/status/1106584770304106496
うん。全然萌えない。
この、相当マニアックなエビを写真に収め、満足そうな表情で帰って来たしげ、事件はこの後起きます。
エキジット後、器材を洗い、夕飯を食べていた頃のことです。
まあ、僕らとしてはあるあるです。
年に100回以上言ってます。
無意識のうちに「いつものところ」に置いちゃうんですよね。
今回もそんなところだろうと思っていました。
しかし…
ダイコンは翌朝になっても見つからず、結局行方知れずに。
実は数日後、ダイコンと共に無くなったリストコンパスだけが近くに路駐していた車のボンネットから見つかると言う、なんとも不可解な出来事が起きているので、皆様、その辺にポンと置かない様にお気を付けを…(もちろん、偶然拾ってくれただけかもしれませんが!)
そんなこんなでダイコンを無くしたしげ(1年4か月ぶり3回目)は、翌日には新しいダイコンを発注します。
ちなみに前回無くした時の記事はこちら(笑)
ハナゴンベに気を取られ…2個目。
数日後、この日僕は休養日、しげは水釜港からボートダイビングでした。
港からすぐのポイントでは、この種としてはやや浅め、水深23m付近にハナゴンベが生息しています。
https://www.instagram.com/p/BvOv-vMFHx6/?utm_source=ig_web_copy_link
写真は別の場所で撮影されたものですが、これは萌えますね。美しい。
数日後にダイコンを無くし、新たなダイコンもまだ到着していなかったので、僕はしげにダイコンを1日貸すことに。
そして、事件は再び起きます。
ボートダイビングから戻って来ると…
はい、やりました。(4日ぶり4回目)
港に探しに行くも見つからず、1週間もしないうちに2個目のダイコン紛失です。
ソーラー充電式、沢山あって選べない!
前置きがかなり長くなりました。
そんなこんなでダイコンを失った僕、サブのダイコンは持っているのですが、やはりメインはソーラー充電式が欲しい。
発売当初はアクアラングとTUSA、2社からの発売でしたが2019年現在、これらの2社に加えてBism、SCUBAPROと、合計4社から発売されています。
(※2018年よりSCUBAPROの日本法人が販売から撤退し、現在はTUSAブランドの販売元である株式会社タバタがSCUBAPRO製品を日本正規代理店として販売)
以前はTUSAのDC Solarを使っていた僕。
理由として、TUSAはかねてより減圧症予防に関して啓蒙活動を行っており、コンパートメントごとにM値までどれだけ余裕があるかを可視化したダイブコンピューターなどを発売していたこと。(現在は終売)
DC Solarに関しても、アクアラングには無い、減圧症を予防する工夫が取り入れられていたためでした。
コンパートメントとM値に関してはこちらからどうぞ!
今回改めて自分で購入するにあたり、当時よりも選択肢が増えていること、自分の減圧症に関する知識も当時よりは深まっていることから、改めて細かく検討してみることにしました。
ということで、ここからが本編、各社のソーラー充電式ダイブコンピューターを比較して行きたいと思います!
ソーラー充電式ダイブコンピューター基本情報
まずは2019年現在発売されている、ソーラー充電式のダイブコンピューターを確認して行きたいと思います。
アクアラング
Calm
定価:80,000円(税抜)
デザインバリエーション:5色
本体材質:プラスチック
Calm plus
定価:86,000円(税抜)
デザインバリエーション:10色
本体材質:プラスチック
TUSA
DC Solar
定価:70,000円(税抜)
デザインバリエーション:4色
本体材質:プラスチック
DC Solar Link
定価:100,000円(税抜)
デザインバリエーション:6色
本体材質:プラスチック
SCUBAPRO
Z1
定価:110,000円(税抜)
デザインバリエーション:4色
本体材質:ステンレス
Bism
DIVE DEMO SOLIS 4G
※画像は4GSのものですが、デザインバリエーションは4GSと同じです。
定価:128,000~138,000円(税抜)※デザインによる
デザインバリエーション:4色×2~3種
本体材質:チタン
DIVE DEMO SOLIS 4GS
定価:132,000~142,000円(税抜)※デザインによる
デザインバリエーション:4色×2~3種
本体材質:チタン
ソーラー充電式ダイブコンピューター機能比較
ここからは一旦デザインや価格は抜きに、純粋な機能を比較して行きたいと思います!
まずは各社で機能に差があるものを表にまとめてみました。
全てのダイブコンピューターに共通する機能は載せていないので、もちろんこれ以外にも機能は満載です。
例えば、自動で周囲圧を計測して高所潜水に対応出来たり、ナイトロックス(エンリッチドエア)を利用することが出来たり、デジタルコンパスを搭載していたり…
などなど、通常のダイブコンピューターと同等かそれ以上の機能が搭載されていますよ!
