2016年は台風1号が発生するのが統計上2番目に遅い年でした。
その後、台風銀座・沖縄にほとんど台風が訪れず、ダイバーとしてはウハウハ…
と思いきや、あまりにも来なさ過ぎて海水温が上昇、大規模なサンゴの白化現象が起きてしまいました。
昨年2017年は逆に、7月上旬のうちに台風が3つ発生、そのうち台風3号は日本にも上陸しました。
今年2018年もそろそろ天気予報に台風という言葉が出てくることが増えてきましたね。
ダイバーにとって台風は天敵。
これまでも


といった記事で、台風についてご紹介してきました。
ところで台風には弱い台風もあれば強い台風もあることはご存知かと思います。
ということで、今回は、台風の強さの目安をご紹介していきたいと思います!
台風の強さの指標
台風の強さは、気圧の単位であるhPa(ヘクトパスカル)で表されます。
低気圧、高気圧、という言葉、1度は聞いたことありますよね?
ザックリいうと、低気圧が近づくと雨が降り、高気圧が近づくと晴れます。
空気は気圧の高いところから低いところへと移動したがるので、必然的に低気圧の中心に向かって風が流れ込みます。
すると、その風がぶつかり合うところで上昇気流が発生し、雲を形作ります。
その雲が雨を降らせるわけですね。
尚、1気圧は約1013hPaですが、天気での『高い』『低い』は周囲の気圧との比較なので、1気圧(1013hPa)よりも気圧の高い低気圧も珍しくありません。
さて、台風とは、とどのつまり、お化け低気圧です。
低気圧内の最大平均風速が17m/sを超えた時に、台風と呼ばれる様になります。
※厳密には、その低気圧が北西太平洋または南シナ海に存在することも定義のひとつです。
通常の低気圧よりも気圧がより低いため、周囲との気圧差が大きくなり、より多くの空気が台風の中心に向かって流れ込みます。
その為、強い風と雨をもたらすわけですが、当然、周囲との気圧差が大きければ大きいほど、その勢力は強い、というわけです。
台風の強さの目安
あくまで台風自体の気圧でなく、周囲の気圧との差が台風の勢力を決定するため、それだけで判断することはできませんが、中心付近の気圧だけでも目安にはなるかと思います。
大よその目安で言うと
- 990hPa以上:弱い
- 960hPa~990hPa:一般的
- 930hPa~960hPa:強い
- 930hPa以下:猛烈
と言われています。
尚、気象庁の発表する『強い』『猛烈な』などの表現は風速を基にしており、これらの目安とは異なるのでご注意ください。
そもそも台風という時点で、どんなに弱くても局地的な被害をもたらすことはあります。
なので、その局地に自分が当たってしまえば元も子もなく、決して油断は禁物ですよ!
過去の台風の例
タクシーが空を飛んだ・ドゥージェン
与那国島で瞬間最大風速81.1m/sを観測した2015年台風21号(ドゥージェン)。
この台風の与那国島付近での最低気圧は949.3hPa、瞬間最大風速を記録したのはこれよりもやや後、少し気圧が上がった時でした。
過去最悪の被害・伊勢湾台風
日本全国で最悪の被害をもたらした昭和34年台風15号(ヴェラ)
人的被害は言うまでも無く、経済的損失でも関東大震災に匹敵、東日本大震災とも比較される台風です。
この台風の上陸時の中心気圧は930hPaで、先ほどの目安でも『猛烈』ですね。
その他様々な台風を調べてみても、大きな被害が出ているものは、多くが先ほどの目安で『強い』以上に含まれていることがわかりました。
我々ダイバーの場合、日本に接近するよりもかなり早い段階から影響を受けますが、強い風が吹けば吹くほど、現地では当然高い波が立ちます。
その波がうねりとなって我々に影響を及ぼすので、日本接近前から台風の強さには注目して、海況に注意を払う様にしましょうね!
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