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須江のダイビングスポット情報

須江のダイビングスポット情報
海について

レアものと出会える可能性大!?
紀伊大島に位置する須江のダイビングスポット情報をお送りします。

秋冬に関西ダイバーが集うスーパービーチポイント・内浦ビーチ擁する須江の海の魅力とは?

ダイビングの基本情報から、季節ごとの見どころをまとめたシーズナリティ、ダイビングポイント紹介まで、海の情報満載でお届け!

須江の概要

須江は、和歌山県最大の島である紀伊大島の南側にあるダイビングスポットです。
紀伊大島へは、本州最南端の紀伊半島・潮岬の東側から「くしもと大橋」を渡ってアクセスします。
この紀伊大島、「エルトゥールル号遭難事件」でその名をご存知の方も多いかもしれません。(詳細は、観光情報参照)

オオシマザクラ(名称は伊豆大島に由来)が咲き誇り、雄壮な海食崖が広がる紀伊大島。
温暖な気候で自然豊かな紀伊大島には、ダイビングのみならずフィッシングやキャンプで観光客が訪れます。

この紀伊大島の中に位置するダイビングスポットが、今回ご紹介する須江です。
南の斜面に広がるのんびりとした漁村、須江の水中はどうなっているのでしょうか。

須江ダイビング基本情報

ダイビングスポット須江・内浦ビーチの浅場
内浦ビーチの浅場

須江のダイビングのメインとなるのが、南側の開口部を除き陸地で囲まれた内海。
太平洋を臨む、穏やかな海域です。

直接黒潮が入り込むことはありませんが、それ故に生き物たちが内海に留まります。
この特異な環境こそ、稀少種、珍種が現れるユニークな海たるゆえんです。

インドアカタチとハナイカ(須江)
インドアカタチとハナイカ

派手なダイビングスポットとは言い難いですが、噛めば噛むほど、いや、潜れば潜るほど、その魅力の虜になるダイバー多し!

産卵のために訪れるオキノスジエビや個体数の多いネコザメたち、そして、冬に姿を表す深海性の生物たち。

クルマダイやオナガウツボ、タカアシガニ、オニイシモチなどの観察例もあり、生物好きには堪らない海でしょう。

ミジンベニハゼとクロイシモチの黄化個体(須江)
ミジンベニハゼとクロイシモチ(黄化個体)

特に、秋冬限定の内浦ビーチは、豊かな生物相と荒天に驚くほど強いことで、関西中京のダイバーには広くお馴染の存在。
春夏より秋冬の方が、圧倒的に訪れるダイバーが多いという不思議なダイビングスポットです。

マトウダイ(須江・内浦ビーチ)
マトウダイ(内浦ビーチ)

ダイビングのシーズナリティ

須江の海の魅力を春夏秋冬に分けて、ご紹介します。

春の須江

オキノスジエビ(須江・ナギザキ)
オキノスジエビ

例年、3月31日までの期間限定のダイビングポイント・内浦ビーチの開放期間を終えると、ボートダイビング中心になります。

ナギザキには、オキノスジエビが産卵のため深海から数百~数千匹の群れで現れ、国内でも数か所のダイビングポイントでしか見られない珍しい光景に出会える可能性大の季節です。

夏の須江

ネコザメ(須江)
ネコザメ

須江の夏といえば、ネコザメの集結。
1年を通じて数匹程度とは出会えますが、春から夏にかけては、イヌカというダイビングポイントに20~30匹が集まってきます。中には、まだ幼い25cmほどのネコザメも!

イサキの群れ
イサキの群れ

一方、ナギザキでは、大量のイサキが群れをなす圧巻の光景が見られます。

秋の須江

アジの群れ(須江)
アジの群れ

例年、10月1日に解禁となる内浦ビーチは、最大27mまで水深がとれる期間限定のダイビングポイントです。
岩場、砂地、泥地といった異なる環境に生息する生き物との出会いを楽しむことができます。

中でも、敷石エリアと呼ぶエントリー口の左側には、マアジやネンブツダイなど多種多様な魚が群れます。

エントリーしてすぐ、ワイド撮影を楽しむことができます。

冬の須江

冬の強い季節風が吹いても荒れることのない内浦ビーチが、メインポイントになります。

マトウダイ(須江)
マトウダイ

水温が低くなると、普段は深場に生息するマトウダイが、浅場に登場します。魚を捕食しようとするときのコミカルな行動は必見です。
クロサギやエソ、マアジなどに狙いを定め、体を斜めや横に倒しながらゆっくり背後から近寄ります。失敗の連続なので、捕食の瞬間が見られたらラッキー!
アゴが外れたように前に伸ばし、吸い込むように捕食します。

また、砂泥エリアには、キアンコウやタカアシガニが現れることも!

ダイビングポイント紹介

須江の代表的なダイビングポイントを3つご紹介します。

内浦ビーチ

例年、10月1日〜3月31日に開放される、秋冬の期間限定ポイント。
浅い岩場、広い砂地、深場の泥地があり、それぞれに生息する様々な生き物を観察することができます。

ダイナミックな魚群あり、レアな小さな生き物ありで、目的に合わせたダイビングが可能!