では、それぞれの機能について、細かく見ていきましょう。
アルゴリズム
ダイブコンピューターの中枢であるアルゴリズム、つまりどんな理論を用いて減圧症を予防するための計算を行っているかという点です。
アルゴリズムが異なれば、同じ潜り方をしていても、残りの潜水可能時間は当然異なってきます。
各社のアルゴリズムを見てみると
- アクアラング:ビュールマンZH-L16C
- TUSA:ビュールマンZH-L16C改
- SCUBAPRO:ビュールマンZH-L16C
- Bism:A.A.ビュールマン
となっています。
アクアラングとSCUBAPROは一緒ですね。
BismのA.A.ビュールマンというのは、Albert A. Bühlmann、つまりアルゴリズムを開発したビュールマン博士の名前そのものなので、こちらも同じものと考えて良いでしょう。
気になるのはTUSAの『改』の文字。
説明書に記載された内容によると
スイスモデルの研究と理論に基づいてA.A.ビュールマン博士によって
開発されたZH-L16Cアルゴリズムをベースにして減圧計算を行っています。表示される
無減圧潜水時間は、窒素をゆっくり吸収したり、排出したりする各区画に対しては、ZHL16Cよりかなり安全に設計されています。
~中略~
尚、IQ1204では、窒素を速やかに吸収したり、排出したりする各区画には高い許容度を持
たせていますが、窒素をゆっくり吸収したり、排出したりする各区画に対しては許容度が
非常に厳しく設定されています。
ということで、同じ日に何度もダイビングを行った場合に減圧症発症リスクを高めてしまう、ハーフタイムが遅いコンパートメントに対して、より安全側の計算となる様、独自の補正を行っている様です。
この辺りに、TUSAの減圧症予防に対するこだわりを感じますね。
ハーフタイムとコンパートメントに関してはこちらでも詳しく解説しています!
fa-hand-o-rightアルゴリズムはTUSAがこだわりアリ!
独自機能
最初にソーラー充電式のダイブコンピューターを発売したアクアラングとTUSAの2社に関しては、今もこの2社だけという独自機能が搭載されています。
アニバーサリー機能
こちらはアクアラングのダイコン、CalmとCalm plusにのみ搭載されている機能です。
50本、100本などの記念ダイブを迎えるごと、ダイコンに「Congratulation」と表示され、ダイコンがお祝いしてくれるという…
ダイコンの本質とは無関係なので割愛楽しい機能!遊び心満載!楽しさ、大事!(笑)
反復潜水時休息シミュレーション機能
アニバーサリー機能はさておき、アクラングのCalm plusには、このダイコンにしか搭載されていない機能があります。
通常のダイブコンピューターのプランモードでは、今この瞬間に、ある水深に潜ると何分間滞在できるかを表示することが可能です。
一方で、滞在したい時間から水面休息時間を逆算することは出来ませんでした。
Calm plusでは、任意の水面休息時間を指定し、今から指定した時間だけ休息した後、ある水深に何分間滞在できるかを表示することが出来ます。
これを利用すれば、必要な水面休息時間を見積もることも可能ですね!(もちろん、必要な水面休息時間ギリギリで潜るのはやめましょう。)
この機能、バディダイビングやガイドなど、自ら潜水計画を立てる人にとっては結構便利なのではないでしょうか。
M値警告
こちらはTUSAの独自機能で、DC Solar、DC Solar Link共に搭載されています。
通常のダイブコンピューターの場合、体内のどこかのコンパートメントがM値を突破するまで、あと何分かが表示されます。
もちろん、突破するとDECOですね。
DC SolarとDC Solar LinkではデフォルトでM値の90%、設定によって80%や90%に到達した際、警告が表示されます。
これは、アルゴリズムへのTUSAのこだわりでもご紹介した様に、ハーフタイムが長いコンパートメントのことを考えられて搭載された機能です。
もちろんこの警告によって、より安全なダイビングを心がけることが可能になります。
ここからは個人的な見解です。TUSAの中の皆さん、怒らないで…
そもそもハーフタイムが長めのコンパートメントの事を考えているわけで、残留窒素がほとんど無い状況ではあまり意味を為さず、逆にM値警告が有用になるほど体内に残留窒素がある場合は、そもそも減圧症リスクが高まっているのではないかなーなんて考えています。
fa-hand-o-right水面休息後のシミュレーションが可能なのはCalm plusだけ!
潮汐・日の出日の入・月齢の表示
こちらはアクアラングのCalm plusとBismのDIVE DEMO SOLIS 4GSの2機種にのみ搭載されています。
エントリーエキジットの容易さや、潮汐流の発生予測のために、潮の干満を知りたいという場面はちょくちょくあります。
もちろん朝のうちに確認をしたり、その場で調べても良いのですが、わざわざスマホを開かなくても確認できるのは、なかなか便利だと思いますよ!
fa-hand-o-right潮汐や潮回りの表示はCalm plus・DIVE DEMO SOLIS 4GSだけ!
異なる混合ガスを複数使用
今回取り上げる全てのダイブコンピューターで、ナイトロックス(エンリッチドエア)を使用することは可能です。
1つだけ注意をしたいのは、アクアラングの2機種は混合ガス(ナイトロックス)を1つしか設定できませんが、他社のものは4種まで設定でき、水中で変更することが可能という点。
複数の混合ガス?水中で変更?
