日本にはたくさんの指導団体が存在します。
でもご紹介しましたね。
その中で、指導団体の違いは無い、と断言してしまいましたが、それでも気になる人のために、今回は日本国内で活動を行っている指導団体について、ひとつひとつご紹介していきたいと思います!
と、思い立って、当たり障りなく、客観的な事実をまとめようと思ったのですが、余りにも情報が少ない……。
と言うことで、今回は筆者が主観丸出しで、それぞれの指導団体についてまとめていきたいと思います!
最初に公開した2016年1月時点と状況が異なる点を追記しました

僕です。僕が書いてます。今回は誰が書いてるか、が重要なのでハッキリさせておきますね。
誰だこいつ、と思った方は1番下まで行くと、もう少し詳しく書いてあります。
内容について、ご意見ご感想は大歓迎ですが、誹謗中傷はやめてくださいね笑
筆者の指導団体に関する知識ベース
重要な点だと思うので、ここもはっきりとさせておきますね。
ダイブマスターまではPADIで育ちました。
なので、多少古いですがPADIのインストラクターマニュアルも持っています。
従って、PADIに関してはそこそこ知っているのでは無いかなと思います。
現在はNAUIコースディレクターです。
従って、NAUIに関して知らないことは無い…はずです(笑)
実際に身を置いたことがあるのは上記2団体です。
SSI、SDIに関しては、本部の方から細かな説明を伺ったことがあるので、それ以外の団体よりは知っているつもりです。
友人、知人は
- PADI
- NAUI
- SSI
- BSAC
- SDI
- Stars
- SNSI
のインストラクターがおり、これらの団体に関しても、少々情報は入ってきます。
各指導団体まとめ
バッジの説明
C協日本の指導団体の集まりであるCカード協議会に加盟している団体です。
RSTCRecreational Scuba Training Councilの略。
世界的な指導基準のことで、この基準を採択している団体です。
RSTCはアメリカ、カナダ、ヨーロッパ、日本の4か所に支部を持ち、その集合がWRSTCです。(World Recreational Scuba Training Council)
しかし、2019年以降6年もの間、日本支部・RSTC Japanは”RSTC Japan Under Restructure”(再編中)となっています。
一方で、Cカード協議会はWRSTCの構成メンバーと明言しています。
WRSTCの情報が一切更新されていないということではない(アメリカ支部の情報などは直近でも更新されている)ので、果たして……。
実態は調査中のため、本記事中で各団体にRSTCのバッジがついている場合は、2018年時点でRSTC Japanに加盟していたことを表しています。
ISOは、スイスのジュネーブに本部を置く世界171ヵ国が参加するNGOの略称で、世界中で同品質、同レベルのものを提供することを目的とした国際的な基準です。
各分野の商品やサービスに対して細かくカテゴリーが分かれており、スキューバダイビングに関しては
- ISO 24801-1:2014
Supervised diver:監督が必要なダイバー。いわゆるプレエントリーレベルに該当し、プロダイバーと共にファンダイビングを行うことが求められる。 - ISO 24801-2:2014
Autonomous diver:自立したダイバー。いわゆるエントリーレベルに該当し、バディダイビングが可能。 - ISO 24801-3:2014
Dive leader:ダイブリーダー。いわゆるダイブマスターレベルに該当し、ダイビング活動を組織することが可能 - ISO 24802-1:2014
Level 1。いわゆるアシスタントインストラクターレベルに該当。指導可能な範囲に制限がある。 - ISO 24802-2:2014
Level 2。いわゆるインストラクターレベルに該当。指導可能な範囲に制限がない。 - ISO 24803:2017
ダイビングやスノーケリングのサービス提供者。
など、30以上に細かく分かれています。
この記事では、エントリーレベル講習がISO 24801-2に適合していると指導団体が明記してる場合にバッジをつけています。
PADI(パディ)
C協 RSTC ISO


