鵜来島のダイビングスポット情報
鵜来島(うぐるしま)は、小さな生物たちの楽園!
ダイバー垂涎のボロカサゴやモリシタダテハゼなどが1年を通して見られるほか、激レアなアカグツ、ミノアンコウの確認事例まで。
そんな希少な生物の宝庫、鵜来島のダイビングスポット情報をその魅力とともにご紹介します。
ダイビングの基本情報から、季節ごとの見どころをまとめたシーズナリティ、ダイビングポイント紹介まで、海の情報満載でお届け!
目次
鵜来島の概要
鵜来島は高知県の最西端、宿毛市(すくもし)の沖合23kmに位置する周囲わずか6kmの小さな島で、足摺宇和海(あしずりうわかい)国立公園の一部です。
車道がなく、あるのは数件の民宿と小さな売店だけという、のんびりとした島です。
島にはほとんど平地がないため、住民は海辺の斜面に石垣や石段を築いて生活を営んでいます。その石段、石垣とともにある暮らしは、隣接する沖の島と共に、国土交通省が公募した「島の宝100景」に選定されました。
黒潮の影響を大きく受ける鵜来島の海は「釣り人の聖地」と呼ばれ、大物の回遊魚を狙い多くの釣り人が訪れます。
鵜来島ダイビング基本情報
透明度は1年を通して平均で20mととても高く、他のダイビングスポットではなかなか見ることができない生物を多数観察できることが、鵜来島のダイビングの特徴です。
日本でも有数の黒潮の影響を受けるダイビングスポットで、カンパチ、ブリを始めとする大型の回遊魚や、ピグミーシーホース、サクラコシオリエビ(ピンクスクワットロブスター)など数え切れない程の小さな生物が生息しており、まさに楽園のような島と言っても過言ではありません。
激レア生物との出会いも期待できます。
また、鵜来島周辺はウミガメの生息地となっており、その数の多さは、ダイビング中はもちろん、シュノーケリング中や港の水面からも見ることができるほどです。
ダイビングのシーズナリティ
鵜来島の海の魅力を春夏秋冬に分けて、ご紹介します。
春の鵜来島
鵜来島で多種多様な生物を観察するには一番のシーズンです。
非常に珍しい深海魚、アカグツが毎年同じダイビングポイントで確認されているのは世界でも鵜来島だけ。なんと2個体並んでいる姿が観察されたこともあるそうです。
さらに、2021年5月には世界でも4例目と非常に珍しい、ミノアンコウの幼魚が確認されました。
夏の鵜来島
暖かい黒潮の恩恵を受け、活き活きとしたサンゴ礁が広がる鵜来島。
夏は、サンゴの大産卵が行われ、迫力満点の光景を見ることができます。生物の求愛行動や、ハッチアウトを観察するのも楽しい時期です。
秋の鵜来島
一年を通して透明度がとても高い鵜来島ですが、中でも秋のシーズンは50m先まで見えることもあるほど。
真っ青な海を優雅に泳ぐウミガメや、お花畑のようなソフトコーラルの群生、ダイナミックに泳ぐ魚の群れ。見る者を魅了する、美しい光景が広がります。
スズメダイや、カエルウオの幼魚が観察できるのもこの時期ならではです。
冬の鵜来島
一般的には観察できる生物が減ってしまいがちな冬でも、鵜来島では多様な生物を観察することができます。
ボロカサゴやモリシタダテハゼを始め、サクラコシオリエビ、キンチャクガニ、コガラシエビ、ヒメサンゴエビ、ワライヤドリエビなどの甲殻類も季節問わずに見ることが出来るできるのはうれしいポイント。
人の少ないシーズンだからこそ、ゆっくりと観察することができます。
ダイビングポイント紹介
鵜来島の代表的なダイビングポイントを3つご紹介します。
親指
鵜来島で一番の人気を誇るダイビングポイント、親指。
ネジリンボウやホタテツノハゼをはじめとするバラエティ豊かなハゼ類を観察することができます。
