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室戸のダイビングスポット情報

海について

UNESCO(国際連合教育科学文化機関)世界ジオパークに認定されている室戸(むろと)は、迫力のある地形はもちろん、ソフトコーラルの群生やダイナミックな回遊魚、宝石のようなウミウシまで楽しめる人気のダイビングスポット!

そんな室戸のダイビングスポット情報をその魅力とともにご紹介します。

ダイビングの基本情報から、季節ごとの見どころをまとめたシーズナリティ、ダイビングポイント紹介まで、海の情報満載でお届け!

室戸の概要

室戸は高知県の東南端に位置する、自然豊かなダイビングスポットです。

太平洋に突出した室戸岬は1927年に「日本八景」のひとつに、さらに1996年には「日本の渚・百選」に選定され、その室戸岬の周辺に多くのダイビングポイントが集まっています。

また、年間を通して温暖な気候が特徴で、室戸市の花とされるハマユウ、アロエやハイビスカスなどの亜熱帯植物や亜熱帯性樹林、巨岩に根をはるアコウの木など、生命力あふれる植物が生い茂っています。

さらに、2011年には室戸ジオパークが日本で5カ所目のUNESCO世界ジオパークとして認定されました。
その範囲は、室戸市全体におよび、太古の昔から繰り返されてきた地球の地殻変動の様子が分かる地形・地質が見られます。
今も1000年に約2mのペースで隆起を続けている、世界的に見ても貴重な場所です。

国内外での知名度の向上も見られ、ジオパークとしてさらなる発展が期待されています。

三方を海に囲まれているため、ダイビングはもちろん、その他のマリンレジャーも盛んです。
ホエールウォッチングも楽しむことができ、ダイナミックなクジラはもちろん、愛嬌たっぷりのイルカとも出会うことができます。
特に、室戸の西側に広がる土佐湾では、ニタリクジラが高確率で観察できます。

室戸ダイビング基本情報

ジオパークとして知られる室戸。
その貴重な地形は陸上だけでなく、水中でももちろん楽しむことができます。

地形だけでなく、黒潮が接近する恩恵を受けるため、透き通った青い海や、カンパチをはじめとした大迫力の回遊魚の姿を見ることができます。

一年を通してお花畑のように見事なソフトコーラルや、タテジマキンチャクダイ、モンガラカワハギ、テングダイ、マツカサウオなどを見ることができ、スケール感の大きいダイビングを楽しめます。

さらに、ウミウシのような小さな生き物も多く、多くのダイバーが満足できるダイビングスポットといえます。

夏から秋にかけては台風の通過が多く、また、冬場の北西の風には弱いダイビングスポットですが、一度潜ればまた是非室戸へ!とリクエストをしたくなるワクワクする海です。

ダイビングのシーズナリティ

室戸の海の魅力を春夏秋冬に分けて、ご紹介します。

室戸のダイビング・シーズナリティ表

春の室戸

ムラサキウミコチョウ
ムラサキウミコチョウ

春は年ごとに平均水温に違いが出るのが特徴です。
水温が低い年はウミウシの種類や個体数が増し、水温が高い年は回遊魚が泳ぐ姿を見ることができます。

ヒレナガカンパチ
ヒレナガカンパチ

浅瀬には海藻が生い茂り、他のシーズンとは違った印象の水中を楽しむことができます。

また、アオリイカの産卵や、ポイントへの移動中にハンマーヘッドに遭遇できるのも春の醍醐味です。

初夏に近づくにつれ、生き物の数も増え始め、賑やかな海に向かっていることが感じられます。

夏の室戸

気温の上昇とともに、水温もぐんぐん上がり、6月には25℃、8月には30℃ほどとなります。

この頃になると魚の動きも活発になり、クマノミやスズメダイなどの産卵が見られるようになります。
岩肌に産みつけた卵を守る親の姿のほか、成長した卵をじっくり観察すると、稚魚の目が透けて見えることも。

中層ではキビナゴの群れが太陽の光を浴びてキラキラ輝き、それを追ってカンパチなどの回遊魚も姿を現します。
イサキの群れの数が増すのも、夏のみどころのひとつです。

秋の室戸

台風シーズンではありますが、台風とともに珍しい生き物がやってくることもしばしば。

南から台風がやってきた時はカラフルな季節来遊魚、南東から台風がきた後にはユウゼンを見られた事もあります。

他にもツバメウオやモンガラカワハギの幼魚、タテジマキンチャクダイなども観察できるシーズンです。

冬の室戸

潜ってみると冬と言うことを忘れてしまうような、色とりどりの魚を見ることができます。

ウデフリツノザヤウミウシ
ウデフリツノザヤウミウシ

ツバメウオの成魚やミナミハコフグの幼魚などの季節来遊魚は真冬でも見ることができ、ピカチュウの愛称で知られるウデフリツノザヤウミウシをはじめとするウミウシの姿も増え始め、極小のウミウシを探すのも楽しいシーズンです。

テングダイ
テングダイ

透明度も安定しているので、地形を堪能したり、テングダイの群れを観察したり、この時期見ることのできるマダラトビエイのような大きい生き物たちをワイドに楽しめます。

しかし、北西の風が強く吹く日はクローズになるので注意が必要です。

ダイビングポイント紹介

室戸の代表的なダイビングポイントを3つご紹介します。

杓子

室戸のダイビングスポットで最も西に位置するダイビングポイントです。
水面に顔を出している岩が特徴的で、他にも水中には多くの岩が散在するので、さまざまなコースを楽しめます。