Professional Association of Diving Instructors
でPADIです。
日本でも世界でも、名実ともに最大規模の団体です。
PADIのCカードであれば、通用しない場所は無いと断言できます。
ダイビング黎明期、軍隊式だったダイビングのトレーニングを、レジャー向けに再構築した立役者です。
そのせいで、以前は『軟弱』と呼ばれることもありましたが、現在はほぼ全ての指導団体がPADIのカリキュラムを追従していると言っても過言では無いので、PADIが軟弱ならみんな軟弱です(笑)
ダイビングをビジネスにした立役者でもあり、各種教材は他の指導団体の追随を許さないほど豊富で、加盟店へのセミナー等も活発に行っています。
規模が大きい分、ピンからキリまで様々なお店が存在する、というのがタマにキズ。
NAUI(ナウイ)
C協 RSTC ISO

National Association of Underwater Instructors
でNAUIです。
世界で初めての指導団体とされています。
従って、歴史はPADIよりも少し古いです。
PADIの所で触れた『軍隊式のトレーニング』を行っていた張本人ですね。
こちらも世界的に、通用しない場所は無いかと思います。
以前はNAUIのインストラクターは屈強で厳しい、というイメージがありましたが、現在はPADIとほとんど変わらないと言って良い思います。
ただ、NAUIに古くからいらっしゃる諸先輩方は、厳しい時代を生き抜いてきた方々なので、良くも悪くも個性的で魅力的(クセが強いとも言う?笑)な方々が多いような気がします。
そして、その先輩方の背中を追ってきたNAUIインストラクターもやはり、筆者も含めてクセが強めかもしれません。笑
実は、指導団体の違いを聞かれたとき、一番答えるのが難しいのがPADIとNAUIの差です。
SSI(エスエスアイ)
C協 RSTC ISO


Scuba Schools International
でSSIです。
こちらも世界的に有名で、困ることは無いと思います。
ヨーロッパではNAUIを超えたという噂も……。
SSI最大の特徴は、個人インストラクターを認めていない点です。
PADIやNAUIはインストラクターの資格さえ持っていれば、個人的に友人を講習するなどと言ったことが出来ます。
一方で、SSIはインストラクターは必ずどこかのSSI加盟ショップに所属しています。
従って、指導団体による質のコントロールが効いていると評価されることもあります。
国内事情で言うと、2017年頃から若干逆風が吹いています。(詳しくは後述)
ちなみに、現在は有名な器材メーカーであるMaresと共にHEADという会社の中に入っています。
つまり、MaresとSSIは同じ会社です。
BSAC(ビーエスエーシ)
C協 RSTC ISO


Britich Sub-Aqua Club
でBSACです。
日本国内では有名な団体と言えば必ず出てきます。
世界的に見ると、どうなのでしょう、イギリスの本部以外に地域オフィスが日本・韓国・タイ・エジプトにしか無いあたりを見ると、若干『?』マークです。
以前はタイにも地域オフィスがありましたが、現在は存在しません。
逆に2023年、エジプトに地域オフィスが開設されました。
設立はNAUIよりも古いとされており、どっちが最古なのか…
設立なのか、指導団体としての体裁を整えたタイミングなのか、で表現が変わって来るようです。
日本国内では、一時期大阪のダイビングショップがBSAC本部を任されていた経緯から、現在でも関西にお店が多いことが特徴です。
関西で発展したためか、BSACのインストラクターは元気な人が多いイメージですね。
SDI(エスディーアイ)
C協 RSTC ISO


Scuba Diving International
でSDIです。
レジャーダイビングよりも歴史の浅い、テクニカルダイビングの世界では知名度の高いTDIという指導団体。
そのTDIがレジャーダイビング向けのコースを提供している団体です。
日本には2016年に上陸しました。
お隣韓国では既にPADIに勝るとも劣らないシェアを誇るのだとか。
テクニカルダイビングから得たものをレジャー向けに噛み砕いたカリキュラムが特徴と言えるでしょう。
国内での知名度はやや低めですが、世界的には認知されている団体なので世界で潜る分には困らないはずです。一方で、国内では『?』と思われてしまう可能性があるかもしれません。
一般のダイバーの方への知名度は現在でもやや低めですが、上陸から年数を経たこともあり、ダイビングショップのインストラクターであれば知っているはずです。
ですので、国内のダイビングでも困ることはないかなと思います。
SNSI(エスエヌエスアイ)
C協 RSTC ISO

