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九十九島のダイビングスポット情報

海について

美しい島々が集まる九十九島(くじゅうくしま)は、長崎県に位置する多島海です。
20以上のダイビングポイントがあり、大きなマダイやマダラトビエイ、カンパチなどが泳ぎ回るダイナミックな光景から、サンゴの周りをカラフルな魚が乱舞する癒しの光景まで、魅力満載の海です。

そんな九十九島のダイビングスポット情報をその魅力とともにご紹介します。

ダイビングの基本情報から、季節ごとの見どころをまとめたシーズナリティ、ダイビングポイント紹介まで、海の情報満載でお届け!

九十九島の概要

九十九島は長崎県の西側、佐世保湾から平戸までの約25kmの海域にある群島です。
九州最西端に広がる島々は複雑に入り組んだリアス海岸が特徴で、1955年にほぼ全域が西海国立公園に指定された、長崎県を代表する景勝地です。

九十九とは「数えきれないほどたくさん」という意味があり、有人島の黒島、高島、前島、鼕泊(とうどまり)島の4島を含む208の島々が点在し、島の密集度は日本一を誇ります。

海岸線の80%以上が自然海岸のまま保全されている九十九島。
青い海に緑豊かな島々浮かび、「九十九島八景」と呼ばれる佐世保市内にある8カ所の展望台からは、季節や時間ごとで刻々と変わる絶景を臨むことができます。

また、その絶景は遊覧船やヨットセーリング、シーカヤックなどでも楽しむことができ、大人も子供も楽しめる観光スポットとしても注目を集めています。

九十九島ダイビング基本情報

ヒラマサ
ヒラマサ

208通りの風が生まれる多島海の九十九島は、何度潜る度に新鮮な感動をくれるバラエティー豊かな海です。
九十九島には20を超えるダイビングポイントがあり、深い緑と大地の栄養がたっぷり蓄えられた海では、多様な生き物たちが生息しています。

穏やかな入江は”海のゆりかご”にも例えられ、コウイカやアオリイカなどイカの仲間をはじめ、沢山の生物たちが生まれ、育っていきます。

入江で見られる小さな生き物の他にも、カンパチやヒラマサ、マダラトビエイなどが泳ぐ迫力のある光景や、ダイバー憧れのウミガメに出会うチャンスも!
癒し・浮遊感・ドラマチック・ダイナミック・エキサイティングなど、さまざまな魅力が九十九島の海には詰まっています。

ダイビングのシーズナリティ

四季折々、一年を通してさまざまな表情を見せる九十九島の海の魅力を、春夏秋冬に分けてご紹介します。

春の九十九島

ミズタマウミウシ

海藻が茂り、水中がジャングルのようになるこの時期は、生き物の繫殖期でもあります。
婚姻色をしたチャガラやヒメギンポの姿を見ることができたり、産まれたばかりの可愛らしい稚魚に出逢えるとても魅力的な世界が広がります。

また、九十九島はウミウシの宝庫。
今まで観察された数は100種類以上、毎年新たな種類が見つかっています。

ミズタマウミウシ等のドーリス系や、エムラミノウミウシ等のミノウミウシ系などなど、1回のダイビングで30種類以上見られることも!

夏の九十九島

マダラトビエイ
マダラトビエイ

春に産まれた稚魚が大きくなり、活発になる季節です。
太陽の光を浴びてキラキラ光るキビナゴの群れがダイバーの周りを泳ぎ、カンパチやヒラマサの若魚がその群れにアタックする光景は迫力満点です。

ヒラマサ
ヒラマサ

また、夏の終わりにかけてハタタテダイやツバメウオ、マダラトビエイなどの季節来遊魚たちがやってきます。

この時期は透明度も水温も上がり、ダイビングだけでなくスノーケリングでも九十九島の海を楽しむことができます。

秋の九十九島

キンメモドキ
キンメモドキ

九十九島の中で一番魚が増え、水中が賑やかになるシーズンです。
年中見られるスズメダイの群れも数が増え、カタクチイワシやマアジの群れはまるで壁のように大きく広がります。

また、夏に続きハタタテダイやツバメウオ等の季節来遊魚も多く姿を見せます。

目線を下げムチカラマツをよく観察すると、キミシグレカクレエビやイボイソバナガニ、岩陰には赤と白の縞模様が特徴的なオトヒメエビなど、甲殻類にも多数出会うことができます。

冬の九十九島

ホウボウの幼魚
ホウボウの幼魚

透明度が安定して高くなるこのシーズンは、エントリーした瞬間から蒼い世界に包まれ、夏とはまた違った幻想的な水中散策を楽しむことができます。

砂地ではまだ小さいホウボウの幼魚を見つけることができ、さらに岩礁を観察するとカラフルなウミウシが増え始め、まるで宝探しをしているかのよう。

他にも一面に広がるアワサンゴの群生を観察・撮影に没頭するなど、ゆっくり&じっくりとダイビングを楽しみたいダイバーには最適なシーズンです。

ダイビングポイント紹介

九十九島のダイビングポイントは20カ所以上もあり、ポイントごとにさまざまな見どころがあります。

そんな九十九島の代表的なダイビングポイントを3つご紹介します。

瀧瀬

マダイ
マダイ

九十九島の中で一番北側にある人気のダイビングポイント。
80cmオーバーのマダイが20匹以上泳いでいることがあり、ダイバーに興味津々で近づいてくることもしばしばです。

