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透明度とは?〜透明度は適当!?実際に検証してみた~

海について

ダイビングの快適さを決める重要な要素のひとつに、水の綺麗さが挙げられます。
どうせ潜るなら汚いよりは綺麗な方が良いというダイバー、多いですよね。

その水の綺麗さの指標が透明度。
どれだけ先まで見えるか、距離で表します。

ダイバーの間では透明度という言葉が使用されますが、実はこれ、厳密には間違い。
本来、透明度というと水面から下までをどれだけ見通せるかという距離を指します。
そして水平方向の見通しについて正しくは透視度という言葉を用います。

市販のログブックなどでは水平方向と垂直方向、両方の見通しを記入する欄がある場合もありますが、これは透視度と透明度がそもそも異なる指標だからですね。

しかし、ダイビングにおいて両者を使い分けるケースは少なく、またどちらも透明度という言葉で示すことの方が一般的なので、今回は透明度=水平方向の見通し、としてお話ししたいと思います。

透明度はダイビングの快適さに影響を与えることはもちろん、安全性にも影響を与えます。
当然ながら、見通しが悪ければバディとはぐれてしまう可能性も上がりますよね。

一般的に、透明度が3mを下回る場合は低視界潜水となり、ナイトダイビングに準じた準備やトレーニングが必要とされています。

ダイビングを行う前には必ずその日の透明度を確認し、透明度が低い場合にははぐれない様に、またはぐれた際の行動を事前にしっかりと打ち合わせしておきましょう。

透明度に影響を与える要因

透明度に影響を与えるものとして、主に土砂、プランクトン、その他浮遊物が挙げられます。
その他にも複雑な要因があるため透明度を正確に予測することは難しいのですが、ひとつずつ見ていきましょう。

土砂

少量の雨であれば透明度に影響を与えることはありませんが、大雨が降り、その水が土砂と共に海に流れ込むことで、透明度が下がります。
その影響は雨の当日ではなく、数日後に現れることも多いので、注意が必要です。

また、当たり前ですが、ダイバーが水底の砂や泥を巻き上げてしまうことによっても透明度は下がります。
特に粒径の小さい泥底の場合は、一度巻き上げられた泥がなかなか沈殿しないため、その影響が長く残ってしまいます。

水底が砂や泥の場合、中性浮力を保って砂を巻き上げない様に注意しましょう。
また、水底付近を泳ぐ場合には、平泳ぎの様な「あおり足」をすることで、砂や泥を巻き上げずに泳ぐことができます。

プランクトン

プランクトンが豊富な海水の場合、魚たちにとっては餌の宝庫となりますが、プランクトンという浮遊物が増えるために透明度に関しては下がってしまいます。
一般的に寒流にはプランクトンが豊富で、暖流にはプランクトンが少ないと言われています。

日本の場合、暖流である黒潮にはプランクトンが少なく、黒潮が通過する周辺では透明度が高くなりやすいと言えるでしょう。
黒潮の流路は日々変化するため、黒潮が近づいて透明度が上がった、という会話がなされることがよくあります。

その他浮遊物

海藻が枯れて水中に溶けだすなど、何らかの要因で浮遊物が発生した際も透明度が下がります。
海水温が上がると海藻が枯れてしまうため、春先に発生しやすい現象です。

また、多くのダイビングスポットでは、春になると植物性プランクトンが大発生することも相まって、春濁りという現象を引き起こします。

透明度は適当!?

よくログ付けの最中に
「今日の透明度はーー」
などと教えてもらったり、ガイド同士で
「透明度どれくらい?」
などといった会話が繰り広げられたりしていますよね。

一方で、メジャーを持ってどれだけ見えるかを測っている様子を見たことがあるダイバーはいないのでは!?
ということは……。
透明度って適当なんじゃ!?

ここからは、肩の力を抜いて、ネタとしてご覧ください。(笑)

ということで
「ガイドが口にする透明度適当説」
を検証してみました。

透明度を計測

検証の前に、まずは実際の透明度を測定します。
ええ。実際に測りました。

ダイビングの様に海中で水平方向の見通しを測定する方法は特に定義されていないため、今回は垂直方向の見通しを測定する方法で代用します。
直径30cmの白色円盤がギリギリ見える距離を(水平方向の)透明度とする、というものです。

測定の様子はこんな感じ。

白色円盤じゃなく八角形に見える?

え?気のせいです。(不器用だからハナから八角形に逃げた、なんてことはありません。笑)

水深によっても透明度は変わることが想定されるので、今回は水深5m、10m、15m、20mの4か所で測定を行いました。

水深5m

透明度はこんな感じ。まずまず?

気になる結果は……。

9m20cm

いかがでしょう?予想よりも見えてましたか?見えてませんでしたか?

水深10m

んー、5mよりも透明度悪い??

結果は予想に反して10m10cmでした!

どうやら透明度の感じ方には、太陽光の量も影響していそうですね。

水深15m

なんだか白っぽくなってきたような…

結果は案の定、8m70cmでした。

水深20m

写真だけではどの水深なのか、わかりませんね(笑)

結果は9m00cm。

検証してみた。

今回の目的は透明度を測る事ではなく
「ガイドが口にする透明度適当説」
を検証すること。

実験を行ったのは2016年6月26日(日)静岡県沼津市、大瀬崎の湾内です。
この日の各現地サービスのブログに記載されている湾内の透明度を見てみると……

  • ショップA:4~10m
  • ショップB:5~12m
  • ショップC:5~8m
  • ショップD:4~8m
  • ショップE:8~10m

実験結果を改めてまとめます。

  • 水深5m:9m20cm
  • 水深10m:10m10cm
  • 水深15m:8m70cm
  • 水深20m:9m00cm

場所によっては巻き上げられた砂泥が沈殿せず、透明度が落ちてしまっていることも勘案にいれつつ……

一番イイ線なのはショップE、良い方なので実名を挙げてしまうと、はごろもマリンサービスさんでした!
一方でショップBはちょっと良く言い過ぎ!?

とはいえ全体的には、計測値とさほど誤差が無いと言ってよいでしょう。
この検証では感覚値が計測値にかなり近いという結果になったものの、極端に汚い時、綺麗な時、ほど人によって口にする透明度がバラバラだと思うので、また改めて調査を実施してみたいと思います。

細谷 拓

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合同会社すぐもぐ代表社員CEO。 学生時代、大瀬崎でのでっちをきっかけにダイビングにドはまり。 4年間で800本以上潜り、インストラクターを取得。 静岡県三...

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