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砂地、岩場、泥地……水底の構成を制する者はダイビングを制する!

基礎知識

ひとくちに海と言っても、その環境は様々。
砂地、岩場、泥地などなど……
これら水底の構成によって、生息している生き物が異なったり、注意が必要なことが異なったりします。
そこで今回は、水底を構成する物質と、それぞれの特徴、注意点を解説していきたいと思います。

生き物を自分で見つけるためには、どんな生き物が潜んでいるのかを想像しながら探すことが重要です。

水底の構成は、その最たるヒント。
これを把握することで、ダイビングがますます楽しくなるはずですよ!

サンゴ(ハードコーラル)

サンゴの仲間にはソフトコーラルと呼ばれる仲間と、ハードコーラルと呼ばれる仲間がいます。
通常サンゴといって思い浮かべられるのはハードコーラルの方でしょう。
骨格をもつ堅いサンゴで、サンゴ礁を形成するのもハードコーラルです。

楽しみ方

ダイビングといえば美しいサンゴ礁と、そこに集まるカラフルな魚たち、というイメージ。
何はなくとも楽しいものです。
美しい風景を広く眺めるのも良いのですが、少しだけ近付いてみると、新たな発見があります。
サンゴの隙間には可愛らしいナンヨウハギやフタスジリュウキュウスズメダイなどが身を潜めています。

また、甲殻類などもよく隠れているのでじっくりと探してみてくださいね。

注意点

サンゴ(ハードコーラル)は大きく分けてイシサンゴの仲間とエダサンゴの仲間に分かれます。
エダサンゴの仲間はその名の通り枝状なので、フィンキックなどで折ってしまわない様、注意しましょう。
サンゴの上を通過する際にはしっかりと中性浮力をとりましょうね。

また、サンゴが生育している場所には、通常のサンゴに紛れてファイヤーコーラルと呼ばれる、触れると火傷のような痛みに襲われるものも生育しています。
サンゴに故意に触れることも避けるべきですが、不意に触れてしまわない様に注意しましょう。

また、サンゴの天敵として名高いオニヒトデ。

その棘に刺されてしまうと激しい痛みに襲われるだけでなく、場合によってはアナフィラキシーショックを引き起こしてしまい、重篤な症状となってしまうこともあるので、注意しましょう。

ガレ場

折れたエダサンゴなどが水底に積み重なっている場所をガレ場と呼びます。

楽しみ方

ガレ場には多くの甲殻類が潜んでおり、中でもキンチャクガニは大人気。

ハゼの仲間も豊富で、ギンガハゼやホムラハゼといった人気のハゼもガレ場を好むハゼです。

注意点

ガレ場は砂地に近い環境なので、巻き上げてしまわない様に注意しましょう。
巻き上げてしまう原因として、中性浮力だけでなく、泳ぐ姿勢にも原因があるので気にしてみましょう。

また、ガレ場では平たいテーブルサンゴの死骸をめくった裏に隠れる生物を観察することもあります。
隠れているということは食べられない様にするためなので、めくったままにしてしまうと、すぐに捕食されてしまうことになります。
めくった後には必ず元の状態に戻してあげましょう。
また、めくること自体が生物に負荷をかけることになるため、極力控える様指示がある場合もあります。

岩場

楽しみ方

岩場には多くの生き物が身を潜めています。
ダイバーに人気のカエルアンコウやハナタツなどが隠れていることが多いのも岩場です。

岩場にはソフトコーラル(サンゴの仲間のうち骨格を持たない柔らかいもの)やカイメンの仲間が多く生育し、生き物たちの恰好の隠れ家となっています。

注意点

岩場でじっと動かずにいる生き物の中には、イイジマフクロウニや、オニダルマオコゼといった危険な生物もいるため、不意に着底して刺されてしまわない様に注意しましょう。

また、こちらも岩場につく、シロガヤやクロガヤといったガヤの仲間は触れてしまうと痛みを生じ、その後も強い痒みを伴って完治までに時間を要してしまうので注意しましょう。

砂地

楽しみ方

一見何もいない様に見えてしまう砂地ですが、ネジリンボウやホタテツノハゼなどのエビと共生するハゼの仲間やチンアナゴ、ウミヘビの仲間などが隠れています。

また、時にはカスザメやサカタザメといった大物が隠れている場合もあるので、油断は禁物ですよ!