数段あるコンクリート階段の下よりジャイアントストライドでエントリーとなります。満潮時の高低差はなく、大潮干潮で1m強の高さです。

【エントリー・スタイル】ビーチ(セッティングエリアから約1分。ジャイアントストライドでコンクリート階段よりエントリー。エキジットはラダー使用)
【最大水深】27m
【流れが出た場合】流れてもコース取りに影響を与えない程度
【ナイトダイビング】×

須江、内浦ビーチのオープン確率

ナギザキ

トップ8mボトム40mの根(岩山)で、岩壁や地形の亀裂、根回りを楽しむダイビングポイントです。
タンク1本でちょうど1周できる、ほどよい大きさの根で、しかも、魚から甲殻類、ウミウシの仲間まで生物が多く被写体に事欠くことないため、フォト派ダイバーに人気です。

30〜40mの場所では、普段出会えない生き物との遭遇も狙えます。過去には、キシマハナダイ、コウリンハナダイ、オシャレハナダイ、クルマダイなどが観察されたこともありました。

【エントリー・スタイル】ボート(港から5分。エントリー時はブイを取る。またはアンカーを打つ)
【最大水深】40m
【流れが出た場合】流れてもコース取りに影響を与えない程度
【ナイトダイビング】×

須江、ナギザキのオープン確率

地蔵岩

砂地が広がる海底に根がある、流れがなく穏やかなダイビングポイントです。

ネジリンボウやカミソリウオなどの砂地を好む生物を観察したり、根廻りで小さな生き物を探したりとのんびり楽しめます。

【エントリー・スタイル】ボート(港から約2分。エントリー時はブイを取る。またはアンカーを打つ)
【最大水深】25m
【流れが出た場合】流れてもコース取りに影響を与えない程度
【ナイトダイビング】×

須江、地蔵岩のオープン確率

その他のダイビングポイント

イヌカ、オオバナ、ムロバエ、白野ビーチ
(2021年10月現在使用されていないポイント)オミミザキ、ウワチバイ、オオバエ、コワリ下

須江へのアクセス情報

飛行機でのアクセス:
最寄りの空港は南紀白浜空港です。
羽田空港から南紀白浜空港へJALより直行便が1日3便就航しており、約1時間15分ほどで南紀白浜空港に到着します。

南紀白浜空港より紀勢自動車道南紀白浜ICよりすさみ南ICまで車で約30分。

公共交通機関の場合、南紀白浜空港よりバスにてJR白浜駅(所要時間約25分)へ向かい、JR紀勢本線にて串本駅へ向かいましょう(所要時間約1時間)。

車でのアクセス:
大阪方面からは紀勢自動車道すさみ南ICより国道42号線を東へ進み串本へ。
東京・名古屋方面からは熊野尾鷲道路熊野大泊ICより国道42号線を南に進み串本へ。
串本より県道40号線、串本大橋を経て到着します。
すさみ南ICからの所要時間は約45分、熊野大泊ICからの所要時間は約1時間30分です。

東京、池袋駅とJR紀伊勝浦駅を結ぶ夜行バスもあります。
JR紀伊勝浦駅から串本駅まではJRきのくに線にて約40分です。

電車でのアクセス:
大阪方面からは特急くろしおにてJR串本駅へ。
東京・名古屋方面からは特急(ワイドビュー)南紀にてJR新宮駅へ。新宮駅よりJRきのくに線にて串本駅へ。
串本駅からはダイビングショップによる送迎のほか、串本町コミュニティーバスにて約20分です。

須江の観光情報

紀伊大島といえば、「エルトゥールル号遭難事件」。

1890年、オスマン帝国(現在のトルコに繋がる帝国)の軍艦・エルトゥールル号が紀伊大島の東側にある樫野埼沖で遭難。
当時の住民たちは、樫野埼灯台下に流れ着いた生存者の救護活動を行いました。

紀伊半島東側の樫野埼には、トルコ軍艦遭難者慰霊碑やトルコ記念館、樫野埼灯台(世界最古の石造灯台)などの「エルトゥールル号遭難事件」ゆかりの場所があるため、巡ってみてはいかがでしょうか?

▶︎トルコ記念館、トルコ軍艦遭難者慰霊碑(https://kankou-kushimoto.jp/spots/トルコ記念館

▶︎樫野埼灯台(https://kankou-kushimoto.jp/spots/樫野埼灯台

雄壮な海食崖が広がっていることも特徴で、特に東側の鷹ノ巣展望台から臨む景勝地・海金剛(うみこんごう)の眺めは絶景!

▶︎海金剛(https://kankou-kushimoto.jp/spots/海金剛

紀伊大島で人気なのが、パンとカフェ nagi。
素材にこだわったパンがずらりと並ぶ、こぢんまりとしたカフェです。

パンのテイクアウトも可能なので、ダイビングの合間に買いに行くダイバーも多いのだとか。
週末は行列ができるほどの人気です。

情報・写真提供:須江ダイビングセンター(http://www.zb.ztv.ne.jp/sue.d.c/

ScubaMonsters編集部

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