ミナミハコフグ
ミナミハコフグ

また岩肌には一面を覆うキサンゴに、様々なウミウシや貝なども見ることができます。

岩の間を探せばミナミハコフグの幼魚が隠れていることも。
ダイバーが通れる穴もあり、生き物だけでなく地形も楽しめるダイビングポイントです。

【エントリー・スタイル】ボート(エントリー時はブイを取る。またはアンカーを打つ。港から約20分)
【最大水深】15m
【流れが出た場合】流れが出ることはほとんど無い
【ナイトダイビング】×

九十九島、瀧瀬のオープン確率

オオビキ島

キンギョハンダイ
キンギョハンダイ

遠征エリアにあるダイビングポイント。
ウミガメやサメ、大型のエイなどが現れるダイナミックな光景が広がります。

ドロップオフのような大きな瀬の上にはサンゴが一面に広がり、側面を探すとカラフルなウミウシをたくさん見つけることができます。
さらに砂地まで降りていくと、一面にエダサンゴの群生が広がり、その上をアカオビハナダイやキンギョハンダイなど、カラフルな魚たちが集まります。

大きな生き物に出会えるエキサイティングなダイビングから、小さな生き物をゆっくり観察する癒しのダイビングまで、オオビキ島でのダイビングは魅力満点です。

【エントリー・スタイル】ボート(エントリー時はブイを取る。またはアンカーを打つ。港から約60分)
【最大水深】35m
【流れが出た場合】コース取りに影響を与える流れが発生することがある
【ナイトダイビング】×

九十九島、オオビキ島のオープン確率

カブト

ツバメウオ
ツバメウオ

水中山脈のような地形のカブトは、年間通して魚が多く集まるダイビングポイントです。
山脈の様な岩礁の上にはスズメダイの群れが広がり、下に降りていくとキビナゴの群れやそれを狙うカンパチ、ツバメウオや砂地にはヒラメなど、季節ごとに変わった景色を見せてくれます。

エムラミノウミウシ
エムラミノウミウシ

もちろん魚だけではなく、砂地から伸びるムチカラマツにはイボイソバナガニなどの甲殻類も多く棲みつき、冬から春にはミズタマウミウシ、エムラミノウミウシなどウミウシ好きには最高の景色を見せてくれます。

【エントリー・スタイル】ボート(エントリー時はブイを取る。またはアンカーを打つ。港から約15分)
【最大水深】27m
【流れが出た場合】流れてもコース取りに影響を与えない程度
【ナイトダイビング】×

九十九島、カブトのオープン確率

その他のダイビングポイント

枕島、国崎漁礁、キャンプ場前、白浜、カブト湾、カブト南、瀧瀬南、オジカ瀬、餅米瀬、 伏瀬、シングルロック、ツインロック、コーラルガーデン、オオビキ中央、防波堤、大瀬、 大瀬北、沖の瀬、灯台下

九十九島へのアクセス情報

九十九島の玄関口は「九十九島パールシーリゾート」です。

車でのアクセス:
最寄りのインターチェンジは西九州自動車道佐世保中央です。
インターチェンジからは出口の信号を右折、平瀬町交差点(米軍基地入口)を右折、SSKバイパスを直進、バス停「第4ドック前」通過後、はじめの信号を右斜め下に進み、トンネルを抜けて信号左折。
約20分ほどで九十九島パールシーリゾートに到着します。

電車でのアクセス:
最寄りの駅はJR佐世保駅です。
佐世保駅からは、佐世保駅前バス停6番乗り場より路線バスの「パールシーリゾート・九十九島水族館」行きに乗車し、約25分ほどで九十九島パールシーリゾートに到着します。

九十九島の観光情報

九十九島を楽しむなら遊覧船でのクルーズがおすすめです。
海の女王をイメージした九十九島遊覧船パールクィーン、遊覧船としては日本初の電気推進船の九十九島海賊遊覧船みらいでは、それぞれ50分の絶景クルーズを楽しむことができます。
さらに九十九島リラクルーズでは船長のガイドを聞きながら、大型遊覧船では通れないコースで、島を間近に感じるクルーズを体験できます。
2021年に開始されたヨットセーリングでは、日没の時間にあわせたサンセットクルーズや、ランチやディナー付きの特別プランも開催されています。

▶︎九十九島遊覧船(https://99cruising.jp/

九十九島で一番大きい有人島である黒島は、「かくれキリシタンの島」と呼ばれるカトリックの島です。
江戸時代には迫害から逃れるために多くのキリシタンが黒島に渡ってきました。
そんな黒島は2018年に「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として世界遺産に登録され、今でも島に渡れば黒島天主堂やカトリック共同墓地などその歴史を感じることができます。
黒島へは相浦港からフェリーで約50分で渡ることが可能です。

▶︎黒島観光協会(https://kuroshimakanko.com/

九十九島の玄関口、九十九島パールシーリゾート近くにあるおすすめのグルメスポットをご紹介します。

長崎ではトビウオのことを「あご」と呼び、トビウオで出汁をとったあごだしラーメンが古くから親しまれてきました。
九十九島パールシーリゾートにあるあごら〜めん本舗ではそんなあごだしラーメンをいただくことができます。
▶︎あごら〜めん本舗(https://pearlsea.jp/tenant/tenant_39/

佐世保の代表的な食事として佐世保バーガーを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
佐世保バーガーは2007年に認定制度が始まり、現在では佐世保市内に25店舗前後の認定店が存在します。
そんな認定店の中でも九十九島パールシーリゾートに近いベルビーチのバーガーは絶品。
ふかふかのバンズにたっぷりの新鮮野菜、そして手作りのパティ。そこにオリジナルの甘いマヨネーズソースがマッチした食べ応えのある佐世保バーガーを味わうことができます。
▶︎ベルビーチ(https://bellbeach.masueimaru.jp/

情報・写真提供:ダイブハウスわんだーらんど(http://d-wonder.com/

ScubaMonsters編集部

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