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岩のダイビングスポット情報

海について

日帰りで気軽にGO!
ダンゴウオやハナタツなどのダイバーに人気の生物が生息し、魚礁にたくさんの魚が群れるダイビングスポット・岩(いわ)。

そんな岩のダイビングスポット情報をその魅力とともにご紹介します。

ダイビングの基本情報から、季節ごとの見どころをまとめたシーズナリティ、ダイビングポイント紹介まで、海の情報満載でお届け!

岩の概要

岩は神奈川県真鶴町にあるダイビングスポット。
岩漁港をまたぐ真鶴道路の岩大橋がシンボルです。

真鶴町は首都圏から電車で約1時間半とアクセス至便で、日帰りで早めに帰宅したいという方でも気軽に海を満喫できます。

真鶴町を走る真鶴道路は別名「真鶴ブルーライン」。
青く輝く大海原を横目にドライブしながら、海を陸から楽しめる絶景道路です。

夏から秋にかけては黒潮が運んでくる季節来遊魚が多く見られ、魚の数も多いことからダイビングのほかにも釣りや磯遊びなど海のレジャーが人気のエリアです。

季節来遊魚:分布地域を離れて流れつく魚のうち、季節性のあるもの。たどり着いた先では、成魚になれず繁殖もできないものをいいます。以前は、死滅回遊魚と呼ばれていたこともあります。

岩ダイビング基本情報

岩のダイビングポイントはビーチが1つ、ボートが4つの計5つです。

ビーチポイントは潮の流れの影響を受けにくく波は比較的穏やか。
エントリー時にはスロープがあるので初心者でも安心して潜ることができます。
ダイバーに人気のハナタツやダンゴウオ、少し沖に進んだ岩場と砂地の境目では季節によりさまざまな魚の群れを観察できベテランダイバーでも十分楽しめます。

ボートポイントは、魚礁に魚が群れるトライアングル、深場も楽しめる小田原、巨大なドロップオフが迫る化け根、そして、期間限定の鉄骨番長とその魅力は様々。

4つのボートポイントはいずれも港から船で5分ほどで到着します。
船酔いする前に到着するので、存分にダイビングを楽しめるのも魅力のひとつですね。

ダイビングのシーズナリティ

岩の海の魅力を春夏秋冬に分けて、ご紹介します。

春の岩

ダンゴウオ
ダンゴウオ

春は、ダイバーに人気のダンゴウオの幼魚が見られるシーズンです。
頭にある天使の輪の様な模様から「天使」の愛称で親しまれ、オレンジ色の魚体はまるで宝石のよう。
4〜5月くらいまで成長過程をみることができます。

また、アオリイカは1年を通して観察できますが、5月から8月の産卵シーンが見どころです。

春濁りの時期ではありますが、他の季節とは異なる緑色の水中景観を“岩グリーン”と称して好む隠れファンもいるのだとか。

キャロットシードミノウミウシ

夏の岩

夏は、魚の群れに注目!
カンパチやイワシ、タカベの群れに巻かれたり、キラキラと輝く美しい体色のネンブツダイの群れに突入したり、ダイナミックな楽しみ方をすることができる季節です。

特筆すべきは、ネンブツダイの群れの密度。
ネンブツダイは関東から伊豆にかけてお馴染みの魚ですが、岩のネンブツダイの群れは、圧巻の魚の量を誇ります。

秋の岩

秋は1年で最も水温が高くなる季節です。
黒潮に乗ってたくさんの季節来遊魚が岩の海でも観察でき、レアな魚との遭遇率がグンと上がります。

ミツボシクロスズメダイやクマノミなど常連の季節来遊魚から、ニシキフウライウオやマダラタルミの幼魚、ホホスジタルミの幼魚、そして、レアなアカボシハナゴイの幼魚など、近年、これまではあまり観察できなかった生物が増加傾向にあり、水中を華やかにしてくれています。

また、魚の数が非常に多い季節なだけに、小魚を目当てに訪れるブリやカンパチなどの回遊魚も観察できます。

冬の岩

冬は水温が徐々に下がっていきますが、1年の間でもっとも透明度が高い季節の到来です。
鮮やかなソフトコーラルが、クリアな水に華を添えます。

岩を代表するボートポイント・トライアングルには、様々な種類のウミウシが出現し、レアなウミウシが観察されることも。

12月頃になると冷たい海を好むダンゴウオの親が出現しはじめます。
産卵後、岩陰で卵を守っているために姿が見えない時期がありますが、巣穴を特定さえできれば卵を守っているダンゴウオを観察することができます。

