メバルの求愛。これ以上最低なナンパの仕方を僕は知らない
メバルの求愛。
それは人間には想像もできない方法でおこなわれます。
な、なんと……
”オスがメスの顔面に放尿をする”ことによってメバルは求愛し、交接するのです。
この話を聞いた時、僕は信じられませんでした。
だって、おしっこをかけるんですよ。おしっこをかけられて女の子と仲良くなれたら、おかしくないですか?
人間で想像すると、めちゃくちゃ気持ち悪いですよ。。。
ということで…..
本当にメバルのオスはメスの顔に放尿をして求愛しているのか?
実際に確認してきました!
今回訪れたのは2019年1月の大瀬崎の海です。
伊豆半島では、どこのポイントでも定番に見られるメバルは、クロメバルとシロメバル、アカメバルの3種類に分かれています。
見分けた方は体色や形の違いもあるようですが、正式に判断するには胸ビレにある軟条の数を数えるそうです。
メバルの生態は3種とも違いがないため、今回はまとめてメバルと呼びます!
メバルの繁殖期は11月~1月前後です。求愛行動(今回でいう”放尿”)が行われ、うまくいったペアは交接をします。
交接が行われるのは日没前後の時間で、観察された例は極めて少ないそうですが、求愛行動は昼間にも行われ観察例も多いということです。
つまり、放尿は1日中見れると!
早速湾内を潜るとメバルが20匹くらいの小さな群れでウロウロしていました。
もっとペアになっているかと思いましたが、みんなで集まっています。
こんな状態では期待は薄いかな?と思っていましたが、すぐにオスは動き出しました。
なーんとなく、群れから離れたメスに数匹のオスが、そろそろと付いていきます。
そして、「行きますか!」と決心するように急に速度を上げてメスに向かって泳ぎます。
お腹をメスに必死に近づけるも……
あ、あれ!?
メスがくるっと避けてしまいました。
でも、いま完全に普段とは違った気合の入った動きをしていました。
また群れ中にいる先程と違うオスがメスをそろそろと追い掛け回しています。
これは意外と簡単に見れるかもしれんなと思っていると……
やっ、やりました!!
こんな簡単に見れるなんて!
オスは大きく口をあけて腹部の肛門がある部分をメスの顔に近づけています!
この瞬間にオスは放尿し、メスに自分をアピールしています。
えっ!?
おしっこが見えないから放尿しているかわからないって。
それはオスの表情を見れば一目瞭然です。
絶対、やってるでしょっ!(笑)
むしろ、この顔で僕やってません。
って言われても信じられないですよ!
富士山の山頂から立小便したって、こんな気持ちいい顔できないですよ。
おしっこ以外に何か他のものを出しているんじゃないかと疑いたくなるレベル!
ちなみにメスの表情は……
めちゃくちゃ無の表情(笑)
でも、半開きの口がオスの肛門のところに、きちんとありますね。
オスの表情も笑えますが、メスのやるせなさにも僕は笑ってしまいました。
観察するのは、もっと難しいかと思いましたが、意外と簡単に見れました。
その後も、あちらこちらでメバルの放尿は続いていました。
意識して見るだけで海の中って、こんなに面白いんですね。
あまりに、たくさんやっているので贅沢にタカサゴなどの群れを背景に流れ星みたいにロマンチックに撮ってしまいました!
やってることは全然ロマンチックじゃない。
ちなみに、求愛に成功したペアは夕方に交接をするそうです。メバルは胎生でメスのお腹の中でタマゴを育て稚魚に成長してから、放出します。
冬に交接をして、実際に生まれるのは春先の海藻が生い茂る時期になってからです。
こうして伊豆の春先には、たくさんのメバルの稚魚が海藻の間に群れているんですね。
ぜひ、みなさんもメバルの放尿、面白い生態を観察してみてくださいね。
オススメの時期は11月~1月まで!簡単に見れますよ!
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