【裏技アリ】レギュレーターリカバリー&クリアの方法とコツ〜ダイビングスキル詳細解説〜
人間は水中では呼吸できません。
当たり前ですね。
そんな水中での呼吸はレギュレーターが頼りです。
では万が一レギュレーターが水中で外れてしまったら……
一大事ですよね。
もちろん慌てる必要はありません。
これから解説するレギュレーターリカバリーとレギュレータークリアをマスターしていれば、簡単に呼吸を再開することができます。
講習中であってもレギュレーターが外れて上手く探せないとなっては困るため、講習の中で初めに教わることが多いスキルでもあります。
目次
どんな時に使うの?
誰かとぶつかってレギュレーターが取れてしまうことが無いとも言えません。
そんな時には焦らずにレギュレーターリカバリーをしてレギュレーターを探し出します。
水中で口から外れたレギュレーターは、内部に水が入っています。
そのまま息を吸ってしまうと水を飲むことになってしまうため、レギュレータークリアをしてレギュレーター内部の水を排出してから呼吸を行います。
つまり、レギュレーターリカバリーとレギュレータークリアはワンセットということですね。
レギュレーターリカバリーを行う機会は滅多にありませんが、レギュレータークリアは時々使うスキルです。
口の中がなんとなく気持ち悪い場合や、絡んでしまった痰を吐き出したい時など、やむを得ずレギュレーターを口から外す場合には必ずレギュレータークリアを行ってから呼吸を再開しましょう。
バブルリングをやりたい場合も同様ですね!
レギュレータークリアのやり方は?
レギュレータークリアには2種類の方法があります。
どちらもたったの1ステップ!
非常に簡単ですよ!
吹き出し法(ブラスト法)
レギュレーターをしっかりくわえて強く息を吐くだけです。
パージ法
レギュレーターをしっかり加えて、パージボタンを押すだけです。
吹き出すための息が肺の中に残っていない場合は、こちらの方法でクリアしましょう。
練習の方法|レギュレータークリア
レギュレータークリアの練習を行う際は、レギュレーターから手を離さない様にしましょう。
また、レギュレーターを外した際にマウスピースが上(水面側)を向いてしまっていると、フリーフロー(空気が勝手に出続ける)を起こしてしまいます。
口から外したレギュレーターはマウスピースが下に向くように持ちましょう。
練習の際のコツと注意点|レギュレータークリア
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ダイビングの最も大事なルールのひとつが「呼吸を止めないこと」です。
レギュレーターを口から外すと息を吸うことができないため、必ず口から息を吐き続ける様にしましょう。
吐く量はぷくぷくと少しずつでOKですよ!
クリアして息を吸う際は、レギュレーター内部に水が残っていた場合に備えてすするように、慎重に吸い始めましょう。
一度慎重に吸ってみて、問題なく呼吸ができれば通常の呼吸に戻してOKです。
また、焦ってしまってしっかりとレギュレーターを咥えられていないと、レギュレータークリアをしたそばから水が入ってきてしまいます。
口全体でしっかりとマウスピースを咥えてからレギュレータークリアを行いましょう。
吹き出し法(ブラスト法)
思い切り吹き出す様にしましょう。
マウスピースを加えているため「フッ」ではなく「ハッ」と吹き出すイメージ。
とはいえ、そこまで心配しなくとも、何も考えずに吹き出せばOKです。
パージ法
レギュレータークリアで最も多い失敗は、パージボタンを強く押しすぎることです。
強く押してしまうと必要以上の空気が出てくるため、マスクがずれて水が入ってしまったり、あまりの空気の量に驚いて水から上がろうとしてしまったり……
パージボタンは軽く押すだけでクリアに十分な量の空気が排出されますよ。
パージ法を行うと、レギュレーターから排出される空気と共にレギュレーター内部の水も口の中に入ってくることになります。
空気が出てくる部分を下で軽く押さえると良いでしょう。
とはいえこちらも、無意識のうちに行っている場合がほとんどなので、意識しすぎなくてもOKです。
レギュレーターリカバリーのやり方は?
