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器材の解除と洗い方〜ダイビングスキル詳細解説〜

器材について

ダイビングを行うために必要不可欠な器材たち。
海から上がった後、そのまま放置をしてしまうと海水から塩分が結晶化して故障の原因となってしまうことは簡単に想像出来ると思います。

もちろん必ず真水で洗う必要があるのですが、ただ水で洗えば良いというものでもありません。
さらに、器材を洗う際にやってはいけないこともあるので、初心者ダイバーの方にとって器材の洗い方は複雑に感じてしまうかも知れません。

ということで、今回は器材の洗い方を徹底的に解説していきたいと思います!

レギュレーターセット

タンクから外す

まずはタンクのバルブを閉め、パージボタンなどを使ってホース内の空気を抜きましょう。

その上でヨークスクリューを緩めてタンクから外します。

ここからが重要なポイントです!

レギュレーターをタンクから外したらすぐに!すぐに!!すぐに!!!!
ダストキャップをつける準備をしましょう! 

まず、ダストキャップをつける前に必ずダストキャップについている水分を取り除きます。

水分を取り除く方法として、一般的なのはタンクのエアで飛ばす方法でしょう。

写真の様に、ダストキャップの平らな面(球体のダストキャップの場合は全体的に)の水分をエアで飛ばしましょう。
時々、ダストキャップの反対側やレギュレーターのファーストステージに向けてエアを当てている人がいますが、それでは意味がありませんよ〜!

エアで飛ばすのも間違いでは無いのですが、筆者は自称DSAT撲滅委員会会長です。
DSATって?ダストキャップの水分をエア飛ばす、です。長いので(笑)

なんでって、本当にうるさいんですよね。
海外に行くと、マナーの良さで知られる日本人ダイバーですが、海外のダイバー達は、日本人ダイバーのこの習慣だけはどうしても許せないそうです。

周りでブリーフィングなどをしていると、殺意が湧きますどうしてもプシュッと鳴った方に意識を持って行かれてしまいますし、そもそも話している内容が聞き取れなくなることも。

特に初心者ダイバーほど、念入りに水分を飛ばしたいのか、
プシューーーーーーーゥーーーーーーゥーーーーッ
と念入りにやってしまい、周りに迷惑をかけてしまいがちです。

ここは、スマートにタオルなどで拭き取りましょう。



どうしてもタオルがすぐに出せない時は、出来るだけ短く、かつ強く、
バフィシュッ!
(なんというか、ニュアンスで感じてください笑)っと一発でスマートに水分を飛ばしましょう! 

ダストキャップを閉めることを忘れ、万が一にもこんな状態になっていると…

周りの人が血相変えて飛んできます。
もしもレンタル器材であれば、怒られるだけでは済まず、オーバーホール代を請求されてしまうことも……。

どうしてダメなのかは、こちらからどうぞ!

ちなみに上の写真に関しては、閉め忘れても大丈夫な特殊なレギュレーターを使用して撮影したものなのでご安心を。(笑)

パワーインフレーターから中圧ホースを外す

ファーストステージをタンクから外しても、BCのパワーインフレーターと中圧ホースが繋がっているために、まだ器材全体からは外れていません。
中圧ホースをパワーインフレーターから外しましょう。

この際、うまく外れずに力任せに外そうとしてしまうかもしれませんが、実はコツがあります。
カプラー(中圧ホース先端の上下に動く部分)だけを下げようとするのではなく、ホース自体は押し込みながら指先でカプラーを下げると、強い力を必要とせずとも簡単に外れますよ!

レギュレーターを洗う

基本的には水槽にドボン、でOKです!
より丁寧に洗う場合は、ホースでセカンドステージの中に水を入れて洗ってあげましょう。

ここでもひとつ重要な注意点があります!
レギュレーターを洗う際は、絶対にパージボタンを押さないでください。

パージボタンを押してしまうと、水がセカンドステージからファーストステージに向かって逆流してしまいます。
それではせっかくダストキャップを閉めた意味がありません。 

逆に言うと、器材を洗う際の注意点は

  • ダストキャップをつける
  • パージボタンを押さない

これさえ守れば、ひとまずは何をしても大丈夫です!

その他の部分に関しては、動く部分は水の中で動かすと良いでしょう。
具体的には2ヶ所。(無い場合もあります)

1か所目はセカンドステージのパイロットバルブなどと呼ばれる部分です。

ここがどんな機能を持つ部分なのかは、長くなるので別の機会にご紹介しますね。

2か所目はコンパスのベゼル。
回る部分ですね。

ここまでやればレギュレーターセットの洗浄は完璧と言っても良いでしょう! 

