【水没したくない】ハウジングの手入れの仕方を徹底解説!
水中カメラの正しい手入れの仕方を知っていますか?
例えば、Oリングにグリスを塗るタイミング、いつ塗ればいいのかわかりますか?
実は意外と知らない水中ハウジングをお手入れする方法。
今回は、お手入れの仕方から、水中への持って行き方、ダイビング後の塩抜きまで、カメラの取り扱いにまつわることを全部まとめてご紹介!
水中カメラを持っている人は必見です!
なぜ水没するのか!?
ハウジングの水没には様々な理由がありますが、ハウジングの接着面にあるOリングの汚れが1番多くの水没原因です。
このOリングはゴムで出来たリングで、ハウジングの接着面に密着して押さえることで水没を防ぎます。
そのためゴミなどでOリングが汚れていると、そのゴミで密着できずに隙間が出来てしまい、水が入って来てしまいます。
長く手入れをしていないと、砂が溜まっていたり……
きちんと手入れをしていても、髪の毛が入っていたりすると水没の原因になります。
写真のようなものは、アウトですね
他にも強くぶつけて変形させたり、何年も使いこだんハウジングはクラックと言って目に見えないヒビが入ったりして、水没の原因になります。
誤ってぶつけてしまったり、クラックを完全に防ぐことは難しいですが、Oリングが原因の水没は防げます!
そこで、まずはハウジングのOリングの手入れから勉強していきましょう!
ハウジングの手入れの仕方
それでは1番大事なハウジングの手入れの方法から説明していきます。
今回は、1番多くの人が使っているであろうOLYMPUSのTGシリーズを使って解説していきます。
カメラや防水ハウジングによって取り扱い方が少し違いますが、基本は同じですので参考にしてもらえればと思います。
また、ハウジングの手入れをする際は必ず明るいところで行ってください!
細かい砂の粒やゴミを取り除く作業になるので、暗くて見づらいところで行うとミスに繋がります。
まず準備するものリスト!
- ハウジング
- シリコングリス
- 乾燥剤
- ティッシュ
- 綿棒(あれば)
- ハンドブロアー(あれば)
- Oリングリムーバー(あれば)
ここに、(あれば)と書いてあるものは必須のものではありません。
正直なくても大丈夫ですし、僕も普段からハウジングの掃除をするときはグリスとティッシュだけで行っています。
Oリングを取り出す!
Oリングを取り出しましょう。
リムーバーがある人は、写真のようにハウジングの溝とOリングの隙間にリムーバーをいれ、クイッと持ち上げるように取り外します。
リムーバーが無い人は、上の写真の通りOリングを四隅に追いやるように寄せるとOリングが浮いてくるので、そこに指をかけ取り外します。
どちらのやり方もOリングを傷つけないように注意してください。
特にOリングを取るときには爪やリムーバーを引っ掛けないようにしてください。
写真のようにティッシュを引いて、その上に載せます。
直接テーブルに置いてしまうと、ほこりや汚れが付く原因にもなりますし、テーブルにもグリスが付いてしまいます。
ハウジングの溝の汚れを取る!
ハウジングの溝の汚れはティッシュや綿棒で掃除します。
溝に沿ってティッシュを動かし、最後は四隅からティッシュを溝の外側に外すようにします。
この時、毎回違う隅でティッシュを溝から外すようにして下さい。
1ヶ所にゴミが溜まらないように出来ます。
ちなみに安い綿棒を使うと綿が取れてしまい、その綿が溝に残ってしまうことがあります。
掃除した後は必ず溝に汚れが残っていないか、綿が着いていないか、目で見てチェックして下さい。
Oリングの汚れを取る!
写真のようにティッシュを持ちOリングを回転させてゴミを取ります。
ゴミが取りづらい場合は先にグリスを塗ります。
グリスがゴミを吸着してくれるのでグリスごと取るとキレイになります。
根っからのリケダン、めっしです。
ティッシュを使うと繊維くず残りませんか?
ティッシュの繊維くずがつくのはグリスを塗らずに掃除しようとするからだよ。
グリスを塗ってからティッシュで拭けば、繊維くずは残らないはずだよ!
あ、でも僕、良いやつ知ってますよ。
理系なら多くの人が実験で一度はお世話になるキムワイプです。
これを使えば絶対に繊維くずがつかないんですよ!
まぁ、何でもいいよ
ゴミが完全に取れたら、再度グリスを塗ります。
目安は写真のようにグリスを米粒大くらい指先に出し、先程と同じようにOリングを回転させ、ムラが出来ないように全体に馴染ませます。
※ちなみにグリスは必ず純正のグリスを使ってください!
メーカーによってグリスの成分が違うので、ゴムの劣化に繋がることがあります。
豆知識
グリスの役割はOリングの動きを滑らかにしたり、保湿する役割があります。
グリスを塗ることによってOリングを痛みづらくしています。
つまり
グリスは潜る前に塗るのではなく、潜った後に塗ってください!!
あくまで効果はOリングの保湿、乾燥してひび割れを防ぐことです。
潜る前に塗っても、ほとんど意味はありません。
ゴミを取るためにということでは意味があるかもしれませんが……
まるでお風呂に入る前に化粧水を付けるようなもんです(笑)
多くの人がグリスはダイビングをする前に塗るものと誤解しているので、よく覚えておいて周りの人に教えてあげて下さい。
ハウジングにセットする!
