コンパスの使い方〜ダイビングスキル詳細解説〜
意外に難しいんですよねー
力を入れ過ぎると上に大きな穴が空いちゃったり
一部がぐにゃっとしちゃったり…
はい。
真面目にやります。
ダイビングにおいて基本的な器材であるコンパス(方位磁石)。
しかし、使い方がよくわからない器材No.1の呼び声が高い器材でもあります。
ライセンス取得時、さらにアドバンス取得時にキッチリと教わるはずなのですが、日々使っていないとわからなくなってしまいますよね……。
普段はガイドの後ろをついていくだけという方も、どちらの方向に進んでいるのかを把握するメリットはあります。
エアが少なくなってたとしても、帰る方向であれば必要以上に焦る必要は無いですし、逆に沖へ向かう方向であれば、求められている申告残圧よりも早めに伝えるという判断ができるかもしれません。
日頃からコンパスを気にする様にしていれば、そう難しい使い方では無いのですぐに身に着くはずです。
そしてもしかすると、日常生活でも役に立つかも?
何を隠そう、水中では迷ったことの無い自分、陸上では目も当てられないほどの方向音痴です。
なので、一時期カバンの中にコンパスを忍ばせていたこともあります。笑
(実際に陸上でもコンパスのお陰で地図が使えるようになりました)
ということで改めてコンパスの使い方を確認していきましょう!
各部の名称
まずは各部位の名称から!
●ラバーライン
このラバーラインが進行方向と一致するように使わないと、コンパスは全く意味がありません!
そのために、手だけでコンパスを動かすことの無い様、脇をしめて両手で持ちましょうね!
物によってはホースに対して斜めにラバーラインが引かれ、片手で持つことを想定しているコンパスもあるので、その場合はラバーラインと進行方向が一致することを、より心掛けましょう。
●ベゼル
このベゼルを操作することで行きたい方向を定めることが出来ます!
●インデックスマーク
このインデックスマークを上手に利用することで、行きたい方向に行くことが出来るようになります!
コンパスの持ち方
脇をしめて両手で持つだけでなく、必ずコンパス自体が水平になるように持ちましょう。
斜めになっていると、方位磁針がうまく動かず、正しく使うことができません。
特に、残圧計に対して斜めに付いている場合もあるので要注意ですよ!
<キャプ>残圧系に対して斜めにコンパスがついているタイプ
今向いている角度を知る
まずは基本的なところから行きましょう。
これがわかれば少なくとも岸沖方向だけはわかるようになりますよ!
知りたい方向を向いてコンパスを正しく、脇をしめて両手で水平に持ちましょう!
そのまま目線と同じ所にコンパスを持ってくると……。
覗き窓がありますね!
ここに書いてある数字(ラバーラインと重なっている数字)が今向いている角度です!
つまり、潜る直前に沖を向いた状態で角度を調べれば、沖の角度がわかりますね!
コンパスを上から覗き込み、手前側の数字を読んでもOKです。
でも潜ってて夢中になったらそんな角度なんか忘れちゃう……。
そのままの状態で、コンパスの北がインデックスマークに重なるようにベゼルを回してみましょう。
そして、10回まわってワン!
これでもう元の方向がわからなくなりましたね?
では、コンパスの北がインデックスマークに重なるように身体を回してみましょう。
同じ方向を向いているのではないでしょうか?
この様にして、沖の方角だけは忘れないようにする、という使い方もあります。
行きたい方向に行く(直線ナビゲーション)
行きたい方向に行く時にはベゼルを利用します。
例えば今から150°の方向に行きたいとしましょう。
ベゼルを回して、ラバーラインの自分とは遠い側に行きたい方向(150°)が来るようにベゼルを回します。
そして、コンパスの北がインデックスマークに重なるように身体を回します。
その状態をキープしながら泳げば、150°の方向に泳ぐことが出来ますね!
ここで気をつけたいことがあります。
コンパスは水平方向の動きには弱いんです!
下の図のように、どちらかから流れがあったりすると、自分ではまっすぐ泳いでいるつもりでも曲がってしまいます。
そこで、コンパスだけを見つめて泳ぐのではなく、コンパスで進むべき方向を定めたら、出来る限り遠くに動かない目印をつくりましょう!
そして、その目印に向かって泳ぐ。
目印にたどり着いたら、再びコンパスで方向を確認し、次なる目印を作る。
これの繰り返しです!
四角形ナビゲーション
さて、最後の仕上げです!
直線で往復……だけじゃつまらないですよね。
せめてグルッと一周出来るようになりましょう。
グルっと一周、これ、何度ですか?
きゃりーぱみゅぱみゅは「365°?」って言っていましたが、あのクラスになると常人より5°ぐらい広い視野があるんでしょう。
360°ですよ!!笑
四角形を描いてグルッと一周してくる、ということは、360÷4で90°ずつ角度を変えて泳げばいいわけですね!
例えば100°でスタートしたとしましょう。
100°をキープして20m進みます。
次は100°+90°で190°ですね。
また20m進みます。
次は280°。
次は…370°!
????
360°を超えたら360°を引きましょう。
10°です。
これで元の場所に戻って来れるはずです!
ちなみに今、右回りで一周したはず。
つまり、90°ずつ引いていけば左回りも可能ですよ!
応用編(?)
これを応用して、120°ずつ角度を変えれば正三角形を描くことができます。
72°ずつなら五角形。
六角形なら60°
三角形と六角形を駆使することで、障害物を迂回することもできます。
フィンキック数を一定に保って、迂回しながらどれだけ進んだかも把握できる方法です。
もちろん正方形をうまく応用して迂回しても良いのですが、この方法が最も少ない手数で迂回できます。
さらに、十角形なら36°……。
そして、コンパスのメモリを全て使って、10°ずつ角度を変えれば三十六角形。
ほぼほぼ円ですね!
そう。これがコンパスを使った正しい円の描き方です!!笑
ちなみに、星形を一筆書きするためには144°ずつ。
きっと役に立つことは無いと思いますが、お納めください。笑
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