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錦江湾のダイビングスポット情報

海について

鹿児島県のシンボル・桜島を抱く錦江湾(きんこうわん)。
その特異な錦江湾のダイビングスポット情報をその魅力とともにご紹介します。

ダイビングの基本情報から、季節ごとの見どころをまとめたシーズナリティ、ダイビングポイント紹介まで、海の情報満載でお届け!

錦江湾の概要

107年前の大正噴火により海へ流れ込んだ溶岩と桜島

錦江湾は、鹿児島県にある鹿児島湾の別称で、薩摩半島と大隅半島に挟まれた、南北約80㎞、東西約20㎞の細長い湾です。
そして、大隈半島とつながる形で、中央部に活火山・桜島が鎮座し、桜島の北となる湾の奥には、2万9千年前の大噴火によりできた姶良(あいら)カルデラがあります。
この独特の地形は、火山活動によって形作られました。

桜島は、今も活発に噴火を続けており、時折火山灰が降り注ぐこともあります。
しかし、桜島の麓には約5000人、また、鹿児島市には人口60万人もの人が暮らしており、活火山と人々が共存する非常に珍しい場所です。

錦江湾ダイビング基本情報

錦江湾の最深部は、水深237mの深海です。
活火山・桜島を有した内湾であり、かつ、深海まで持つ海は、世界的に見ても稀有な環境です。

その水中は、ゴツゴツとした溶岩が広がるエリアや火山灰が沈殿したエリアがあったり、季節によって夏は緑、冬は青へと水の色が変わったりと、どこをとっても個性的
夏場に強く出る独特の緑色は錦江湾グリーンとも言われ、植物性プランクトンが多く、栄養分で満ちている証として、親しまれています。

この濃密な環境下で、数々の生物が観察できます。
中でも、特徴的なのが、ここ錦江湾に生息し、サクランボウという愛称で呼ばれているネジリンボウ
一般的なネジリンボウよりもサイズが少し大きく、体色が赤みを帯びています。

通称サクランボウ(ネジリンボウ)

また、アカオビハナダイの個体数の多さも特筆すべき点です。
他のダイビングスポットの追随を許さぬほどの華やかさを誇ります。

アカオビハナダイとイサキの群れ

ミドリイシの仲間やシコロサンゴの仲間などの浅瀬に広がるサンゴに、多種の魚が群れる光景も魅力です。

ダイビングのシーズナリティ

錦江湾の海の魅力を春夏秋冬に分けて、ご紹介します。

春の錦江湾

ヒメイカの交接

海藻が一面に繁茂し、生き物たちの繁殖活動が観察されはじめます。
ヒメイカの交接やドロメのハッチアウト、カワハギの闘争などが観察でき、海の生命力を感じさせる季節です。

日照時間が伸び、気温が上がってくると、プランクトンが増え始め、錦江湾独特のグリーンが際立ってきます。

夏の錦江湾

海水温の上昇とともに生物の繁殖行動がピークを迎えます。

初夏には、クモハゼの卵を保護する様子が観察できたり、様々な海藻の遊走子(ゆうそうし)が溜まる遊走子溜まりも見られたりと、この季節ならではの魅力は尽きません。

遊走子:無性生殖を行う胞子の一周で、鞭毛により水中を運動するもののこと

梅雨が開けると、川からの水の流入や、プランクトンの発生が起こり、緑色が濃くなります。
観察できる生物の種類は少ないですが、晩夏にはタコクラゲが爆発的に増え、繁栄します。

秋の錦江湾

一年を通して観察できる愛称・サクランボウ(ネジリンボウ)ですが、秋には幼魚から成魚まで様々な成長段階の個体がそこかしこに。
婚姻色のクサハゼや秋に集まるイッテンアカタチも観察できます。

海藻が芽生えはじめ、夏の名残と冬への移ろいが感じられる贅沢なシーズンです。

冬の錦江湾

海藻とカンパチ

冬ならではと言えるのが、何もなかった砂地に現れるカンザシボヤの群生です。
このカンザシボヤの周りでは、マトウダイの幼魚がかわいらしい姿が見られたり、小型のコウイカの仲間がカンザシボヤに隠れるオキアミを捕食しに訪れたりと様々な生物を観察できます。