Scuba and Nitrox of Safty International
でSNSIです。
SDIと並ぶ、指導団体第2世代。
世界でのスタートはSDIより2年早いですが、日本国内には2017年に上陸しました。
他の指導団体よりも高いレベルの講習をすることを明言しており、必須講習時間が長かったり、必須本数が多かったりします。
SSIの部分で
国内事情で言うと、2017年頃から若干逆風が吹いています。(詳しくは後述)
と言ったのは、実はこの指導団体が関係しています。
日本に上陸した2017年、それまでSSIに所属していたお店、しかもSSIの中心を担っていたお店がこぞってSNSIに移籍しました。
なので、少なくとも国内で言うと、SSI色が強いと言えます。
SDI同様、国内での知名度に若干難がありますが、こちらもRSTC、ISOの認証は取得しています。
SDI同様、一般のダイバーの方への知名度は現在でもやや低めですが、上陸から年数を経たこともあり、ダイビングショップのインストラクターであれば知っているはずです。
JUDF(ジュディフ)
C協

Japan Underwater Diving Federation
でJUDFです。
Japanと入っていることからもわかるとおり、日本発祥の指導団体で、日本国内のみで展開しています。
設立当初は、日本潜水会・中部日本潜水連盟・関西潜水連盟・PADI潜水指導協会からなる、日本で唯一の全国的な指導団体が集まった組織でした。
そう、PADIもJUDFに加盟していたんです。
現在では日本潜水会以外が脱退し、いち指導団体として活動しています。
JP(ジェーピー)
C協


こちらも日本国内でのみ展開する指導団体ですが、30年以上の歴史がある団体です。
過去には官公庁に強い、という評価もありましたが、現在はあまりそういった話を聞くことはありません。
ちなみに、元東京都知事の石原慎太郎氏が名誉インストラクターをつとめていたんだとか……。
Three-i
C協最終更新:2020年
2015年以降長らくHPが更新されておらず、C協、CMAS共に非加盟だったために実態不明でしたが、2019年にC協に加盟しました。
CMAS(クマス)



ここからはCMASに所属している指導団体をご紹介。
ここで疑問を持たれた方も居るかと思いますが、CMASは指導団体では無く、世界的な指導団体の集合体です。
そのCMASはというと、IOC(国際オリンピック委員会)やUNESCO等に加盟する団体。
そう聞くと、ダイビング業界の親玉の様に聞こえますが、ダイビング業界ではなぜか国際的なNGOであるCMASよりも、個々の指導団体の方が強かったり……。
スポーツとしての側面と、レジャーとしての側面を持つという点が、このねじれ現象を生み出した原因でしょうか。
これからご紹介するCMAS下部組織の指導団体は、基本的に日本国内での展開です。
ただし、各指導団体オリジナルのカードと共に、CMASとしてのカードも発行しているため、CMASのダイバーとして世界中で潜ることが可能です。
DACS(ダックス)
C協

Diving Association of Central Sports
でDACSです。
大手スポーツクラブのセントラルスポーツが展開する指導団体です。
バブル期のダイビングブームを牽引した存在であるため、日本国内では他の指導団体と同様の地位を築いています。
日本のダイビング発展の立役者であることは間違い無いでしょう。
ただし、日本のスポーツクラブが後ろ盾なので、世界で見ると……。
と、言われていましたが、2023年にCMASに加盟したことにより海外でのダイビング活動でも問題なく使用できるようになったと言えるでしょう。
Stars(スターズ)
C協 ISO

学科講習、試験をオンライン上で無料で行うスタイルをいち早く取り入れた点が特徴的な団体です。
また、ダイビング部、ダイビングサークルのために、そのクラブ・サークル内でのみ有効なダイブマスター、インストラクターのプロライセンスが準備されている点もユニークな点です。
筆者が知りうる限り、CMAS加盟団体の中で唯一ISO基準を採用と明記しています。(外部からの認証を受けている、とまでは明記されていませんが。)
JCS(ジェーシーエス)
C協


