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ソレダメ!!レンタル器材の返却をスマートに!

器材について

ダイビングは高価な遊び。
そんな風に言われることがあります。

その理由のひとつとして、ダイビング器材が高価であることも挙げられるでしょう。

もちろん器材を必ず購入する必要はなく、フルレンタルでも十分にダイビングを楽しむことができます。

そんなレンタル器材ですが、自分のものではないからといって、乱暴に扱うのは言語道断ですが、もう少しだけ次に使う人のことまで考えて返却してくれたら……なんて思う場面が多々あります。(あくまで筆者がダイビングインストラクターとして活動してきた経験からの主観です。)

とはいっても、どんなことに気をつければ良いのかわからない方も多いと思いますので、あくまで筆者の主観ではありますが、ダイビングショップが喜ぶレンタル器材の返却方法をご紹介して行きたいと思います!

もちろん、どの様に返却して欲しいかはダイビングショップごとに違うと思うので、基本的には各ショップの指示に従った上で、参考にしてみてくださいね!

フルレンタルのダイバー=初心者ダイバーという偏見を持たれがちですが、これができれば「デキる」ダイバーだと気付いてもらえるかも!?

BC

タンクバンドが穴に通ったまま

タンクバンドが穴に通ったままのBC

最も多いのではないかという返却の仕方です。
器材セッティングの際、最後に通す穴にタンクバンドが通ったまま。
ここを外さなくても、タンクから外すことはできてしまいますからね。

しかし、このままだと、次に使う人が器材セッティングの際に一手多くなってしまいます。(穴からタンクバンドを外さなくてはならないため)
次に使う人が初心者だと、そのままセッティングをしてしまい、タンクバンドの締め付けが十分ではなくなってしまうという場合も……。

それを防ぐために、予めダイビングショップ側で確認を行いますが、全部のレンタル器材がこの状況になっていると、ちょこっとだけイラっとします。(笑)
直すのは大きな手間ではないですが、数が増えれば煩わしいもの。

是非、穴からタンクバンドを外した状態で返却して下さいね!

肩紐が締まったまま

肩紐が締まったままのBC

負けず劣らず多いのがこのケースです。
肩紐が締まったままでは器材を脱ぎづらいと思うのですが、どうやって脱いだのか……。

肩紐が締まった状態だと、脱ぐことはできても着ることはできません。(できるとしたら、サイズが大きすぎます。)
次に使う人が1人で着れなくなってしまいますよね。

そしてこちらも、多くの器材を直すのは、なかなかに煩わしいのです。

肩のバックル外れてる

肩のバックルが外れているBC

肩紐を緩め忘れて脱げなかったのか、どこかに腰を掛けたからこちらの方が脱ぎやすかったのか、BCの肩にバックルが付いているタイプの場合で、バックルが外れていることがあります。
バックルを外して脱ぐこと自体は全く問題ありません。

つけてください……。

次に使う人がこれに気付かず器材を背負おうとしてしまった場合。
先に通した腕でバックルが外れていて空振りする分にはそんなに危険性はありません。
しかし、片方はバックルがついており、そちら側に先に腕を通し、担ぎ上げながら反対の腕が空振りをしてしまうと、バランスを崩し、器材を落としてしまったり、転倒してしまう危険性があります。

そして、得てして片方だけ外れているんですよね……。

タンクバンド分解

タンクバンドが分解されているBC

タンクからうまく器材が外れなかったのでしょうか。
最初にご紹介した状態とは真逆の状態です。

これ、一番直すのが面倒です!!(とは言っても数秒の話ですが。)

セッティングの際にも全て外してしまい、直し方がわからずに困っている方を見かけます。
多くの場合、バックルにバンドを通す順番が数字で示されていますが、以下の写真も参考にしてみてくださいね!

水が入ってる

BCを洗う際には内部も真水でよく洗う必要がありますが、この水が残ってしまっていることがあります。
数滴であれば仕方ないのですが、水を抜こうとすらしていないのではないかと思ってしまうほど大量の水が……。

慣れてくれば持った時の重さで分かるのですが、自信が無い場合はBCを上下逆さまにして、水の音がしないか、確認しましょう。

これ、一番テンション下がります……。

ポッケに忘れ物

ポケットに忘れ物が入っていたBC

ウエイトが足りずに石をつめたり、貝殻が入っていたり、記念品のタオルが入っていたり……。

中でも水中の石には、海藻を含め様々な生き物が付着しており、気付かずに乾いてしまうと強烈な臭いを放つことがあります。

また、石ではなくウエイトが入っていることもしばしば。
こちらも重さで気が付くことができますが、気をつけましょう。

その他バックル、つけるかどうか

首元やお腹のバックルですが、つけて返却して欲しいか、外したまま返却して欲しいか、ここに関しては本当にお店によります。
個人的には外したまま返却して欲しいお店が多いのでは無いかと思っていますが、ひとこと「つけますか?」「外したままでもいいですか?」などと尋ねられるとスマートですね!

レギュレーター

ダストキャップが外れてる

ダストキャップが外れているレギュレーター

もうこれは言語道断です。
ダストキャップが外れたままレギュレーターを水につけてしまうと、故障の原因となってしまいます。

水に浸けてないから大丈夫?

