正しいマスクの装着方法〜ダイビングスキル詳細解説〜
ダイビングを楽しむ上で、ダイビング器材はどれも欠かせない物で、等しく重要ですが、特にマスクは楽しさに大きく関係していると言って良いでしょう。
曇ってしまったり、絶えず水が入ってしまったりすると、せっかくのダイビングを楽しむことができませんよね。
マスクが曇ってしまえば視界が遮られ、何かにぶつかってしまうかもしれません。
マスクに絶えず水が入ってくると、それがストレスになるばかりか、鼻から水が入ってしまうことにも繋がります。
これを防ぐためにはマスクを正しく装着することが重要です。
正しい装着方法を確認して、曇りや水の侵入がない、快適なダイビングを楽しんでくださいね!
目次
マスク装着前の準備
購入直後の油膜取り
購入直後のマスクのレンズには、シリコンの油膜ができてしまっている場合が多いです。
これを取り除かないままダイビングを行うとどれだけ曇り止めを行っても曇ってしまうことに……。
事前に歯磨き粉やクレンザーなどでレンズを磨き、油膜を除去するようにしましょう。
油膜取りについて詳しくはこちらから!
装着前の身支度
案外盲点なのがこちらです。
マスクを付け始めてから直そうとすると、ダイビング直前になって時間を取ることになってしまうため、着替えを行った際などに予め準備しておくようにしましょう。
髪が短く、すっぴん、日焼け止め無しでダイビングを行う方は飛ばしてOKです!
長い髪の処理
髪の長い方はポニーテールなど、髪を結んでダイビングを行うことが多いでしょう。
その際、ポニーテールの結び目の位置は、多くの場合、ちょうどマスクストラップが当たる位置に来てしまいます。
普段より低い位置にずらして結ぶ様にしましょう。
髪に十分な長さがある方は、高い位置で「お団子」にすると、髪がバラつくこともなくおすすめです。
お団子を作る程の長さが無い方は、低めの位置で結ぶのが良いですね。
ちなみに、髪を結ぶ際は通常のゴムではなく、コイル状の物を使用すると、濡れた髪でも絡みづらく、こちらもおすすめです。
また、マスクストラップカバーが付いていない場合、少し高めの位置でポニーテールを結び、マスクストラップの間からポニーテールを出すという方法もあります。
この方法は、マスクストラップがズレることも防いでくれるので一石二鳥ですが、摩擦が強いマスクストラップに髪の毛の一部が絡んでしまう可能性もあります。
この唯一のデメリットを解決するため、マスクストラップの中央にポニーテールを出すための切れ込みが入ったマスクストラップカバーも発売されています。
前髪が長い方は、マスクに髪が挟まってしまうことを防ぐため、こちらも結んでおくのがおすすめです。
ちょんまげ、または「くるりんぱ」でまとめておくのが良いでしょう。
また、結ばずに、カチューシャやヘアバンド、ヘアピン、バンダナなどを活用するという方法もあります。
日焼け止めや化粧品
日焼けを防ぐことは重要ですし、ダイビング中でも美しい姿でいたいものですよね。
しかし、日焼け止めや化粧品にはいくつかのデメリットがあります。
まず、汗やマスク内の海水に日焼け止めや化粧品が溶けだし、それが目に入ることで目がしみてしまう場合があります。
目が痛いと思っても、ダイビング中にすぐに目を洗うことはできないので、注意が必要ですね。
また、日焼け止めや化粧品を含んだ水がレンズに付着すると、その部分の曇り止めが効かなくなってしまう可能性もあります。
さらに、日焼け止めや化粧品を厚く塗っていると、マスクが滑りやすくなり、マスクの位置がずれやすくなってしまいます。
すると、マスクに水が入りやすくなり、ここまでに挙げたデメリットを加速させてしまいます。
ダイビングの際、日焼け止めや化粧は最低限に抑えた方が良いでしょう。
曇り止め
ダイビングを行う前には必ず曇り止めを行ってから装着します。
つば、海藻、市販の曇り止め、中性洗剤やベビーシャンプーを薄めた自作の曇り止めなど、方法は様々ですが、必ず曇り止めを行いましょう。
曇り止めフィルムや曇り止め加工が施されたレンズ(2022年現在、国内メーカーからの発売は未確認)などを利用する形でもOK!
尚、自作の曇り止めは、濃度が濃く、しっかりと洗い流されていなかった場合、目に入った時に腫れあがってしまうほどダメージを受けてしまう場合があるため注意しましょう。
曇り止めについて詳しくはこちらから!
