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【基礎知識】ナイトダイビングの鉄則

スキルについて

スバル”FORESTER”のCMでも話題になった、”ナイトダイビング”。

一般的には、アドバンスレベルの資格を取得すると、
ナイトダイビングをすることができるようになります。
※正確にいえば、エントリーレベル(オープン・ウォーターレベル)の資格でもナイトダイビングはできるのですが、
実際にはアドバンスレベルの資格を持っていないとナイトダイビングをさせてもらえないことがほとんどです。

※ダイビングは、レクチャーを受けた範囲内でのダイビングが大原則になります。

※関連記事:アドバンスって何!?本当に必要?

ナイトダイビングでは、昼間のダイビングでは体感することのできない、
スリルやドキドキ、生物との出会いを経験することができます。
それはまるで、初めて海に潜った時の経験のよう。。

今回は、そんなナイトダイビングとナイトダイビング時のルールについてご紹介したいと思います!

ナイトダイビングにおけるルール

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http://laut.seesaa.net/より写真引用

事前のチェック

ナイトダイビングをする際は、必ず昼間に一度同じポイントに潜っておきましょう。
できるだけ、穏やかで浅く、そして慣れたポイントに潜ることが鉄則です。
昼間のダイビングよりも、浅く狭く限定したエリアで計画を立てていきます。

また、器材のセッティングは明るいうちにやっておきましょう。
暗くなってからだと、どうしても手順にミスが起こりがちです。
エントリーまでの時間がある場合、一旦タンクのバルブを閉めておきましょうね♪
(潜る直前には、バルブを開けることを忘れずに!!)
※参考:【基礎知識】器材セッティング

ライトの準備

ナイトダイビングに必要な器材。。
そう!”ライト”がないと真っ暗で何も楽しめないですよね。笑

ナイトダイビングをする際は、
メインのライトと小型のサブライト(予備用のライト)を準備することが実は基本です。
(どうしても準備ができないよーという方は、ガイドやインストラクターに相談してみてくださいね♪)

万が一、メインのライトが故障してしまった際に、
安全に水面に浮上する際にサブライトが役立ちます。
備えあれば憂いなしですからね!!

※参考記事:【水中ライトの選び方】”ルーメン”ってなに!?

もう1つ準備しておいて頂きたいのが、
「ケミカルライト」

ライブ等でよく使う、パキっと折ると光るコレです。笑
タンクのバルブ等に輪ゴム等で取り付けて、
自分のチームやバディの目印にするために準備します。

あともう1つ!!
個人で準備することはなかなか無く、
ナイトダイビングができる多くのポイントでは準備されていることがほとんどですが、
「レンジライト」の準備が必要です。

※レンジライトとは…
帰りの基準点となるライトです。
直線上に2つのライトを設置します。
一方のライトより、もう一方のライトを高く配置することで、
浮上後にエキジットポイントをわかりやすくします。
(高低差をつけ、自分がどの位置にするか把握するために使用します。)

ライトの使い方

水中ライトは、ナイトダイビングでは生物や地形を照らすだけのものではなく、
ダイバー同士のコミュニケーションツールにもなります。

日中に使っているハンドシグナルは、ナイトダイビングでは使えません。
エントリー前に、打ち合わせをしておきましょう。
主なライトによるシグナルは下記の通りです。

—————————————–
・OKサイン:ライトで円を描く
・注意を引きたい時:相手の目線の位置で、横にライトの光を振る
・トラブルサイン:ライトの光を縦に振る
※指導団体NAUIの場合、トラブルサインはライトを頭上で弧を描くように素早く振ります。
・残圧確認:ライトで残圧計を照らし、そのままガイドに見せる
※多くの残圧計は蓄光生があり、ライトで照らすと光ります。
—————————————–

また、水面ではライトを並行にして持たないようにしましょう。
水面を泳ぐ、”ダツ”という魚の仲間は光に集まる習性があります。
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http://outdoorman.info/より写真引用
ライトの明かりに突っ込んできてけがをするというケースもあるのでとても危険です。

ナイトダイビングのリスクと対処

ロスト時の対応

基本的には日中と同じで、
仲間とはぐれてしまった際はその場で1分間待機。
相手の気泡やライトの明かりを探します。
見つからなければその場でゆっくりとした安全な速度で浮上です。

ライトの明かりを見つけるために、
自分のライトを胸に押し当てると相手のライトの明かりを見つけやすくなります。
※ライトを消してしまうと、お互いにライトを消してしまう可能性があるのでやめましょう!

エア消費スピード


実際にナイトダイビングを経験された方はおわかりかと思いますが、
想像以上にナイトダイビングの際はエア消費スピードが速くなります。

と、いうのも、
ナイトダイビングは中々刺激的な経験です。
普段よりも興奮しているんですね♪良い意味で♪

いくら、ナイトダイビングの際は、狭く浅い限定したダイビングであろうとも、
エア消費スピードはいつもより速くなるということを念頭に置き、
こまめに残圧の確認をするようにしましょう!

危険な生物との接触

ナイトダイビング中に特に危険な生物は、
ガンガゼ等のウニ類です。
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http://www.chie-project.jp/より写真引用

昼間は岩陰にいることが多いのですが、
ガンガゼ達は夜行性。
夜になるとありえないくらい表にでてきます。
ほんとありえないくらい。

そんな危険から身を守る為に、中性浮力スキルの練習が大事になるわけです。
最悪、ライトを杖替わりにして回避してしまってください。

ナイトダイビングの楽しみ方

ナイトダイビングは刺激的で、冒険に溢れたダイビングの楽しみ方の一つです。

夜の海に潜るというだけでもテンションはきっと上がりますが、
他にも楽しみ方があります。

夜行性のイセエビ等の甲殻類が這い回っている姿。
眠っている海洋生物の観察。
普段は見れない、海洋生物の捕食シーン。
きらびやかに光る、夜光虫。
サンゴの産卵。
などなど…

ナイトダイビングを楽しむためには、
エリアやバディ、器材について充分に理解する必要がありますが、
得るものが多く、自分のダイビングスキルに対する自信を深めることができるので、
ぜひチャレンジしてみてくださいね!!!

細谷 拓

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合同会社すぐもぐ代表社員CEO。 学生時代、大瀬崎でのでっちをきっかけにダイビングにドはまり。 4年間で800本以上潜り、インストラクターを取得。 静岡県三...

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