レギュレーターリカバリーにも2種類の方法があります。
アームスイープ法
STEP1:右手を前に突き出します。
STEP2:右手を右腿に置きます。
STEP3:右手でお尻まで辿ります。
右手を身体から離すことなく、なぞるように手を動かしましょう。
STEP4:右肩をしっかり下げます。
STEP3の前に右肩を下げておいてもOKです。
STEP5:背中側に向けて右手をグルッと後ろに1周回します。
お腹側に向けて回さない様に注意しましょう。
STEP6:肩の付け根にレギュレーターが引っかかります。
右手を回し終わったら体制は元に戻してOKです。
STEP7:左手で右手をなぞり、レギュレーターを取ります。
首元までなぞるようにしましょう。
リーチ法
STEP1:左手でタンクを右斜め上に持ち上げます。
STEP2:右手でレギュレーターの付け根を探ります。
STEP3:レギュレーターを顔の前に持ってくる。
ホースを掴んで取ろうとするのではなく、親指の付け根にホースを当てたまま滑らせるように腕を戻すと良いでしょう。
練習の方法|レギュレーターリカバリー
レギュレータークリア同様、レギュレーターを外す際はマウスピースが下に向くようにしましょう。
口から外したレギュレーターを何も考えずに投げてしまうと、高確率で上を向いてしまいます。
また、外したレギュレーターは自分の前ではなく斜め後ろに置くように手を離しましょう。
特にアームスイープ法では、自分の前にレギュレーターを置いてしまうと、正しくスキルが行えていなくともレギュレーターを見つけることができてしまう場合があります。
ズルをしたい気持ちもわかりますが、スキルの練習は万一の場合に自分の身を守るため。
練習の際は自分に厳しくいきましょう。笑
練習の際のコツと注意点|レギュレーターリカバリー
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レギュレータークリア同様、レギュレーターを口から外している間は必ず口から息を吐き続ける様にしましょう。
レギュレーターリカバリーを行っているうちに息が苦しくなってしまったという方は、インストラクターのお手本と同じ様にゆっくりとやっていませんか?
デモンストレーションは大事な部分が見えやすいようにわざとゆっくり行っています。
焦って猛スピードで行うのは良くありませんが、デモンストレーションと同じスピードで行う必要はないですよ!
また、1回目で取れなかったからと言って諦めない様にしましょう。
皆さん息を止めてみて下さい。
30秒から1分ぐらいは止めていられますよね。
レギュレーターリカバリーはゆっくりやっても1回10秒程度。
1回目で取れなくても、まだまだやり直すのに十分な時間があります。
一番重要なことは、慌てずに探すことですよ!
アームスイープ法
右肩を下げる際、真横に下げるとバランスを崩しやすくなってしまいます。
真横ではなく、写真の様に右斜め前に肩を入れ込む様なイメージが良いでしょう。
リーチ法
ホースを掴むのではなく、親指の付け根をホースに滑らせるようにしてホースをたどり、レギュレーターを顔の前に持って来ましょう。
デモンストレーション動画
では、ここまでを動画で見てみましょう。
アームスイープ法、リーチ法、共にレギュレータークリアはパージ法で行っています。
どちらかをブラスト法で行えば良かったですね……ご容赦ください。
リーチ法の裏技
レギュレーターリカバリーとレギュレータークリア、それぞれ2種類の方法のうち、レギュレーターリカバリーのリーチ法ができない、という声をよく聞きます。
原因のひとつは器材セッティングにあります。
BCが必要以上にタンクの下方についていると、いくらタンクを持ち上げてもレギュレーターのファーストステージは背中の後ろで、手が届かなくなってしまいます。
BCの襟元がタンクの最上部と同じぐらいの高さになる様にセッティングしましょう。
それでも上手く行かないと言う方は……
察してください。笑
ただし、BCの位置が高すぎるとタンクから外れてしまう可能性が上がったり、ファーストステージが頭に当たってしまったりするので、注意しましょう。
それでもリーチ法が上手くいかない場合、BCがジャケットスタイルでなければ肩のバックルを少しだけ緩めるという方法もあります。
肩紐を緩めてしまうとBCが身体に密着せず、陸上では器材の重さが必要以上に負担となり、中性浮力も取りづらくなるので、基本的にはおすすめしません。
どうしてもリーチ法ができなければ今後に関わるという場面で、どうしてもリーチ法ができない場合にのみお使いください……
どんな場面かはご想像にお任せします……笑
最後に
不意にレギュレーターが取れてしまうというケースは、まず起こらないと思って良いでしょう。
ですので、過度の心配は不要ですが、万一起きてしまった場合、呼吸が出来ないことは文字通り死活問題です。
比較的簡単なスキルなのでおろそかにしがちですが、いついかなるときも確実にレギュレーターリカバリーとクリアをできるように、練習しておくようにしましょうね!
モデル:SAYU
写真:関戸紀倫
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