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【水だけじゃダメ??】熱中症の予防法

安全について

ミンミンゼミが鳴き始め、いよいよ真夏シーズンの到来ですね!!

真夏の暑い中、ウェットスーツを着続けていると、
スーツやフードは保温性が高いため、陸上で着ていると厚さで体がオーバーヒートしてしまいます。

一般的にいうとすれば、熱中症にかかってしまうということです。

今回は、なぜ熱中症にかかってしまうのかそのメカニズムと、
熱中症の種類、予防法をまとめてみました!!

熱中症の種類

熱中症と一言で言っても、その症状や種類には様々なものがあります。
それぞれに処置・対処法があるので、しっかりと覚えておいてくださいね!!

熱失神
皮膚血管の拡張によって血圧が低下、脳血流が減少して起こります。
脈は速くて弱くなります。

・特徴
めまい,一時的な失神,顔面蒼白

・救急処置法
涼しい場所に運び、衣服をゆるめて寝かせ、
水分を補給すれば通常は回復します。

熱けいれん
大量に汗をかき、
水だけを補給して血液の塩分(ナトリウム)濃度が低下した時に、
足、腕、腹部の筋肉に痛みを伴ったけいれんが起こります。

・特徴
筋肉痛,手足がつる,筋肉がけいれんする

・救急処置法
生理食塩水(0.9%の食塩水)を補給すれば通常は回復します。

熱疲労
大量に汗をかき、水分の補給が追いつかないと、
身体が脱水状態になり熱疲労の症状がみられます。

・特徴
全身の倦怠感,悪心・嘔吐,頭痛,集中力や判断力の低下

・救急処置法
涼しい場所に運び、衣服をゆるめて寝かせ、水分を補給すれば通常は回復します。

熱射病
体温の上昇のため中枢機能に異常をきたした状態です。
意識障害(応答が鈍い、言動がおかしい、意識がない)がみられたり、
ショック状態になる場合もあります。

・特徴
体温が高い,意識障害,呼びかけや刺激への反応がにぶい,言動が不自然,ふらつく

・救急処置法
死の危険のある緊急事態です。
集中治療のできる病院へ一刻も早く運ぶ必要があります。

いかに早く体温を下げて意識を回復させるかが予後を左右するので、
身体を冷やすなど現場での処置が重要です。

熱射病が疑われる場合には、直ちに全身に水をかけたり、濡れタオルを当てて身体を冷やします。
また、首すじ、脇の下、大腿部の付け根などの大きい血管を水やアイスパックで冷やす方法も効果的です。

熱中症のメカニズム

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身体の中では産熱と放熱のバランスがとれています。
産熱:身体が熱を作る働き
放熱:身体の外に熱を逃がす働き

→このバランスが崩れたとき、熱中症が起こります。

簡単に熱中症のメカニズムをご紹介していきたいと思います。

①産熱
ヒトの身体ではいつも熱が作られています。

②放熱
この熱を汗や排便などで身体の外に逃がすことで、
体温は36℃~37℃に保たれています。

③体温の上昇
しかし、身体を活発に動かすと、
筋肉で沢山の熱が作られ、体温は上がります。
また、暑い日などは運動をしていなくとも、
日差しや照り返しなどで体温が上がることがあります。

熱失神のメカニズム
体温が上がると、身体の表面に流れる血液の量が増えて、
体内の熱を身体の外に逃がしやすくなります。
→血液が体全体に行き渡るため、一時的に血液が足りなくなり、血圧が下がることがあります。
→その時、脳に十分な血液が送られず酸欠状態になり、めまいや立ちくらみ、意識を失うことがあります。
⇨これが”熱失神”です。

熱疲労のメカニズム
著しく体温が上昇する時は、汗をかくことでも体内の熱を外に逃がします。
汗をかいて体内の水分を失った時、
十分に水分をとらないと、脱水状態になります。
→脱水状態が続くと、全身倦怠感、悪心・嘔吐、頭痛などの症状が見られるようになります。
⇨これが”熱疲労”です。

熱けいれんのメカニズム
汗は血液から作られます。
汗が蒸発することで、体温を下げることができます。
汗の中には電解質(イオン)が含まれており、汗をかくと水分だけでなく電解質も失われます。
汗で元も失いやすい電解質は血液中に最も多いナトリウム、つまり塩分です。
→そのため、汗をかいた時に水だけを飲んで塩分を補充しないと身体の中の塩分が不足してしまいます。
→塩分は筋肉の収縮を調節する役割があるため、筋肉のけいれんを引き起こします。
⇨これが”熱けいれん”です。

熱射病のメカニズム
さらに体温の上昇が進むと、体温を調節する働きが追いつかなくなり、
体温が上がり脳に影響が及び、
倒れたり、意識の障害をきたす恐れがあります。
⇨これが”熱射病”です。

熱中症の予防法

一般的に、人は1日約2.5Lを体内から失います。
夏場は汗をかく分、意識して水分の摂取を心がける必要があります。

水分補給として一度に大量の水を摂取すると、
かえって体内の電解質バランスを崩して体調不良を引き起こしてしまいます。
飲む量は、かいた汗の量を目安にし、
汗で失われる塩分(ナトリウム)もきちんと補給することが重要です。

大量に汗をかいた時には、発汗量に見合った量の水を飲めないことが昔から知られており、これを「自発的脱水」と呼んでいます。
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私たちの身体には、ほぼ0.9%のナトリウムを含んだ血液が循環しています。
また汗をかいた肌をなめると塩辛い味がすることからわかるように、汗にはナトリウムが含まれています。

大量に汗をかいてナトリウムが失われたとき、水だけを飲むと血液のナトリウム濃度が薄まり、
これ以上ナトリウム濃度を下げないために水を飲む気持ちがなくなります。
同時に余分な水分を尿として排泄します。
この状態になると汗をかく前の体液の量を回復できなくなり、運動能力が低下し、体温が上昇して、熱中症の原因となるわけです。

熱中症を防ぐためのオススメアイテム

ダイバーならそこら中に塩分がありますね。
海水飲んでおきましょ。

ってな訳にはいきませんね〜笑

海水をガバガバ飲むわけにはいきませんし、お腹を壊す可能性大です。

水分とナトリウムを摂取できるオススメアイテムをまとめてみましたよ!!

①スポーツドリンク

美味しく水分と合わせてナトリウムを補給できるスポーツドリンク。
ダイビング時には携帯必須ですね!!

②スポーツドリンク以外の飲み物

甘い飲み物が苦手という方はこちら!!
ただのお茶では、利尿作用も含まれている為、逆効果となってしまう恐れがあります。
塩分が含まれた水分をとるようにしましょうね!!

③塩分補給タブレット

ダイビング前後には、手元にナトリウムを含んだ水分を得られるケースが少ないですよね。
そんな時のために、塩分補給用のタブレットを用意しておきましょう!!

④クールタオル

体温を下げるという為に、
クールタオルは必要ですね!!
もし余裕があれば準備をしておくと万全ですね♪

ScubaMonsters編集部

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