正義の味方では無かった!?黒潮の本当の姿とは??
もう少しで黒潮が当たるから
黒潮が育む生物
黒潮の恩恵
などなど、特に夏が近づくとよく耳にする『黒潮』という単語。
小学校の授業をちゃんと覚えている人であれば
日本の南を流れる暖流のこと
ということはご存知かと思います。
冒頭でご紹介した通り、ダイバーにとっては
ありがたいもの
として扱われることの多い黒潮。
正義の味方の様に扱われる黒潮ですが、実は真の姿は正義の味方の仮面を被ったラスボス、と言ったら驚かれるでしょうか??
そもそも黒潮って?
沖縄県南方・東シナ海から沖縄本島と九州の間を縫うように太平洋に入り、日本列島の南側を舐めるように北上する海流です。
年によって微妙に経路が変わることがあるものの、基本的には伊豆諸島を横断、もしくは八丈島南方を迂回し、千葉県房総半島付近で東向きに流れを変え、日本から離れていきます。
その幅はおよそ100kmと非常に広く、その流れる長さも相まって世界最大規模の海流のひとつです。
海流の中でも特に流速が速い部類で、その最大流速は約7.4km/hにもなると言われています。
わずか1日で200km近く流れることもあり、伊豆諸島で漂流してしまったダイバーが黒潮に乗り、数日後無事に房総半島沖で救助されたこともあります。
ちなみに
黒潮は、英語でもKurosio Currentと呼ばれます。
黒潮の特徴
黒潮は暖流に分類されるぐらいなので、水温が高いことが最大の特徴です。
冬場でも水温20℃ほどになることがあります。
さらに、黒潮には不純物が少なく、非常に透明度の高い海水です。
この水温の高さと透明度の良さが、ダイバーにとって最高のダイビング環境を作り出してくれるため、正義の味方の様に扱われる理由となっています。
黒潮のダークサイド
不純物が少なく透明度の高い黒潮、実はこれこそが黒潮のダークサイドでもあります。
透明度を落としてしまう不純物。
不純物とは言ってもその正体はプランクトンです。
つまり黒潮は、透明度が良い一方でプランクトンが非常に少ない海流なのです。
これが何を意味するかと言うと…
海の生物たちにとっては”死の海”であることを意味します。
黒潮は、海の砂漠とも呼ばれるほど生物の少ない海。
プランクトンの豊富な親潮(日本の東側を南下する寒流)に比べると、親潮の栄養塩濃度は黒潮の5倍から10倍、場合によっては数十倍から数百倍という説もあり、文字通りケタ外れに黒潮は貧栄養な海なのです。
とはいえダイバーにとっては
そんなこと言われても、黒潮付近で潜っても沢山の魚たちに囲まれますよね?
沿岸部付近では、黒潮が死の海であることは、あまり関係無い様です(笑)
我々ダイバーが潜る場所では、その狭い範囲でキッチリと生態系が形作られているため、付近を流れる海流の栄養分はあまり影響がないものと思われます。
あくまで黒潮が死の海となるのは、黒潮のど真ん中で、我々ダイバーが潜る場所にはなりづらい場所ですね。
仮に海流のど真ん中で潜るとすれば、黒潮の中で潜るよりも、親潮の中で潜る方が、たくさんの魚がいることでしょう。
もちろん親潮の真ん中は、寒く、プランクトンによって透明度も悪い、海ですが(笑)
ということで結論。
やはりダイバーにとって、黒潮は正義の味方、ということで良いんじゃないですかね(笑)
黒潮の流路については以下のサイトなどで調べることが出来ます。
黒潮が近づくことで目に見えて透明度が良くなることも珍しくないので、是非潜りに行く前にはチェックしてみて下さいね!
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