マスクの付け方
前後どちらから装着するか
マスクを先に顔につけ、ストラップを後ろに伸ばして装着する方法と、先にストラップを後頭部にかけてからマスクを前に伸ばして装着する方法が考えられます。
以下のメリットのために、マスクを先に顔につけるのが、教科書通りの方法とされています。
- マスクを正しい位置に付け、ずれないように装着ができる
- 髪の毛を片手で上に抑えた状態でマスクを装着できる
しかし、これに関してはどちらでも良い、と言って良いでしょう。
前後どちらから装着するにしても、これからお話するポイントに気を付けて頂ければOKです!
ストラップの長さの調整
レンタルマスクなどの場合、はじめはストラップをゆるゆるの状態にし、マスク装着後に調整するのが良いでしょう。
反対に、装着後にマスクを付けたままストラップを緩めることはできないと思っておきましょう。
尚、マスクに水が入るのを嫌い、顔にマスクの後がくっきりと残るほどにストラップをきつく締めている方を見かけますが、こちらの記事でもご紹介した通り、逆効果です。
適度に緩い方が、顔の動きに合わせてマスクスカートが動いてくれるので、水が入りにくくなりますよ!
また、マスクストラップがきつすぎると、マスククリアが上手くいかない原因にもなるので、マスクに水を入れたくない気持ちが、かえって水の排出まで妨げてしまうことになります。
目安としては、鼻から息を吐いた時に、マスクが少し浮く程度の緩さが良いでしょう。
マスク装着のポイント
マスクをどの様につけるか、前後どちらから装着するかに悩むことはあっても、それ以外に迷うことはないでしょう。
ただし、マスクを正しく装着するためには、いくつかのポイントが存在します。
最低限気を付けるべきポイント
髪の毛を入れない
マスクスカートに髪の毛を挟んでしまうと、その隙間からマスク内に水が侵入してしまいます。
産毛などを完全に入れないことは難しいかもしれませんが、できるだけマスクに髪の毛が入らない様にしましょう。
また、フードの上からマスクを装着する場合、フードの端にマスクスカートがかかってしまうと、同様にそこから水が入ることになるため、マスクスカートの全ての部分が顔に当たる様にしましょう。
鼻をつぶさない
鼻全体がノーズポケットに収まるようにしましょう。
鼻が上向きに潰れてしまうと、これもマスク内に水が侵入する原因となります。
マスクの位置は思っているよりも下、マスクスカートの下端が唇ギリギリになるぐらいの位置が良いでしょう。
耳をつぶさない
耳が潰れてしまっていると、次第に痛くなってしまいます。
また、耳が潰れるという事は、マスクストラップが立った状態で地面と平行に近い向きになっており、頭の凹んだ部分にかかっているということです。
この位置にマスクストラップをかけてしまうと、マスクストラップが徐々に下へと下がってしまいます。
ストラップの位置は、頭の最も出っ張っている部分、思っているよりも上部です。
イメージとしては、つむじの下。
詳しく言うなら、つむじに小指が来るように頭に片手を置き、そのすぐ下辺りが正しいマスクストラップの位置です。
ほうれい線を伸ばす
特に、頬骨が出ている方の場合、マスクをした際にくっきりとほうれい線に溝が入ってしまう場合があります。
すると、この溝からマスク内に水が侵入してきてしまうため、ほうれい線はできるだけ延ばしてマスクを装着すると良いでしょう。
また、マスクストラップが適度に緩ければ、装着直後はほうれい線に溝が入ってしまったとしても、マスクを固定する力よりも顔の肉が戻ろうとする力の方が強く、問題にならないことが多いです。
ほうれい線がくっきりと入ってしまっている方は、得てしてマスクストラップがきつく、顔の肉が戻ろうとする力よりも、マスクを固定する力が強くなってしまっています。
やはり、マスクストラップは緩めが良いと言えるでしょう。
最後に
マスクに水が侵入しないようにするため、マスクの正しい装着方法をご説明してきました。
しかし、最後にちゃぶ台をひっくり返すようですが、ダイビング中マスクに水は入るものだと思うことが重要です。
1本のダイビングでマスククリアを一度も行わないということはあり得ないでしょう。
マスククリアが苦手という方も多いですが、マスククリアの容易さはマスクの装着方法にも関係しています。
特に、きつすぎるマスクストラップは、マスククリアがうまく行かない原因のひとつ。
マスクを正しく装着するだけで、驚くほどマスククリアが簡単になることもありますよ。
マスクの正しい装着方法だけでなく、マスククリアについても改めて復習し、ダイビングを楽しんで下さいね!
モデル:AYA、SAYU
写真:関戸紀倫
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