中でも、国内では伊豆大島と小笠原諸島の深場でしか見ることのできないと言われるモリシタダテハゼが、探さずともあちらこちらに生息しているのは驚きです。
ムラサキゼブラヤドカリ、フルセゼブラヤドカリ、アナモリチュウコシオリエビ、ウェルコイア・インテルゥプタなどの甲殻類が観察されています。中でも、特に個体数が多いのは、ムラサキゼブラヤドカリやアナモリチュウコシオリエビ。
コールマンシュリンプも発見されています。
また、アカグツやボロカサゴが出るのもこの親指。
潜る度に様々な生物を観察でき、飽きることのないダイビングポイントです。
【エントリー・スタイル】ボート(港から約10分。エントリー時はブイを取る。またはアンカーを打つ)
【最大水深】40m
【流れが出た場合】コース取りに影響を与える流れが発生することがある
【ナイトダイビング】×
エントランス
港を出てすぐの「エントランス(入口)」は、穏やかな海況で潜れます。
ゆったり癒しのひととき……と思いきや、次々と姿を現すエビ・カニたちに興奮が止まらない(!?)、ダイビングポイントです。
ダイバーに人気のフリソデエビやキンチャクガニをはじめ、オラウータンクラブ、オトヒメエビなど小さくて可愛らしい甲殻類が多数確認できる、フォトダイバーも大満足なダイビングポイントです。
【エントリー・スタイル】ボート(港から約2分。エントリー時はブイを取る。またはアンカーを打つ)
【最大水深】28m
【流れが出た場合】流れが出ることはほとんど無い
【ナイトダイビング】×
ミウランド
鵜来島でも屈指の深場が面白いダイビングポイントで、深場ではアケボノハゼやスジクロユリハゼを観察できます。
深場だけではなく浅場も見どころたっぷり。カエルアンコウの仲間やナンヨウハギの赤ちゃん、イトヒキアジ、フリソデエビなど、たくさんの小さな生物が生息しています。モンハナシャコの抱卵も観察できます。
しかも、深場のハゼ以外は、安全停止をしながら観察できるナイスなダイビングポイントです。
【エントリー・スタイル】ボート(エントリー時はブイを取る。またはアンカーを打つ)(5分)
【最大水深】40m
【流れが出た場合】流れてもコース取りに影響を与えない程度
【ナイトダイビング】×
鵜来島へのアクセス情報
鵜来島へは、高知県宿毛市にある片島港から定期船で渡ります。
電車・車での片島港までのアクセスと片島港から鵜来島までのアクセスをご紹介します。
電車(片島港まで)でのアクセス:
土佐くろしお鉄道中村線宿毛駅から片島港まで車で約5〜10分。
車(片島港まで)でのアクセス:
高知市内から片島港までの所要時間は、約2時間30分です。
宿毛和田ICから国道56号を西へ進み、約1時間20分で片島港に到着します。
片島港には駐車場が20台あります。
片島港から鵜来島への船のアクセス:
片島港から鵜来島へは、宿毛市営定期船定期船の沖の島航路で約50~90分です。
定期船は1日に2便あり、午前発着となる第1便は、往路(鵜来島行き)は直行便で約50分。復路(片島港行き)は、沖ノ島の弘瀬港と母島港を経由するため約90分。
また、午後発着の第2便は、往路(鵜来島行き)は沖ノ島の弘瀬港と母島港を経由するため約90分。復路(片島港行き)は、直行便で約50分となります。
鵜来島の観光情報
シュノーケリング、釣りなどのマリンレジャーを楽しむことが出来ます。
ランチは基本的にお弁当です。
何もない島だからこそ、何もない時間を過ごす贅沢を味わってみてはいかがでしょうか。
のどかな自然に囲まれて、日常離れした一時を過ごしてみてくださいね。
情報・写真提供:ダイビングスクールKANAU(https://www.kanau-diving.co.jp/)
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