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金武のダイビングスポット情報

海について

じっくりと生物を観察するにはうってつけ。
魅惑のウミウシ&ハゼスポット!

そんな金武(きん)のダイビングスポット情報をその魅力とともにご紹介します。

ダイビングの基本情報から、季節ごとの見どころをまとめたシーズナリティ、ダイビングポイント紹介まで、海の情報満載でお届け!

金武の概要

沖縄県那覇市から車で約1時間、東海岸に位置する金武町。
太平洋に向けて開いた金武湾の北西部にある、レッドビーチがダイビングエリアとなっています。

レッドビーチは、金武漁港と米軍桟橋に挟まれた小さなビーチ。
湾内にダイビングスポットがあるため、外洋の波や天候の影響を受けづらいのも特徴です。

また、冬こそレッドビーチが一番面白い時期。
冬の北風の影響を受けやすくクローズとなりやすいダイビングポイントが多い沖縄本島にあって、冬でものんびりとダイビングを楽しむことができます。

金武は多くの湧水地を抱える水資源豊富な町として古くから知られており、近年でも金武大川から湧き出る水は長寿の泉として親しまれています。
また、その豊富な水資源の恩恵を受け、沖縄では珍しく米の栽培が盛んに行われています。
その他の農業も盛んな地域でもあり、さとうきび、田芋、紅茶などの名産品があります。

金武ダイビング基本情報

金武湾は全体が遠浅の海で、最深部でも水深30m前後です。

レッドビーチは水深3mにサンゴ、5m以深では砂地、それ以降深く行けば行くほど砂地が泥化していき、泥地を住処とする生物を観察することができます。
米軍の輸送船が荷物の積み下ろし用に作った桟橋付近のみ、水深15mほどと水深が深くなっています。

また、米軍が貨物船係留用に作った浮きポットの下は柱が何本も設けられた造りになっており、その柱についたソフトコーラルや海綿、ホヤなどを餌または住処とする多種多様な小さな生物が生息しています。

尚、沖縄のビーチポイントにはシャワーや更衣室などがあるダイバー向け施設は無い場合が多いですが、レッドビーチには有料のダイバー向け施設があります。

ダイビングのシーズナリティ

金武の海の魅力を春夏秋冬に分けて、ご紹介します。

春の金武

春の金武は、海藻が生い茂げりはじめる時期で、そこを隠れ家とする生物を楽しむことができます。

カミソリウオ

キイボキヌハダウミウシやハナビラミノウミウシなど、冬に引き続き多様なウミウシを楽しむことができるので、ウミウシが好きなダイバーには堪らないシーズンです。

冬のクリアな水を継続していることが多く、比較的透明度の高いレッドビーチを潜ることができます。

夏の金武

沖縄本島の夏は、東風または南風になることが多く、レッドビーチはこの向きの風に弱いため波が立つことが多くなります。
また、台風が太平洋上にある場合、遠方からのうねりがビーチに押し寄せることも多く、タイミングが合わないとなかなか潜ることが難しくなります。

波とうねりの影響から水中の砂泥が巻き上がり、透明度が高い時でも5mほど。
沖縄らしい海をイメージされている方からは敬遠されがちですが、ダイビングができた時は快適な水温の中で、カスリハゼやイトヒキハゼ属の一種などの泥地を好むハゼを観察することができます。
水温が高さから警戒心が薄れたハゼと十二分に遊ぶことができます。

カスリハゼ(金武・レッドビーチ )
カスリハゼ

秋の金武

台風のリスクが引き続き大きい時期のため海況をよく確認することは必須となります。

ハゼ類の警戒心はまだ薄く、ハゼダイブを堪能することができます。

ウミウシは少なめで、ハゼをはじめ、ムチヤギカクレカニダマシやキミシグレカクレエビなどの甲殻類をメインに楽しむことが多くなるシーズンです。

冬の金武

金武ダイビングのシーズンが到来です!

北風の日が増えてくると、レッドビーチの透明度がアップしてきます。
ただし、水温の低下とともに泥ハゼの警戒心が上がるため、ハゼ狙いのダイビングは避けたほうがいいでしょう。

徐々に姿が増えてくるウミウシと、甲殻類を楽しむことができます。
冬場の海況は安定して、北風であれば高確率で穏やかなダイビングを楽しめます。

不規則で米軍の貨物船が入港するため、その場合は桟橋付近での潜水が不可となるので注意が必要です。

ダイビングポイント紹介

金武の代表的なダイビングポイントを3つご紹介します。

レッドビーチ鉄塔付近

沖に貨物船係留用の鉄塔が3つあり、その周辺を潜ります。柱にはソフトコーラル、海綿、ホヤが多く生息し、多様なウミウシと甲殻類も観察できます。

鉄塔が大きな目標物となるため、透明度が低い時も仲間とはぐれづらく安全に潜ることができるダイビングポイントです。

【エントリー・スタイル】ビーチ(セッティング場所からすぐ。エントリー場所は砂)
【最大水深】14m
【流れが出た場合】流れが出ることはほとんど無い
【ナイトダイビング】○

金武、レッドビーチのオープン確率

レッドビーチ泥ハゼエリア

イトヒキハゼ属の一種(金武・レッドビーチ )
イトヒキハゼ属の一種

金武漁港と米軍桟橋の間の海底は多くが泥地になっており、たくさんの泥地を好むハゼの住処となっています。

目立つ目標物がないため迷わない様に注意が必要ですが、水深が浅いため、迷った場合は水面に容易に浮上することができます。

どこからでも陸地が視認でき、ビーチに戻ることも容易いダイビングポイントです。

【エントリー・スタイル】ビーチ(セッティング場所からすぐ。エントリー場所は砂)
【最大水深】10m
【流れが出た場合】流れが出ることはほとんど無い
【ナイトダイビング】○ 

金武、レッドビーチのオープン確率

レッドビーチ施設前

米軍桟橋に貨物船が入港している際はその近辺での潜水は禁止されるため、このダイビングポイントのみ潜水が可能となります。

浅場はサンゴ、岩場、砂泥地で構成されており、生物はやや少なめです。

波消しブロック付近は釣り人が居ることも多いため、基本的には近付かない様にし、近付く場合には釣り糸に注意しましょう。


【エントリー・スタイル】ビーチ(セッティング場所からすぐ。エントリー場所は砂)
【最大水深】6m
【流れが出た場合】流れが出ることはほとんど無い
【ナイトダイビング】○

金武、レッドビーチのオープン確率

金武へのアクセス情報

沖縄自動車道の金武ICが最寄りのインターチェンジです。

金武ICからは国道329号線を東に進み、金武バイパスに入り、所要時間は約5分です。

尚、那覇ICからは約50分で到着します。
10〜15台停められる無料駐車場があります。

金武の観光情報

米軍基地が半分を占める金武町は、独特の異国情緒が感じられる街です。
特に、米軍基地の目の前の街・新開地には、レトロでアメリカンな雰囲気が漂っており、フォトスポットとしても有名です。
夜には歓楽街に人々が集い、観光地然とした沖縄とは一味違ったディープな夜が楽しめます。

沖縄の定番料理として有名なタコライスは、ここ新開地で生まれたB級グルメとされています。
中でも、タコライス発祥の店の味を受け継ぐとされるキングタコスが有名で、キングタコス本店はダイビングスポットから車で約5分程度の場所にあります。
本場のタコライスをぜひ堪能してみてくださいね。

情報・写真提供:スピッツダイブセンター(https://spitz-diving.com/

ScubaMonsters編集部

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