【潜入!】ウエットってどこで作られてるか知ってる?
みんなのウエットスーツはどこのメーカー!?
自分のウエットスーツブランドって皆さん知ってますか?
学生ダイバーが着てることの多いダイビングのウエットスーツメーカーといえば、以下のところが多いのではないでしょうか??
- MOBBY’S(モビーズ)
- WorldDive(ワールドダイブ)
- SunFan(サンファン)
- AQUALUNG(アクアラング)
中には潜水作業ダイバーに大人気のZEROや、マスクで人気のGULL、サーフブランド発祥のBREAKER OUTのスーツを着ている人もいるかもしれませんね!
また、中にはサーフィン用のウエットスーツがカッコイイなんて強者もいると思います。
個人的にはダイビングメーカーのスーツがおすすめです!
サーフィン用のウエットスーツは保温よりも動きやすさが重視であったり、水圧に弱い生地を使っているものもあり、どうしても保温性、耐久性に劣る可能性があります。
海外リゾートがメインで潜るダイバーにはサーフィン用の動きやすいスーツは快適ですが、学生ダイバーでリゾートしか潜らないなんて人は滅多にいないですよね?
むしろ6月から11月までウエットスーツで通して潜るのが当たり前(笑)
さて、ウエットスーツを作っているメーカーは様々がありますが今回は・・・
大手メーカーの中では老舗中の老舗!
モビーズのウエットスーツ工場に潜入してきました!
実際にウエットスーツが作られている様子をお伝えすることで、もっと自分のスーツに愛着を持ってもらえればと思います!
ちなみにウエットで少しでも暖かく潜る裏ワザを知りたい方はこちらをどうぞ!
モビーズの工場はどこにあるの!?
モビーズのウエットスーツ工場は宮城県石巻市にあります。
なんとなくダイビングメーカーというと南国にありそうなイメージがありますが、東北にあるんですね。
宮城県の県庁所在地、仙台といえば伊達政宗の作り上げた城下町。
伊達政宗は伊達者というお洒落な人や男前な人を指す言葉の語源にもなった人物です。
そんなお洒落な街、仙台の近くにウエットスーツ工場がある…
だからモビーズのウエットスーツは時に斬新でカッコ良いデザインなんですね!
ではでは、早速仙台から向かってみましょう!
仙台ICから三陸自動車道に乗り車を走らせること50分・・・
都会な街並みから打って変わって土地が開け、だんだんと田舎の風景になってきます。
石巻河南ICで高速を降り、一般道を走らせていると
見慣れた文字の看板が出てきます!
そのまま進んで行くと、いざ到着!!
おおーーーなんと想像よりでかく立派じゃないですか!
小さな町工場をイメージしてきたら、とても大きい現代風な外観が!!
(モビーズの方ごめんなさい。)
生産工程を見てみよう!
それでは実際にモビーズ工場に潜入していきます!
企業秘密の技術などもあってすべては公開できませんが、みなさんのウエットがどうやって作られていくのか見ていきましょう!!
まず入り口を抜けるとあるのはオフィスエリア。
発注を管理したり、修理の依頼を受けたりするデスクエリアがあります。
ドアを開けた瞬間から・・・
職人の方々が裁縫などをしてる光景を想像していた僕は少しがっかり(笑)
そのまま進んでいくと、段々とウエットの新品の匂い?ゴムの匂い?
とにかく心躍る雰囲気が漂ってきて、すぐに作業場へ到着しました!!
おお!
まさにウエットスーツが次々に作られているじゃないですか!!
そして壁にはカラフルなウエットスーツの生地がずらっと!!
これぞ期待していた工場の景色!
そして、真剣なまなざしで生地に向かう職人さんや立ち込めるウエットの匂い!
すごく素敵な空間です!
作業場では写真の様に今日のノルマが見えやすい形に!
モビーズの納期の短さの秘訣が垣間見えた気が。
工程① 採寸データを抽出!
これは最初に出て来たオフィスエリアで行われます。
写真は撮れませんでしたがコンピューター上で採寸データから、すべてのパーツを生地ごとの形にしていきます。
工程② 大型プリンターでウエットの型紙に印刷!
この大型プリンターで、採寸表から抽出したデータを型紙に印刷していきます!