はい、通常のダイビングや、ナイトロックスを用いたダイビングのみを行う場合は、アクアラングの物でも十分対応可能です。
水中でガスをチェンジ、これはテクニカルダイビングで窒素の排出を早めるために用いられるテクニック。
つまり、テクニカルダイビングを行う方や、この先少しかじってみたいという方は、アクアラング以外3社のものにした方が良いかもしれません。
fa-hand-o-rightアクアラング2機種は複数の混合ガスは使用不可
肺酸素中毒単位量の表示
こちらが搭載されているのはTUSAのDC Solar LinkとSCUBAPROのZ1のみです。
こちらもテクニカルダイビングを意識した機能。
以前、酸素中毒についてご紹介しました。
こちらでご紹介した酸素中毒と言うのは、実は急性酸素中毒(中枢神経系酸素中毒)と呼ばれるもの。
その他に慢性酸素中毒(肺酸素中毒)と呼ばれるものがあります。
具体的には、日単位、週単位で長時間高圧酸素に晒されると、酸素中毒を発症していしまうということです。
上記2機種では、これも計算してくれます。
もちろん通常のダイビングではあまり気にする必要はありませんが、テクニカルダイビングを行う場合には、こちらも考慮に入れる必要が出てきます。
fa-hand-o-rightテクニカルダイビングを念頭に置くならDC Solar LinkかZ1
Bluetooth
各社がイチオシするBluetoothを用いたログアプリとの連動。
アクアラングはCalm plusのみ、TUSAはDC Solar Linkのみ、BismはDIVE DEMO SOLIS 4GSのみとなります。
ちなみにSCUBAPROのZ1も対応していますよ!
これも個人的な見解ですが、ログ付けの醍醐味って一緒に潜ったメンバーで手書きのコメントを残すことですよね。
さらに、1日3本も潜ると、あとからまとめて同期するのが面倒になったりします…(経験アリ)
なので、そんなに重要視しなくても良い気がするような…
fa-hand-o-rightBluetoothはお好みで
共通機能
共通しているので特段取り上げなくても良いのですが、他のダイコンにはあまり見かけない機能があるのでご紹介します。
深度インターバルアラーム
デフォルトで6mごと、もしくは自分で設定した水深ごとにアラーム音で知らせてくれるというもの。
例えば5mごとに設定している場合、水深5m、10m、15m、20mと、5mごとにアラームで知らせてくれます。
透明度の良い海の場合、気付かないうちに深場に来てしまっていた…なんてこともあるので、案外便利な機能だと思いますよ!
ちなみに、水深10m付近をうろちょろしたばあい、そのたびにアラームが鳴ってうっとおしい…ということはありません。
3m以内の移動しかしていない場合にはアラームが鳴らない様になっているので
9m→10m→11m→8m→11m、の様に移動した場合、アラームは最初に10mを通過した時のみ作動します。
逆に
9m→10m→14m→10m→9m、の様に移動した場合『10m→14m』の部分で3m以上移動しているため、前後の水深10m通過時両方でアラームが作動します。
こんな人にはこれ!タイプ別おすすめダイコン
これを踏まえてこんな人にはこれ!というおススメを挙げてみたいと思います!
根っからのファンダイバー、どこまでもついて行きます!
fa-hand-o-rightTUSA-DC Solar
安全面への配慮が最もされており、かつ価格が最も安い、こちらのダイコンがおススメ!
M値警告や独自に補正を行ったアルゴリズムによって、ただ使っているだけでも安全に配慮をしたダイビングを行うことが出来るでしょう。
サークル・部活動のリーダー格、潜水計画も自分で立てます!
fa-hand-o-rightアクアラング-Calm plus
バディ潜水も含め、潜水計画を立てる様な人には反復潜水時休息シミュレーション機能が搭載されている点でこちらがおススメ!
潮汐を表示するとが出来るのもポイントが高いですね。
M値警告はTUSA独自のものなので搭載されていませんが、自分で計画する様なレベルであれば、ダイコンの警告が無くても常に安全に配慮したダイビングを行うことができるでしょう。(というか、出来ていて下さい…)
まだ見ぬ世界へ、将来的にはテクニカルダイビングも気になる!
fa-hand-o-rightTUSA-DC Solar Link
ガスチェンジや肺酸素中毒の予防にも対応したこちら。
ただ、本格的なテクニカルダイビングに対応できるかというと若干疑問符なので、その辺りはテクニカルダイビングの専門家に相談すると良いでしょう…
機能面からのおススメを挙げてみましたが、ダイブコンピューター選びでデザインが重要な要素を占めることも事実ですよね。
今回ご紹介したソーラー充電式のダイブコンピューター、途中でもお話しした通り、どれも普通のダイブコンピューターと同等かそれ以上の機能を備えているので、普通に使う分にはデザインで選んでしまってもOK。
アクアラングの2機種とTUSAのDC Solarは、見た目では違いがほとんどわかりません。
人とは違うダイコンをつけたい!という人は値段は張ってしまいますが、SCUBAPROのZ1やBismの2機種を選ぶのも良いと思いますよ!
今回の検討を踏まえ、僕自身としては
- アクアラング-Calm plus
- Bism-DIVE DEMO SOLIS 4GS
の2択でもう少し悩もうと思います。
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