注意点

砂地では水底の砂を巻き上げてしまわない様に注意しましょう。
巻き上げてしまう原因として、中性浮力だけでなく、泳ぐ姿勢にも原因があるので気にしてみましょう。

また、砂地に潜むハゼやウミヘビの仲間などは警戒心が強く、急に近付いてしまうとすぐに砂の中へと隠れてしまいます。
砂を巻き上げない様に注意はしつつ、視点を出来るだけ水底に近付け、遠くを探すようにすると良いでしょう。

泥地

砂よりも粒径が細かいもので、地質学的には粒径1/16mm以下の物を泥と呼びます。
が、ダイビングの場合はもちろんそこまで厳密なものではなく、手を置いた時に沈み込めば泥、沈み込まなければ砂、と呼び分けています。
尚、シルトと呼ぶこともあり、こちらは泥の中でも粒径1/256mm以下の物が粘土、それ以上の物をシルトと呼び分けていることから来ています。

楽しみ方

基本的には砂地に近い環境ですが、泥地のダイビングポイントの数は多くないため、他のダイビングポイントでは見ることの出来ない生物を期待することが出来ます。
代表的なところでは泥地を好むハゼの仲間、例えばタンザクハゼや、イッテンアカタチなどアカタチの仲間が挙げられるでしょう。

注意点

基本的には砂地と同じです。
ただし、泥地の泥は一度巻きあがってしまうと砂に比べて沈殿するまでに時間が必要なので、砂地以上に巻き上げてしまわない様に注意しましょう。
不意に巻き上げてしまって透明度が落ちてしまった場合に備えて、ライトを携帯しておくと良いでしょう。

<透明度:水平方向にどれだけ見通すことが出来るかは、正しくは透視度と言いますが、一般的に使用される、透明度に統一しています。>

海藻

楽しみ方

海藻の森は多くの生物を育むゆりかごの様な存在です。
キヌバリやチャガラといった海藻を好む魚のほか、ダイバーに人気のダンゴウオやスナビクニンは海藻の葉の上や根元に隠れていることが多いので、じっくり探してみましょう。

注意点

生き物探しに夢中になって、海藻を折ってしまわない様、注意しましょう。
また、背の高い海藻が生い茂る場所では、絡み取られてしまわないように注意しましょう。
万一絡まってしまった場合には、一度全ての行動を止め、落ち着いてほどいて行くようにしましょう。
どうしてもほどくことが出来なくなってしまった場合に備え、背の高い海藻が生い茂る場所に潜る時には、ダイビングナイフを持参すると安心です。

海草

読みは海藻と同じカイソウですが、区別するためにウミクサと読まれることもあります。
海藻は根、茎、葉の区別が無く、主に胞子によって増えて行きますが、海草は陸上の多くの植物同様、根、茎、葉が分かれており、種子によって増えて行きます。

楽しみ方

代表的な海草であるアマモが生い茂るアマモ場(藻場)は、多くの生き物の生育場所として、また、水質浄化の役割の担い手として、海藻以上に重要視されています。
当然ながら多くの生物が潜んでいるため、ダイビングポイントとしても楽しい場所です。
多くの魚たちだけではなく、ウミガメの仲間やジュゴンの餌場としても知られています。

またヤマトウミヒルモやチトセバイカモなどの水中花は、海草が生育する環境でも、花を咲かせる時季にしか見ることのできない貴重な光景です。

注意点

海草は地面に根を張り、水中に茎が伸び、花を咲かせる植物です。
当然ながら生育しているのは砂地なので、砂地同様に砂を巻き上げることのない様、注意しましょう。

おわりに

ダイビング中の生き物との出会いは一期一会。
どんな生物が現れるかがわからない所もダイビングの楽しみのひとつです。
とはいえ水底の構成はそう簡単に変わるものではなく、観察できる生物も、水底の構成に寄って大まかに予想がつきます。
予め水底の構成を把握し、どんな生物を探すべきか検討をつけることで、ダイビングが今まで以上に楽しめることでしょう。
また、水底の構成以外にも、地形によっても観察できる生き物は変わってきます。
地形についてはダイバー以外には通じない、独特の用語が多いため、詳しくは以下の記事を読んでみてくださいね!

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細谷 拓

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合同会社すぐもぐ代表社員CEO。 学生時代、大瀬崎でのでっちをきっかけにダイビングにドはまり。 4年間で800本以上潜り、インストラクターを取得。 静岡県三...

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