水中をまるで無重力かの様に優雅に動き回るーー。
全ダイバーの目指す姿ですよね!
一方で、講習で一番苦労するのもこの中性浮力では無いでしょうか?
中性浮力をマスターするためには、まず、浮力の仕組みを理解することが重要です。
同じ水深であればこれだけで良いのですが、ダイビング中は当然水深が変化します。
その変化に対応するためには、水深と圧力、浮力の関係を理解することが必要です。
これを理解した上で、まずは適正ウエイトの調整。
そして、BC+肺で浮力をコントロールする感覚をつかむために、フィンピポットで練習をします。
ここまでは多くの人がスムーズに行くんですよね。
しかし、いざ実際に水中を動き始めると……
全っ然うまく行かない!
沈むと思ってBCに給気をすると今度は浮いて行くし……。
浮くと思ってBCから排気をしたら今度は這いつくばっちゃうし……。
なんで!?
ウエイトは適性、フィンピポットも完璧、BC操作だって問題ナシなのに……。
実はそれ
浮力コントロールは関係ないんです!
なぜそんなことが言えるのか、お教えしたいと思います。
最大の敵は立ち泳ぎ
そもそも浮力のコントロール自体がまだまだよくわかっていない場合は別です。
それをマスターしているのになかなかうまく行かない人は自分の泳ぐ姿勢を見直してみましょう。

正しい姿勢はもちろん水平姿勢。
この水平姿勢が、初心者のうちは案外難しいものです。
必死にインストラクターについて行かなきゃという気持ちも働いて、前を見ようと上半身が起き気味=立ち泳ぎ気味になってしまうんですね。
立ち泳ぎ気味になってしまうとどんなことが起きるのか。
水平姿勢で泳いでいれば、フィンキックの力は水平に伝わります。

一方、頭が上がった状態で泳いでしまうと、フィンキックの力が斜めに伝わってしまいます。

すると、本当は中性浮力の状態であったとしても……。
中性浮力
↓
下向きのフィンキックによって、身体を前では無く上に運ぶ力が生まれる
↓
身体が少し浮く
↓
BC内部の空気が少し膨張する
↓
過剰な浮力によって完全に身体が浮き始める
↓
BCから排気する
↓
BC内部の空気が足りない
↓
浮力が足りず、身体が沈む
↓
BCに給気する
↓
中性浮力になる
↓
フィンキックの角度がおかしい
↓
また浮く…
という負の連鎖が起きてしまいます。
これを防ぐために、思っているよりも少しだけ頭を下げ気味で泳いでみましょう!
頭を下げると言うと首だけ下を向いてしまう方もいるので、頭を下げるのと同時に腰を上に上げる様、意識するのも効果的です。
これだけで、中性浮力が安定しないということを防ぐことができますよ!
おわりに
筆者は講習を行う際、水平姿勢になることを口が酸っぱくなるほど指導しています。
水平姿勢さえできれば他のスキルは二の次……とまでは言いませんが、快適にダイビングを行うためには水平姿勢こそが生命線!
水平姿勢を習得することで、自身の中性浮力が安定するだけでなく、砂を巻き上げることも無くなり、周りのダイバーに迷惑をかけてしまうことも無くなるので、意識して潜るようにしてみましょうね!
コメント
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