BC

タンクから外す

まずはタンクバンドを起こして緩めます。
この時、セッティングした時に、最後に通した場所を元に戻しましょう。

戻さなくてもタンクから外すことは出来るのですが、次に使う時にひと手間省けます。

マイ器材ならそこまで気にしなくても良いのですが、レンタル器材の場合、多くの器材がみんな戻っていないと、いちいち戻して…とスタッフにとってはなかなかの手間。

どうせならスマートにレンタル器材を返却しましょうね!
他にもいくつかスマートな返却のスマートな返却のポイントはあるので、良かったら見てみて下さいね!

タンクバンドを緩めたらタンクからBCを外します。
案外ここで苦戦している人をよく見かけます。

上記の記事でもご紹介していますが、タンクバンドをバラバラにして外してしまっていたり……。

タンクバンドが分解されているBC

正しい外し方は、片方の手でタンクバンド、もう片方の手でBCの襟やハーネスを持ち、同時にスッと上に引き上げれば、簡単に外すことが出来ますよ!

BCを洗う

まずは全体を真水に浸けて、外側をジャバジャバと洗いましょう。

次に、BC内部から海水を抜きます。
ダイビング中、BCの中には意外なほどの量の海水が入っているんですね。

BCを逆さまにしてパワーインフレーターの排気部分が最も低い位置になる様にし、排気ボタンを押すことでBC内部の海水が抜けてくれます。

次にBC内部を洗います。
パワーインフレーターの排気部分から水を入れましょう。
このとき、排気ボタンを押しながらでないと、水は入ってくれませんよー!

排気ボタンを押していても、多少周りに飛んでしまう可能性が高いので、水中で行うと水が飛ばずに済むのでスマートですね!

水を入れたら、今度はBCを膨らませます。
口で吹き込みましょう。

膨らませたら、BC内部の水が全体に行きわたる様、上下左右に動かし、海水を抜いた時と同様にBC内部から水を抜きます。

ちなみに、裏ワザとしては右肩のバルブから抜くという方法もあります。(右肩に強制排気バルブがある場合)

BCをしっかり膨らませた状態で普段水を抜くのと同様にBCを担ぎます。
その状態で右肩のバルブの紐を引くと、普通に抜くよりも一気に水が抜けてくれます。

この方法を使う場合、一気に水は抜けてくれるのですが、完全には抜けてくれません。
最後に仕上げとして、必ず排気ボタンを押して水を抜いてくださいね。 

このBCから水を抜く作業は、信じられないぐらいうまく行っていないケースが多いです。
抜き切ったあと、改めてBCを膨らませて振ってみるなど、必ず水が残っていないか確認する様にしましょうね!

より丁寧に洗う場合は、このBC内部を洗う作業を2,3回行いましょう。

その他の器材

その他の器材は基本的に、水槽に浸ければOK!
コンパスのベゼルなどと同様に、可動部がある場合には水の中で動かすとより良いですね! 

干し方

器材を洗い終わったら、干しましょう。
日影がベストですが、現実的には直射日光があたる場所になってしまうかも知れませんね。

基本的には、難しく考えなくて良いのですが、ちょっとだけコツもあります。

レギュレーター

干し場にかける前に、セカンドステージ内部の水を切ってあげてください。
意外とここに水が溜まっているので、回収する際に乾いた服に水がついてしまう原因となります。

BC

膨らませた状態で、お腹のバンドとバックルでとめます。
こうすることで、BC内部に残った水が、自然とパワーインフレ―ター部分に落ちる様になるため、回収する際にダメ押しで水を抜くことが出来ます。

フィン

時々立てかけている人を見かけますが、ソレダメー!です。
フィンが曲がってしまいますよ!

立てかけるとフィンが傷む、かといって地べたにおくと場所を取ったり汚れたりしてしまう、そんな時はマスクでまとめ、棒などにかける方法もあります。

ただ、この方法だと今度はマスクのストラップに負担がかかってしまうので、その時々ベストな方法で干して下さいね!

さいごに

ダイビング器材、特に重器材は丁寧に扱うことで10年以上使うことが出来るものです。

日ごろからしっかりと洗うことで、長持ちさせましょうね!

モデル:SAYU
写真:関戸紀倫

細谷 拓

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合同会社すぐもぐ代表社員CEO。 学生時代、大瀬崎でのでっちをきっかけにダイビングにドはまり。 4年間で800本以上潜り、インストラクターを取得。 静岡県三...

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