グリスを塗ったOリングをハウジングに戻します。
もう一度、髪の毛が挟まっていないか?ゴミが着いていないか?チェックしましょう!
ここまで終わったら最後に乾燥剤という、カメラの中が結露することを防いでくれるものをハウジングの中にキチンと入れます。
僕はハウジングを締める時にこの乾燥剤を挟んでしまって水没させるというミスをしたことがあるので、奥までしっかり入れるのが良いでしょう。
以上、ハウジングのセットアップですが…..
毎回やった方がいいかというと僕は、そうではないと思います。
個人的な目安として以下を基準にしています。
- 2週間以上カメラを使う予定がないとき
- Oリングに目に見える砂が付いていたとき
- Oリングを見た時にグリスのテカリがなかったとき
- 30ダイブくらいしたとき
あくまで個人的目安ですし、あまり本数などは気にしていません。
なかなか次に使わない時などに行うようにしています。
何度も言いますが!
Oリングの手入れはダイビング前ではなくダイビング後にして下さいね!!
水没チェックをしよう!
ダイビングをする前には必ず水没チェックをしますが…..
その前に動作確認をしましょう!
ハウジングに入れた状態で、2~3枚の写真を撮ってみます!
そうすると、水没チェックの前にメモリーカードの入れ忘れや、レンズキャップに取り忘れなどのトラブルを未然に防ぐことが出来ます。
水に入れてから気付くと、ハウジングを開けるのに水を拭くなどしなくてはいけないので大変です。
動作に問題がなければ、実際に水につけて水没チェックをしていきます。
まずはカメラをカメラ専用の水槽に付けます。
この時チェックする場所は、ハウジングをパッキン(密閉)する部分、つまりハウジングの接着面から泡が漏れて来ないかを見ます。
最初の30秒くらいはスキマに溜まった泡が出てきますが、その後も”ぷくぷく”と泡が出て来るようなら水が侵入している可能性が高いです。
目安としては10秒に1泡でも出てきたら、ダメです。
きちんと密閉されている場合は、30秒ほど水に付け、Oリング周りの空気を手で水流を起こして払えば、もう泡は出ません。
ワンポイントアドバイス!
持ち運びが多い人は、ぶつけて破損している可能性もなくはないです。
Oリング以外のボタンのところなどからも泡が出ていないかチェックしてくださいね!
水中で傷つけないように
ここまでで、水中カメラの準備は完璧です!
後は水中に持っていくだけの状態ですね。
水中に持っていく方法ですが、OLYMPUSでカメラを買うと手に付けるヒモが純正で付いて来ますが、あまりオススメはしません。
手に着いていると、フィンを履く際やエントリーエキジットで岩などを掴んだ際にぶつけやすいですし、水中でBCの操作などをする際にも邪魔になりやすいです。
そこで僕は、こんなスナッピーコイルをおすすめします!
このスナッピーコイル、何が良いって普段はバックルを止めて置くと短くコンパクトですが、使いたいときにはバックルを外して伸ばすことが出来ます。
バックルを外してもバネが伸びているだけで繋がっているので手を放してしまっても、なくすことがありません!
このバネの部分がないタイプも便利ですが……
水中で手放してしまうと、紛失してしまうので、これならなくす心配もなく安心して使えます!
またBCに付ける位置ですが、出来るだけ肩の高い位置に付けましょう!
僕は、いつもインフレーターホースのない右肩の1番高い部分に付けるようにしています。
低い位置にカメラを付けると、その分エントリー時、岩などにぶつける可能性が高いですし、水中で砂の上を引きずりやすいです。
砂地でカメラを引きずると、それこそOリングの隙間に砂が入る原因になり水没の可能性も繋がります。
そしてなにより大切なカメラが傷つきます。
下の写真のような場所はNGですね!
ダイビング後は海水を落とす
最後に、ダイビングが終わったらカメラの塩を落としましょう!
ほとんどのダイビング施設にはカメラ用の水槽があります。
ダイビングが終わったら、その水槽にカメラを入れて塩を抜きますが、この時は水槽の水が直射日光で熱くなっていないかチェックしてから入れるようにしましょう。
アドバイス!
1本目が終わって2本目を潜る人は水槽に入れっぱなしで良いですが…..
その日のダイビング終了時には、写真のようにカメラのボタンを押しながらボタンの隙間に溜まった海水も落としていきましょう。
その時にホースなど流水も使えるとより効果的です!
まとめ
これであなたも水中カメラのお手入れは完璧なはずです!
大事なところだけ、もう1度振り返っておきましょう。
- Oリングの手入れは、ダイビング前じゃなくてダイビング後に!
- Oリングにグリスは塗り過ぎない!
- 最後に髪の毛や汚れが付いていないか確認する時は明るいところで!
- 水没チェックは1番高いところから泡が出ないか確認!
- カメラは傷つけないようにBCの高いところに装着!
- カメラを熱くなるところに放置しない!
みなさんも以上のことを守ってカメラを水没させないように長く楽しんでくださいね。
あっ水没が恐い人や、こういうこまごまするのが苦手な人は最初からカメラを防水にしちゃうという手もありますよ~!
水中カメラの選び方は、ぜひこちらの記事を参考にして下さい!
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