透明度:水平方向にどれだけ見通すことが出来るかは、正しくは透視度と言いますが、一般的に使用される、透明度に統一しています。

ダイビングポイント紹介

岩の代表的なダイビングポイントを3つご紹介します。

トライアングル

トライアングルは岩を代表するダイビングポイント。
岩大橋を作った際の大きな鉄骨が、約50m間隔で魚礁として沈んでいます。

砂地に立つ鉄骨は、ソフトコーラルで彩られており、たくさんの魚が常に集まっています。

漁礁:ブロックや廃船など魚が集まる人工物

魚の量が増える秋には、小魚を狙って回遊魚が姿を現すことも。

冬から春にかけてはウミウシの宝庫。
多くの種類を観察でき、毎年レアなウミウシの出現も確認されています。

ソフトコーラル:サンゴの仲間の中で柔らかい骨格を持つもの。ヤギやトサカ、イソバナなど。

【エントリー・スタイル】ボート(港から約5分。エントリー時はブイを取る。またはアンカーを打つ)
【最大水深】23m
【流れが出た場合】流れてもコース取りに影響を与えない程度
【ナイトダイビング】×

岩、トライアングルのオープン確率

小田原

小田原は、定置網の近くに位置するダイビングポイントです。
水深30m付近から水深7m付近に立ち上がる、横に広い根の周囲を潜ります。

根:岩礁や岩など、水底から大きく隆起した場所のこと

夏前には数えきれないほどのスズメダイが群れをなし、夏〜秋には、クマノミやミツボシクロスズメダイなどがかわいい姿を見せてくれます。

根からゴロタを降りていくと水深30mに達し、砂地が広がります。
ハクセンアカホシカクレエビやスジハナダイなどの深場で観察される生物に出会えるため、上級者にもおすすめのポイントです。

ゴロタ:大きめの岩や石のこと。ビーチの砂利止めなどに利用されることも多い。

【エントリー・スタイル】ボート(エントリー時はブイを取る。またはアンカーを打つ)(5分)
【最大水深】32m
【流れが出た場合】2:流れてもコース取りに影響を与えない程度
【ナイトダイビング】×

岩、小田原のオープン確率

ビーチ

エントリー口付近は岩場続きですが、スロープがあるためエントリーしやすいダイビングポイントです。
岩場を抜け、少し沖に出ると砂地が広がります。

岩場と砂地の境では、季節ごとに様々な魚の群れを観察することができます。

相模原湾の中でさらに小さな湾になっているため、潮の流れの影響を受けにくく波は比較的穏やか。
最大水深は13mと比較的浅めのダイビングポイントで、講習で使われることも多く、初心者でも安心して入れます。

ダイバーに人気のハナタツは1年を通してで観察でき、冬になるとダンゴウオの成魚が出現しはじめます。

春になると通称「天使の輪」を持つダンゴウオの幼魚にも会えますよ!

【エントリー・スタイル】ビーチ(セッティングエリアから徒歩約1分。エントリー場所はスロープ)
【最大水深】13m
【流れが出た場合】流れが出ることはほとんど無い
【ナイトダイビング】×

岩、ビーチのオープン確率

その他のダイビングポイント

化け根、鉄骨番長(1〜8月までの期間限定)

岩へのアクセス情報

車でのアクセス:
西湘バイパス早川ICより、車で約15分

電車でのアクセス:
JR真鶴駅で下車し、駅から車で約5分、徒歩で約20分

岩の観光情報

アフターダイブには、真鶴駅前にある真鶴ピザ食堂KENNY(ケニー)へ。
オーソドックスなマルゲリータはもちろん、アジの干物やうずわ(宗田鰹の干物のペースト)、しらすなど、地元の食材を用いたピザもラインナップ。
手ごねで作られるピザ生地は、食感がいいと評判です。

また、岩から湯河原方面へ車で約15分ほどのlunch itta(ランチ イッタ)まで足を伸ばすのもおすすめ。
炙りチャーシューや塩カルビ、キャベツ、もやしのナムル、温玉が乗った名物丼は、ぜひ味わっていただきたい一品です。

また、2021年、真鶴に新たな名物が生まれました。
完全外洋養殖で育てられる岩ガキ、鶴宝(かくほう)です。
6年の養殖試験を経て誕生した新ブランドで、2021年5月20日に本格出荷を迎えました。

真鶴町内の飲食店で仕入れられている他、商店でも購入可。
ダイビングサービスやダイビングショップで取り扱っていることもあります。
現状では、5月下旬〜7月中旬の出荷予定です。
初夏に真鶴を訪れる際には、ぜひ問い合わせてみましょう。

情報・写真提供:だいびんぐしょっぷ海家(https://www.umiya.info/

ScubaMonsters編集部

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