キビナゴを捕食するカンパチなどの回遊魚、アオブダイ、サザナミヤッコの成魚などをよく見ることができます。

運が良ければニシキフウライウオやカミソリウオが出るのもこのダイビングポイントです。

【エントリー・スタイル】ボート(港から約10分。エントリー時はブイを取る。またはアンカーを打つ)
【最大水深】18m
【流れが出た場合】流れによってダイビングを中止する場合がある
【ナイトダイビング】×

室戸、杓子のオープン確率

長碆

流れが出ることは少なく、ゆっくり潜れるダイビングポイントです。
アンカーを打つ付近には直径1~3mのほどの岩が転がっており、他に目立った岩がないため、その岩付近に魚が集まってきます。

岩穴にはキンメモドキやスカシテンジクダイが集まり、ユカタハタが主の様にいつも見られます。
また、秋になれば毎年のようにモンガラカワハギの幼魚を見ることができます。

【エントリー・スタイル】ボート(港から約10分。エントリー時はブイを取る。またはアンカーを打つ)
【最大水深】21m
【流れが出た場合】流れが出ることはほとんど無い
【ナイトダイビング】×

室戸、長碆のオープン確率

てびちばえ

室戸を代表するダイビングポイントです。
水深26mから11mにかけて大きな岩があり、水底にはアーチ状になった穴があります。

穴の中にはソフトコーラルが生い茂り、テングダイやタテジマキンチャクダイ、クエなどが住み着いています。

岩の上の水深11m付近も平らな地形になっていて、コガネスズメダイやキンギョハナダイの乱舞が見られます。

【エントリー・スタイル】ボート(港から約15分。エントリー時はブイを取る。またはアンカーを打つ)
【最大水深】28m
【流れが出た場合】流れによってダイビングを中止する場合がある
【ナイトダイビング】×

室戸、てびちばえのオープン確率

その他のダイビングポイント

吉良川魚礁、室戸30m魚礁、キラメッセ前、南ちゃんポイント、小碆、エビ魚礁、ニュー小碆、シーチキン前、シーチキン魚礁、高碆
※笠碆、クレバス、さざなみの杷、芝居浜は2022年3月現在潜水不可

室戸へのアクセス情報

飛行機でのアクセス:
最寄りの空港は高知龍馬空港空港です。
東京からは約1時間30分ほどで到着します。
高知龍馬空港空港からは国道55号を海沿いに南下し、約1時間30分ほどで室戸方面に到着します。

車でのアクセス:
高知市内からは国道55号を海沿いに南下し、約80km、約2時間ほどで室戸方面に到着します。
傍士港(もしくは吉良川漁港)には無料で駐車できる駐車場があります。
また、路線バスも走っており、高知市内から土佐電ドリームサービスで安芸営業所まで、安芸営業所からは​​高知東部交通の路線バスで室戸まで行くことが可能です。

電車でのアクセス:
JR高知駅からJR土讃線土佐くろしお鉄道ごめんなはり線で奈半利駅まで約1時間30分。
奈半利駅から高知東部交通バスで、室戸ジオパークセンターもしくは甲浦行きバスで約60分で室戸に到着します。

室戸の観光情報

室戸には多くの観光地や観光施設がありますが、特にダイバーにオススメのユニークな水族館をご紹介します。
それが、旧椎名小学校を改修した「むろと廃校水族館」です。
教室や廊下には大小さまざまな水槽が置かれ、50種類1000匹以上の生き物を観察することができます。
さらに多くの標本や、図書室には海洋生物の本や資料が置かれ、自由に閲覧可能です。
また、校舎の外にある25mプールにはハンマーヘッドシャークが泳ぐ姿も!
ダイバーなら大興奮間違いなしです。

ダイビングの後は、シレストむろとで一息つくのはいかがでしょうか。
シレストむろとは、室戸海洋深層水を利用した健康増進施設で、温水プールや露天風呂、フィンランドサウナ、外気浴ホットタブ、足湯などで疲れた体を癒すことができます。

▶︎シレストむろと(https://searest.jp/

ダイビング後におすすめのランチスポットを2店ご紹介します。

太平洋を一望できる「キラメッセ室戸食遊鯨の郷」では、店名にもあるように、鯨料理を堪能できます。
もちろん、鯨料理だけでなく、和・洋の定食、お寿司、丼もの、麺料理などさまざまなメニューがあり、完全完全手作りのジェラートも食後のデザートとして人気です。

▶︎キラメッセ室戸食遊鯨の郷(https://www.kiramesse-muroto.jp/syokuyu/goaisatsu/

「キッチンカフェ海士」でもメニューが豊富で、和食、洋食、麺料理を味わうことができます。
おすすめは、ちらかし寿司。新鮮な魚介類を中心に、さまざまな具材がたっぷりとのった、ボリューム満点の丼料理です。
さまざまな料理があるので、リピーターも多く、地元の人たちに愛される食事処です。

情報・写真提供:カアナパリ(https://kaanapali-diving.jp/

ScubaMonsters編集部

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