弾丸ダイビング旅行が危険なただ1つの理由
寒くなって来るシーズン。
誰だって暖かい海が恋しくなりますよね…
よし!
今週末は沖縄で弾丸ダイビング旅行だ!!
勢い余ってそんなことを考えてしまうかもしれませんが…
ちょっと待った!!!
ダイビング後の飛行機搭乗には最大限の注意が必要です!
弾丸旅行だけでなく、通常のダイビング旅行の場合でも、飛行機を使用する時には、これからご説明することを必ず念頭に置いて計画してくださいね!
ダイビング後の飛行機搭乗が引き起こすこと
ずばり、減圧症です。
減圧症は、身体に溶け込みきれなくなった窒素が気泡化することで発生します。
主な原因は
- そもそも窒素を溜め込み過ぎている
- 急浮上
の2つが挙げられます。
ここまでの話が「?」の方は、以下から復習してくださいね!
急浮上にしても、窒素の貯めこみ過ぎにしても、窒素が気泡化する直接の原因は、周囲の圧力が下がることにあります。
さて、話は変わって飛行機内。
皆さんも耳に違和感や痛みも感じたことがあるのでは無いでしょうか?
ダイバーの皆さんならお分かりかと思いますが、これは圧力が影響しています。
飛行機内の気圧は、最も低い時で約0.8気圧、標高にして2000m(富士山五合目程度)と同等の気圧になっています。
話を減圧症に戻しましょう。
減圧症は極端な話、一生同じ水深で生活をしていれば発症しません。
水圧がかかった状態から、水面に戻って圧力が下がることで発症します。
ということは、体内に窒素が溜まった状態で飛行機に搭乗してしまうと、地上よりも更に周囲の圧力が下がるため、減圧症発症の可能性を高めてしまうのです。
飛行機搭乗で減圧症にならないためには?
方法はただひとつ。
飛行機搭乗前に、体内の窒素をしっかりと排出することです。
つまり、飛行機に乗るまで、しっかりと時間を空けるということですね。
では具体的にはどの程度空ければ良いのでしょうか??
細かな言い回しは指導団体によって異なりますが、概ね18時間です。
PADIの場合は
- 単一ダイビング(1日に1本のみ)→12時間
- 反復ダイビング(1日に2本以上)→18時間
- 減圧停止が必要になってしまった場合(DECOを出した)→18時間以上
とされています。
DECOがわからない方はこちらからどうぞ!
通常のファンダイビングで1日1本というのは考えづらいかと思うので、基本的には18時間以上空けましょう、ということですね!
NAUIの場合は
- 通常のダイビング→18時間
- 減圧停止が必要になってしまった場合(DECOを出した)→24時間
とされています。
最低でも18時間空けると言うことは…
土日に東京から1泊2日の沖縄ダイビング旅行に行くとしましょう。
記事執筆時点(2017年10月)で、東京に最も遅く着くのは
JAL922便 那覇空港21:15発 羽田空港23:30着
です。
21:15の18時間前と言うことは日曜日未明3:15。
土曜日朝イチの便で行って、頑張って2本潜って…
まぁ可能と言えば可能ですね。
※ちなみに、よく聞かれるのですが飛行機搭乗後のダイビングは、極端な話5分後でもOKです(笑)
ただし、日曜日はどんなに暇だからと言っても、日中のダイビングは不可です。
18時間空ければ絶対安全、ではない
最後に最大の注意点です。
各指導団体はダイビング終了から飛行機搭乗まで18時間を推奨しています。
しかし、これは絶対安全とは言い切れない事を知っておいて下さい。
あくまで無理の無いダイビングを行った場合、18時間以上空ければ減圧症になる可能性は「かなり低い」という目安です。
どんなダイビングを行っても18時間で全ての窒素が体内から排出される、というわけではありません。
深いダイビングを繰り返したり、連日多くの本数を潜ったりすることで、最後のダイビング終了から18時間経過した時点でも体内に窒素が残っていることはあります。
その状態で飛行機に乗ったら…
減圧症発症のリスクが高いことは理解できると思います。
一方で、窒素を溜め過ぎちゃったから飛行機を1日遅らせよう、ということも現実的には難しいでしょう。
飛行機搭乗による減圧症発症リスクは、飛行機搭乗までの時間を空ければ空けるほど下げることが出来ます。
せっかくのダイビングを最大限楽しみつつ、安全に帰ることが出来る様、最終日丸々1日は観光などで時間を空け、十分に体内の窒素を排出してから飛行機に乗ることをおススメしますよ!
弾丸旅行だけではなく、合宿などで飛行機を利用する場合も、十分配慮した行動予定にしましょうね!
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