キュートなイツメン・オキゴンベ
カエルアンコウ
ウミテング
カミソリウオ
クマノミ
そんな人気者たちに目が行きがちなのは仕方ない面もありますが、いつものアイツがいる安心感ってありますよね。
そんないつものアイツ、筆頭格のオキゴンベ。
特段珍しい魚ではありませんが、実はなかなか面白い魚でもあります。
今回はそんなオキゴンベについて、ご紹介していきたいと思います!
オキゴンベのチャームポイント
鮮やかなオレンジ色が美しいオキゴンベ。
それだけでも十分かわいいのですが、背びれをよーく見てみると…
なんともキュート♥
まるで花が並んでいるかのような、背びれ。
ぜひ近づいて見てみてくださいね!
こんな風に、よく見る生物も近づいて見てみると様々な発見がありますよ!
オキゴンベの場合、背びれだけでなく顔をよーく見てみると…
鼻毛(笑)
これはチャームポイントじゃないかもしれませんね…
オキゴンベは外見だけでなく振る舞いもかわいい魚。
よく、人懐っこいと表現されることもあります。
これは、ダイバーが近づいてもあまり逃げないだけでなく、犬のようにチョロチョロと近づいては離れ、離れては近づきを繰り返すためかと思います。
これには深いワケが。
実はオキゴンベ、魚なのに浮袋を持っていません。
そのため長い間中層を泳ぐことが出来ず、まるでチョコチョコとダイバーの周りを遊んでいるように見えるんですね!
名前の由来
オキゴンベの名前はオキ+ゴンベだと言われています。
オキはそのまま沖の意味で、他のゴンベ科の魚に比べると生息水深がやや深い=沖、ということでオキとついています。
ただし、やや深いといっても、あくまで他のゴンベ科と比べての話。
我々ダイバーにとってはそんなに深い水深でなくても観察できるのでご安心を。
ではゴンベの由来とはなんなんでしょう??
ゴンベと言えば…
https://www.youtube.com/watch?v=NsUmfup3dTc
ヤバい。
けんたろうお兄さん、懐かしすぎる。
みなさんの場合はこっちかもしれませんね。
ゴンベ。
カビゴンの進化前だそうです。
カビゴンって進化前があったんですね。
話が逸れるだけ逸れてますね。
ゴンベの由来はこちら!
みなさんは子連れ狼なんか知らないですよね…
むかーし大ヒットした時代劇です。(原作は漫画)
筆者もさすがに見たことは無い世代です(念のため)
で、右上の子どもの髪型。
江戸時代から大正時代にかけて、男の子の髪型として流行したそうです。
なかなかのセンスですね。
逆に原宿のギャルたちのファッションセンスと通じるものがありそう。
少なくとも絶対『最近の若者の髪型は…』とか言わせない。(笑)
で、この髪型の名前を権兵衛と呼んでいたそうで、先ほどご紹介したゴンベ科の魚の背びれが、これに似ていることからゴンベと名前が付いたそうです。
髪型全体ではなく、頭のてっぺんで結んだ髪の先が開いているあたりでしょうね!
日本語では若干お間抜け(?)なものが名前の由来となっているゴンベですが、英語ではHawkfish。
鷹のような魚。
なんかめっちゃカッコいい…
こちらは先ほどご紹介した通り、浮袋を持たないゴンベはサンゴや岩の上でじっとしていることが多い魚。
この姿が木の枝に止まる鷹に似ていたことからこの英名が付いた様です。
しかもこのオキゴンベはGolden hawkfish。
金色の鷹。
なんだかオキゴンベを見る目が変わりそうですね!(笑)
オキゴンベの生態
オキゴンベの生態の特徴としては性転換が挙げられます。
別に魚の世界では珍しいことではありません。
クマノミの仲間をはじめ、ハナダイ、ベラなどなど、むしろ性転換する方がスタンダードかもしれません。
普通はメスで生まれてオスになるか、オスで生まれてメスになります。
オキゴンベの場合はメスで生まれ、群れの中で一番大きな個体がオスになるのですが…
オキゴンベの場合、どうしても彼女が出来ないと、何の迷いもなくオスであることを捨て、メスに戻ります。
人間の世界で想像するのはやめましょう。(笑)
というのも、普通メスからオスへ性転換する魚は性転換と共に卵巣が消失し精巣に置き換わります。
しかし、このオキゴンベの場合は卵巣が消失せず、しかも一度メスからオスになり、もう一度メスに戻ったあとも精巣が消失しません。
このため、群れの都合に合わせて両方向の性転換が可能なんですね。
魚の世界で性転換は珍しいことではありませんが、両方向の性転換はさすがに珍しいと言ってよいでしょう。
どこに棲んでるの?
冒頭でご紹介した通り、イツメン筆頭格のオキゴンベ。
分布をもう少し細かく言うと、千葉県から屋久島まで南下し、なぜか沖縄だけ飛ばして台湾、南シナ海、フィリピン、バリ島などに生息しています。
沖縄に全く生息していないわけでは無い様ですが、沖縄では珍しい魚とされる様です。
本州では嫌というほど観察できる魚が沖縄にだけ生息していないというのも面白い話ですね!
今回はイツメン・オキゴンベを脱線に次ぐ脱線を繰り返しながらご紹介してきました。(笑)
この様に、いつでも観察できる魚たちの知識を深めてみたり、いつもより近づいて見たりすることで、新たな発見がたくさん見つかることも。
是非みなさんも、ひとつひとつの生物を丁寧に観察してみてくださいね!
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