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アンコウ・キアンコウが見たい!見れるシーズン場所は?

生物について

アンコウの吊るし切りなどで有名なアンコウ・キアンコウ。
アンコウ鍋は茨城の郷土料理で日本の食文化とも深く結びついています。

普段は水深500mまでの深海に棲むことの多いアンコウは、冬になると産卵のために水深20m程度まで上がってきます。
つまりダイバーにも出会えるチャンスがあるんです!

冬の海に潜るなら、ぜひ狙ってみたいアンコウを紹介していきます。

アンコウ・キアンコウ

2018年12月に大瀬崎湾内で撮影されたアンコウ

2018年12月に大瀬崎湾内で撮影されたアンコウ

アンコウ
英名:Goosefish ,Monkfish
学名:Lophiidae
分類:アンコウ目アンコウ科
分布:北海道以南、南日本・インド、洋太平洋

アンコウは分類学上、アンコウ目、アンコウ科に分けられます。
このアンコウ科には写真のアンコウ以外にもキアンコウという大型の種がいます。

アンコウは40cm程度の大きさですが、キアンコウの場合大きいもので1mを超えてきます。

1m程度まで成長している場合はキアンコウで良いのですが、そこまで大きくなっていない場合、アンコウとキアンコウを見分けるのは結構難しいです。

脊椎の骨の数だったり、口内の白斑紋有無だったり、頭と胴の比率の違いだったり…

必ずしも正確とは言えませんが、大体で見分けるには以下で判断しても良いでしょう。

・頭でっかちで胸ビレが頭の後ろ側に付いているように見える
アンコウ

・スマートで胸ビレが頭の横についているように見える
キアンコウ

ちなみに食材として市場に流通する際も区別しないらしいので、細かいことは気にせずに・・・

もし見れたら素直に喜んじゃいましょう!

アンコウは大きい個体の方が美味らしく、市場に流通しているものはほとんどが大型のキアンコウのようです。
なお、キアンコウの方が北の海に生息する傾向もあります。

あ、ちなみにダイビングのアイドル・カエルアンコウはアンコウ目のカエルアンコウ科なので広義でとらえればアンコウの仲間ですね。

アンコウ・キアンコウが見られる!?

2019年1月28日に水深8mに出たアンコウ

2019年1月28日に水深8mに出たアンコウ

アンコウの仲間が見れるシーズンは冬です!

伊豆半島では12月から3月くらいまでの目撃例が多いと思います。
長い年だとゴールデンウィークあたりに、ふらっと現れる年もありますね。

12~1月のシーズンだと透明度も非常に高いため、浅場に出たときなんかは明るくキレイな海でアンコウを観察できます。
逆に3月になると春濁りで透明度が下がってくるので暗く緑の海に居座るアンコウを見ることができます。

どちらも迫力があって見ごたえがあります!

観察できるダイビングポイント!

大瀬崎

大瀬崎

やはり深海魚が見られる確率が高いポイントと言えば大瀬崎でしょう!
大瀬崎の目の前に広がる駿河湾は世界で1番深い湾と呼ばれ水深2500mもあります。

毎年、様々な種類の深海魚が観察され話題になっています。
アンコウ・キアンコウも冬の時期は1度観察されると湾内に住み着き、安定してみることができます。

大瀬崎以外では、やはり同じく駿河湾に面したポイントでお隣の井田や平沢でも観察されます。
昨年は井田では1ⅿ級のキアンコウが、平沢ではアンコウが長く観察されたことから話題に上がりました!

東伊豆でもアンコウは出るそうですが、かなり稀なようです。
過去に伊豆海洋公園に出たときは、かなりフィーバーしたそう。
東伊豆では八幡野が1年に1個体くらいのペースでコンスタントに出ているそうですよ!

関西の情報だと…….
和歌山では須江にも出ているそうです。
(他にもあれば教えて下さい!)

アンコウが見たい人は、潜りに行く前に情報収集をして、どこのダイビングポイントに出てるのか調べておくことが大事ですね!

アンコウの生態

アンコウエスカ

まるでエイリアンかのようなイカツイ姿のアンコウですが、眼を見て下さい。
エメラルドグリーンでキレイじゃないですか?

ちょっとつぶらな瞳に愛くるしい姿を覚えます。

アンコウもカエルアンコウと同じアンコウ目の魚です。
カエルアンコウと言えばエスカと言われる疑似餌を使って小魚を捕食することで有名です!

もちろん、このアンコウもエスカを持ってます。
目の後ろに旗みたいのが付いてるのわかりますか?
これがエスカです。

アンコウはエスカを振ってエサに見せかけて興味を持って近づいて来た魚をバクっと食べてしまいます。
基本は、なんでも噛みついてみるという精神があり、過去にヘラヤガラが刺さって死んだ個体もいるとか、いないという噂があります。

でも、冷静にいきなり砂の中から1ⅿ級のキアンコウが飛び出してきた恐ろしいですね(笑)

まとめ

冬になると深海からダイバーにも見れる深度に顔を出してくるアンコウ。

ちょっと見てみたくなりませんか?

やっぱり、アンコウを見るなら大瀬崎のどの駿河湾周辺のポイントが比較的良い確率で見られると思います!
いつ行っても見れるというわけではありませんが、ぜひトライしてみてください。

アンコウが見れなくても同じ深海魚のマトウダイは高確率で見れますよ!

マトウダイに興味ある人は合わせてコチラの記事も読んでみてください。

冬の風物詩!マトウダイ!~せいぶつ部~

そもそも冬のダイビングってどうなの・・・・・・
という方は合わせてコチラも!

【冬のダイビングの魅力5選】冬だからこそ潜る!

ゼッタイ、冬の伊豆の海は潜るべき!!

 

茂野優太

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Under Water Creator。 1991年、神奈川県生まれ。 海・ダイビングの魅力を写真、映像、文章、ガイドなど、多様なアプローチで発信する。 伊...

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