RSTCを採択してはいないものの、数あるCMAS系団体の中で最もRSTCに近い指導を行う団体のひとつ、と言われています。
旧JUDFを構成していた中部日本潜水連盟にルーツを持つ団体でもあります。
CMAS=JEFF(ジェフ)
C協

独特の補償制度(ダイバー会員制度)を持つことが特徴と言えます。(登録は任意)
PADIもダイバー向けの保険を提供していますが、JEFFの提供する補償制度は、初年度無料です。
ただし、補償を受けるためにはダイビングに行く時には毎回必ず、事務局に連絡が必要、というルールになっています。
KD(ケーディー)
C協

旧JUDFを構成していた関西潜水連盟が、JUDFから独立して再組織された指導団体です。
えー…
ここからは、Cカード協議会非加盟の団体ということもあり、活動実態が筆者には不明のため、名前とURLだけご紹介させて頂きます!
ADS(エーディーエス)
MTES JAPAN(エムテス)
CMAS加盟団体として、以下の団体も名前だけは発見することが出来ましたが、現在、指導団体としてのホームページは存在しませんでした。
- UHA
また、以下の団体は過去にCMAS加盟団体とされていたことがありますが、2025年現在はHPが存在しない、もしくは10年以上更新されておらず、指導団体としての活動を停止していると思われる団体です。
- AII
- C-will
- J-NASA
- TAKUYO
- WEST
最後に、Cカード協議会、CMASどちらにも加盟していない団体です。
Ci
IANTD Japan
テクニカルダイビングの世界ではTDI(SDI)に並んで有名な団体ですが、レジャーダイビングからこの団体で、というのはあまり聞きません…
過去にはテクニカルダイビングをメインとした日本向けのページが存在しましたが、現在は存在しません。(それどころか、ドメインを無関係なサイトに取得されてしまっています)
NASDS
NDA
このほか、過去にさかのぼると40とも50とも言われる指導団体が存在していました。
こちらの記事でもご説明した通り、1990年頃までは指導団体が乱立しており、ひとつもダイビングショップが指導団体を自称することもしばしば。
2000年頃を境に小さな指導団体は数を減らし続けていますが、もし現在も活動中で、ご紹介できていない指導団体がありましたら、ぜひご連絡ください。
まとめ
日本では、日本独自に発展を遂げた指導団体と、海外からやってきた指導団体があります。
日本のダイビングが発展途上の時期は、どちらも切磋琢磨していた様ですが、現在では海外に本部を置く団体がメインストリームであることは、間違いないでしょう。
つまり、今回ご紹介した中で
RSTCのバッジが付いている団体です。
一定の歴史を持つPADI、NAUI、BSAC、SSI、それを追う第2世代のSDI、SNSI、この6団体が今後どのようになっていくのか、楽しみですね。
加えて2023~2024年頃を境に、CMASも一丸となって積極的なプロモーションを行い、存在感を増している様に感じています。
一般ダイバーレベルに関して、指導団体ごとに優劣があるわけではありませんが、現在は以下の様な順番で世の中から認知されているのでは無いかなと思います。
- RCTS採択&C協加盟&非CMAS
- C協加盟&CMAS
- C協加盟&非CMAS
- C協非加盟&CMAS
- C協非加盟&非CMAS


特に日本国内のみで活動している指導団体でCMAS非加盟の場合、海外で使えるのかどうか気になってしまうかもしれませんが、Cカードは資格(ライセンス)ではなくあくまで認定証。
JUDFのCカードを持ち、頻繁に海外で潜っている知人(ダイビング歴ウン十年)の話では「今まで一度も困ったことがない。Certificatedって書いてあれば、指導団体名まではあまり気にしていないと思うよ。」とのことでした。
もちろん断られる可能性が絶対に無いとは言えないので、どうしても心配な方はメジャーな指導団体のCカードを取得するのが良いとは思います。
どの団体でも基本的に、指導団体の違いで直接不利益を被ることは無いはずで、あるとすれば、他団体のダイバーから馬鹿にされる(様な目で見られる)という程度です。(笑)
いわゆるメジャーな指導単体のカードを持っていても、そんな目で見られることだってあります。
なので指導団体に関しては、気にしても気にしなくても、個人の考え方次第で良いと思いますよ!