本当に1人1人専用に作っているのが伺えます。
そして出てきた型紙はこんな感じ!これを型紙を印刷通りにカッティングし生地ごとに振り分けていきます。
工程③ 生地をカッティング
ここも職人さんの手作業で行われていきます!
ダイビング用ウエットスーツは生地が厚いこともあり・・・
一般の服飾用の自動裁断機は使えないということ。
さらに自動裁断機よりも職人さんの手作業の方が圧倒的に早いらしいです!!
なんと驚き!これぞ日本の匠を見た気がします。
ちなみにモビーズは自動裁断機を持っていないわけではないんです。
サーフィン用のスーツ等、生地の薄いものは自動裁断機を使って作業を行っているそうです!
全体は見えませんがこのように台に生地を置くだけで先程のデータ通りに裁断してくれるようです。
工程④ マーク付け
この工程ではこのようにモビーズのロゴマークやお客さんからの依頼のあったオリジナルマークを生地に付けていくそうです!
それには以下のような熱でプレスするマシーンを使っていきます!
↑マークを付けるマシーン
工程⑤ ここで提携工場へ!
ええ~~縫い付けは・・・
なんとメインイベントの縫い付けは、提携先の工場で行っているそうです。知らなかった。
理由をお聞きすると裁縫の技術が難しい修理品が増えており、本社工場ではこの修理品に対応するので精一杯だそうです。
そこで技術も確かで付き合いの長い提携先工場へお願いしているそうです!
さすがに、そこまで見せてもらうことは出来ず・・・断念
工程⑥ 出荷
そして最後は提携工場から帰って来たスーツを人の目で品質チェック。
糸のほつれやほこりが付いてないか等、細かいところまでチェックをし、僕らの元へ出荷されます。
おまけ 倉庫を見せてもらいました!
さすがウエットスーツメーカーの倉庫だけあって生地の量がすごいっ!
サーフィン用からダイビング用、もちろん厚さも色も素材もすべて揃えてあるそうです。
品切れにならないように定期的にスタッフが確認しているのだとか!
コラム:ウエットの継ぎ目を見てみよう!
ウエットスーツの生地と生地を縫い合わせていると聞いて疑問に思った人はいないでしょうか?
せっかく水を通さない生地に針で穴を開けてしまうと、そこから水が侵入してくるハズですよね。
でも自分のウエットを見ると縫い目があります。どういうことでしょう?
答えは生地の両面見るとわかります!
片方の面には縫い目があるにもかかわらず、裏面にはないですよね。
生地おもて
生地裏
特殊なミシンを使うことによって5㎜のスーツ生地の表面2㎜くらいのところまでしか針と糸を通さず、貫通させないで縫い付けることが出来るそうです。
そんな高度な技があったなんて知りませんでした。
ちなみにスーツの縫い目のことをステッチと呼ぶこともあります。
このステッチをはじめ、スーツ用語には普段聞きなれない言葉がたくさん…
そんなスーツ用語はこちらからどうぞ!
修理が一番大変!?
ここまでは新しいウエットスーツが作られていく工程を紹介していきましたが、より大変なのが修理だそうです。
今回は特別にドライスーツの水没チェックの過程を見せてもらいました。
まずはドライスーツに空気をパンパンに詰め全身を水に付けます。
その後全身を揉みこむようにチェックし10分くらいかけ生地内の空気を抜きピンホールや水没の原因をチェックします!
その後乾燥室にて乾かします。
ここまでの工程を経たのちに生地を縫い直したり、シールで補修をしたりと修理の工程に入ります。
ここでの作業は、既に形のあるものをミシンで縫い付けたりして行くのですが、潜りこんだスーツは生地の厚さが変わっていることも珍しくなく、熟練スタッフにしか作業は出来ないそうです。
→ここが1番のプロの腕の見せ所になるそうです!
写真の奥に写っている方はドライのファスナーを交換しているところ!
この後、また先ほどと同様の水没チェックの工程、乾燥を経て修理品として出荷されます!
マイ器材を知ろう!!
今回モビーズの工場を見学して思ったことは・・・
ひとつひとつの製品をそれぞれ人の手で裁断、裁縫されていること。
品質の厳しいチェックをされていることを感じました。
さすが日本ブランドといったところでしょうか!
今より自分のウエットスーツが好きになりました。
だいがくでは自分の器材を知ると
もっとダイビングが楽しくなると考えています!
引き続き各メーカーの情報も伝えていけたらと思っています!
取材協力
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