新歓シーズンもひと段落し、晴れてダイビングサークルに入会することになった新入生が最初に揃えるダイビング器材として、ウエットスーツを購入するケースも多いのでは無いでしょうか?
上級生に関しても、3年生にもなると最初に買ったウエットスーツがくたびれ始め、買い替えを検討している人もいるのでは無いでしょうか?
ダイビングに無くてはならないウエットスーツですが、実は数あるダイビング器材の中でも、最も専門用語が多い器材。
『表ジャージ裏スキンでロンジョン・かぶりのツーピ。あーでもシーガル・ボレロも良いなぁ。。。』
ほら、ちんぷんかんぷんですよね?笑
今回は、ウエットスーツにまつわる専門用語を一気にご紹介したいと思います!
スーツ形状
ワンピース
最もスタンダードなスーツ形状です。
その名の通り、全身で1つのスーツです。
ツーピース
その名の通り、(主に)胴体+足を覆うスーツ(今回は便宜的に”下”と呼びます)と上半身を覆うスーツ(同様に”上”と呼びます)を2枚来るスタイルです。
ここからご紹介するものの組み合わせになります。
ロングジョン
長ズボンとノースリーブが組み合わさった様な形状です。
ツーピースの”下”のスタイルとしては最も一般的です。
ショートジョン
ロングジョンの半ズボンバージョンです。
ダイビングではあまり見かけることは無いかも…
シーガル
長ズボンと半袖シャツを組み合わせた様な形状です。
ロングジョンの場合、それだけだと脇から水がガバガバ入って来ますが、シーガルならその心配が無いので、水が冷たい季節はツーピースとして、温かい季節はシーガルのみで、といった使い方が可能です。
スプリング
シーガルの半ズボンバージョンです。
沖縄や海外などの温かい海だと時々見かけます。
ウエットスーツを使用する理由は、保温だけでなく保護にもありますが、保護に関しての防御力は最弱です笑
タッパー
ここからは”上”をご紹介。
丈が腰付近まであるタイプです。
ツーピースの”上”として用いられることは少ないかもしれません。
ボレロ
タッパーに似ていますが、丈がウエストよりも上に来ます。(画像左)
女性が着るボレロ、と同じですね!
丈が短いので、これだけで用いることは無いと言っても良いでしょう。
最近はツーピースの”上”としてはスタンダードになりつつあります。
かぶり
タッパー、ボレロとは異なり、ファスナーがついていないか、ついていてもみぞおち付近までしかありません。
また、フードがスーツについていることも特徴です。
着脱こそ慣れないと難しいですが、ファスナーが無い分、保温力は抜群です。
以前はツーピースの”上”と言えばこちらでしたが、現在はボレロと人気を二分しています。
スーツ素材
ロクハン
ウエットスーツの厚みには様々あります。
ダイビングで最も一般的なのは5mm。
温かい地域では3mmも一般的です。
サーフィンでは2mmというものもあったり、中には7mm、7.5mmなんてものもあるのですが、6.5mmのことをロクハンと言います。(ちなみに7.5mmはナナハン)
もちろん厚ければ厚いほど温かいのですが、その分動きにくくなります。
その保温性と動きやすさの両方をとれる限界が6.5mmなのか、ダイビングでは5mmに次いで一般的です。
また、生地の厚みでは無く、かぶりを使用したツーピースを指してロクハンと呼ばれる場合もあります。
5mmで作ることも可能なので厳密には誤りですが、単に『ロクハンが欲しい』というと、かぶりのツーピースとなります。
スキン
ゴム(クロロプレンゴム)のみの生地です。
撥水性が良いので水から上がったあと、気化熱を奪われることがありません。
気化熱について詳しくはこちらからどうぞ!

一方で裂けやすく、1ヶ所裂け始めると一気に裂けてしまいます。
したがって、裏地に使用した場合は着脱時に爪などで傷つけないように、表地に使用した場合はどこかに引っ掛けることの無いように、取り扱いの注意が必要です。
また、ゴムのままなので、色は基本的に黒のみとなります。
ジャージ
現在は最も一般的な生地です。
スキンの表面に布(ジャージ)を貼ることで耐久性を増しています。
一方で、そのジャージが水分を含んでしまうので、水から上がったあと、気化熱を奪われてしまいます。
布なので染色が可能で、様々な色や模様のウエットスーツを作ることが出来ます。
裏起毛

MOEABLETYPEより画像引用
裏地にのみ使用される生地で、その名の通り起毛素材です。
起毛部分が水を掴むことで他の生地より高い保温力を発揮します。
また、ジャージ生地に比べて乾きが早いことも隠れたメリットのひとつです。
一方で、水中でおし○こをした場合、最も臭いが定着しやすいなんてデメリットも…(え?しないから関係ない?)

ラジアル

株式会社ゼロより画像引用
ラジアルコーティングという特殊なコーティングを施した生地です。
伸縮性に劣るため着脱性にデメリットはあるものの、保温力と耐久力の両方を兼ね備えた生地です。
画像の様にドライスーツで使用されることが一般的ですが、最近は伸縮性を兼ね備えたラジアル生地を使用したウエットスーツも存在します。
ほか
ビーバーテール
画像左のかぶり最下部、パンツの様に見える部分です(笑)
ツーピースの”上”がペロンとめくりあがることを防ぐための部分です。
その見た目から時には”オムツ”なんて呼ばれることも…(笑)
ステッチ
スーツの縫い目の部分です。(画像の白い線の部分)
ステッチの色を選ぶ、と言えば縫い糸の色を選ぶという意味になります。
つるし
今回ご紹介する中で、唯一特定の素材や形状を表すものではありません。
オーダーメイドの対義語で、既製サイズのものを指します。
ウエットスーツは、スーツと身体の間に水が層を作ることで保温しています。
従って、出来るだけ水の出入りを少なくすることが重要で、身体にピッタリと合っている必要があります。
つるしの場合はどうしても身体のどこかしらに合わない部分が出てきてしまい、オーダーメイドに比べて保温性に劣る場合が多いです。
特に学生ダイビングだけを考えると、世間的に”標準”とされている体系よりも細い学生が多いので、つるし=寒いというケースがほとんどかもしれません。
つるしを試着してみたらピッタリサイズ!であればラッキー!ですね。