だとしたら、洗ってませんよね!?
それも故障の原因です。

タンクからレギュレーターを外したら、すぐにダストキャップの水分をふき取り、ダストキャップをつけましょう。

ちなみに、個人的にはダストキャップの水分をエアで飛ばすのではなく、タオルで拭くことを推奨しています。
なんでって、本当にうるさいんですよね。

海外に行くと、マナーの良さで知られる日本人ダイバーですが、海外のダイバー達は、日本人ダイバーのこの習慣だけはどうしても許せないそうです。

周りでブリーフィングなどをしていると、どうしてもプシュッと鳴った方に意識を持って行かれてしまいますし、そもそも話している内容が聞き取れなくなることも。

特に初心者ダイバーほど、念入りに水分を飛ばしたいのか

プシューーーーーーーゥーーーーーーゥーーーーッ

とやってしまい、周りに迷惑をかけてしまいがちです。

なので、スマートにタオルなどで拭き取りましょう。
どうしてもタオルがすぐに出せない時は、出来るだけ短く、かつ強く

バフィシュッ!(なんというか、ニュアンスで感じてください笑)

っと一発でスマートに水分を飛ばしましょう!

ホースがぐちゃぐちゃ

ホース類がぐちゃぐちゃのレギュレーター

あまり見かけませんが、時々カバンの中に入ったイヤホンかと思うぐらいに絡んだ状態で返って来る事があります。
コードレスのAirPodsに慣れ過ぎたんでしょうか。

ぐちゃぐちゃでなくても、不自然に曲げることもホースに負担がかかるため、避けて欲しいものです。

レギュレーターはホース類に負担がかからないようにまとめる

この様にホースに負担がかからない形にするのがベストです。

マウスピースに口紅ベッタリ

黒いマウスピースの場合は目立ちませんが、口紅をしてダイビングをすると、マウスピースに口紅が残ってしまいます。
化粧品は水で軽く流すだけでは落ちないため、もしもつけてしまった場合には自分でしっかりと洗ってから返却する様にしましょう。

マスク

スカートに化粧品ベッタリ

マウスピースの口紅同様、ファンデーションなどはなかなか落とすことができません。
汗や海水と混ざることで、目がしみる原因となってしまったり、マスクが曇る原因となってしまったりもします。
ダイビングを行う際、日焼け止めや化粧は最低限に抑えた方が良いでしょう。

スノーケル

スノーケルを勝手に外す

原則的にスノーケルはつけておくべきものです。
邪魔だからといって、勝手に外すことの無いようにしましょう。

仮に外して良いよ、と言われた場合でも、戻して返却するとスマートですね!

フィン

バックル外れたまま

つけてください……。

バックル締まったまま

つけるだけでなく、緩めるところまでお願いします……。

バックルが無い

バックルがないフィン

時々あります。
左右両方のバックルを外してしまい、無くしてしまったんですね……。

無くしてしまったものは仕方ありません。
すぐにその場で申し出ましょう。
怒りません。

むしろ、何食わぬ顔で返却しようとするほうが、怒ります。

ウエットスーツ

表裏中途半端

裏表が中途半端なウエットスーツ

普通に脱げば全てが裏返しになるかと思うのですが、どの様に脱いだのでしょうか。
しかし、よく見かけます。

おうちでも洗濯物を裏返しのままで洗濯機に入れて怒られているタイプですね?
上下どちらかだけが裏返っているのは避けて欲しいものですが、基本的にウエットスーツは裏返しで干すので、全て裏返しになっているのはOKです!

おしっこ

どうしても我慢ができない場合ウエットスーツなら……。
その臭い、想像以上にスーツに残っています。

レンタルスーツでおしっこすることはやめましょう。
もちろん、どうしようも無い場合はあるかもしれませんが、その場合は水中でウエットスーツ内の水を入れ替えたり、エキジット後にしっかりと洗ったり、臭いが残らない様に努力しましょう。

ブーツ

水がタポタポ

靴底を下にして干していると、ブーツの中に水が溜まったままになってしまいます。
ブーツを干す時は、足首側が下になるように干しましょう。

洗濯ばさみやバックル外れたまま

洗濯ばさみやバックルが外れたままのブーツ

お店によってはブーツの左右がバラバラにならないように、大きな洗濯ばさみで挟んだり、小さなバックルを取り付けたりしている場合があります。

ブーツは、羽が生えてるんじゃないかと思うほどすぐに左右バラバラ、片方だけどこかに行ってしまうものです。
洗濯ばさみやバックルが用意されている場合、使い終わったらすぐに左右をくっつけるようにしましょう。

おしっこ

水中でおしっこをしてしまった場合、ウエットスーツは多くの方が意識的に洗ってくれます。
しかし、意外と盲点なのがブーツです。

ウエットスーツは水を入れ替えることでおしっこを流し出すことができますが、ダイビング中にブーツを脱ぐことはできない(できなくはないですが、見たことありませんよね?)ので、おしっこがそのまま溜まってしまっています。

ブーツに溜まっているということには気づきづらく、さっと水洗いするだけの場合が多く強烈な臭いを放つことに……。

何度も言いますがレンタル器材でのおしっこはやめましょう。

最後に

段々個人的な愚痴みたいになってしまいましたが、ご容赦ください。
サービス業なんだから文句言うな、とお叱りの言葉も飛んできそうですね……。

もちろん返却された器材を次の人が気持ちよく使えるようにするのはダイビングショップの仕事で、それをダイバーに押し付けようという気はありません。
そのまま返して頂いても大丈夫です。

ただ、ちょっとした気配りで、喜んでもらえるなら、やった方が得なのではないかなーー。

ダイビングショップのスタッフだって人間です。
横柄なゲストと、気配りのできるゲスト、分け隔てなくと思っても、どうしたって印象に差は出てしまいます。

ダイバーもダイビングショップもお互い気持ちよく!
楽しんでいきましょう!

細谷 拓

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合同会社すぐもぐ代表社員CEO。 学生時代、大瀬崎でのでっちをきっかけにダイビングにドはまり。 4年間で800本以上潜り、インストラクターを取得。 静岡県三...

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