透明度の上昇とともに、緑色だった錦江湾の水の色は、青い色へと変わっていきます。
はじめて訪れる方には、おすすめの季節です。

ダイビングポイント紹介

錦江湾の代表的なダイビングポイントを3つご紹介します。

沖小島

ムチカラマツの群生

桜島のすぐ目の前に浮かぶ無人島・沖小島を潜ります。

近くとはいえ、活火山である桜島周辺とは少し異なり、貝殻を砕いたようなザクザクとした感触の底質をしています。
さらに下には火山灰が堆積し、ハゼ類が巣穴を形成するのに適した環境です。

ムチカラマツの群生がある、独特の景観は必見。
ワイドからマクロまでじっくりと楽しみたいダイバーにおすすめです。

【エントリー・スタイル】ボート(港から約30分。エントリー時はブイを取る。またはアンカーを打つ)
【最大水深】40m
【流れが出た場合】コース取りに影響を与える流れが発生することがある
【ナイトダイビング】×

第5避難港

桜島には、20ヵ所ほど避難港があり、それぞれに多種多様な環境が広がっています。

季節に応じて旬の港よりエントリーしてダイビングを楽しめますが、オールシーズンおすすめなのが、第5避難港。
火山灰ならではのきめ細かい白い砂地で通称・サクランボウ(ネジリンボウ)のかわいい姿が観察できます。

【エントリー・スタイル】堤防からのエントリー・エキジット(セッティングエリアから徒歩約1分)
【最大水深】40m
【流れが出た場合】流れてもコース取りに影響を与えない程度
【ナイトダイビング】×

袴腰

錦江湾の看板ダイビングポイントといえば、ゴツゴツした溶岩広がるビーチからエントリーする袴腰。
大正噴火で形成された溶岩地帯を潜るため、海中で自然の歴史を感じながらダイビングをすることができます。
都市と近接する海がこんなにも豊かなのかと驚くこと間違いなしです。

アカオビハナダイの群れは圧巻!

【エントリー・スタイル】ビーチ(セッティングエリアから徒歩約3分。エントリー場所は岩場)
【最大水深】40m
【流れが出た場合】何かに捕まらなくてはならないほどの流れが出ることがある
【ナイトダイビング】○

その他のダイビングポイント

ケイレ湾、長水路、磯海水浴場

錦江湾へのアクセス情報

錦江湾のダイビングポイントは、桜島に集中しています。
桜島へは、桜島フェリーに乗船し、鹿児島港フェリーターミナルから桜島港フェリーターミナルへ渡ります。(約15分)

飛行機、新幹線、電車での桜島フェリー・鹿児島港フェリーターミナルへのアクセスをご紹介します。

飛行機でのアクセス:
鹿児島空港からは、リムジンバスの利用がおすすめです。
リムジンバス鹿児島空港線に乗車し、市役所前で下車。(約50分)
徒歩10分ほどで、桜島フェリー乗り場に到着します。

また、タクシーやレンタカーを利用の際は、車で約45分ほど。
九州縦貫自動車道・満辺鹿児島空港ICから鹿児島北ICへ。国道3号、国道10号を経て目的地へ。

新幹線でのアクセス:
九州新幹線の鹿児島中央駅で下車します。
桜島フェリー・鹿児島港フェリーターミナルへは、バス、市電での移動が可能です。

バスの場合、東5のりばから11番線で水族館口(約10分)下車、徒歩1分。

市電の場合、2系統に乗り、鹿児島中央駅前から水族館口(約15分)下車、徒歩5分です。

また、タクシーやレンタカーを利用の際は、車で約15分で到着します。

電車でのアクセス:
鹿児島駅からは、徒歩7分で桜島フェリー・鹿児島港フェリーターミナルへ到着します。

車でのアクセス:
鹿児島IC、または、鹿児島北ICから約20分です。

錦江湾の観光情報

鹿児島市で外せない観光スポットと言えば、桜島。
桜島フェリーターミナルより桜島フェリーで約15分でアクセスできます。

まずは、桜島と錦江湾国立公園についての展示が充実している桜島ビジターセンターへ。
噴火映像や堆積物の展示のほか、オリジナルグッズの販売もしているので、お土産も買えます。
ガイドツアーも受け付けているので、より深く桜島を知りたい人は申し込んでみましょう。

▶︎桜島ビジターセンター(http://www.sakurajima.gr.jp/svc/

また、散策コースとして人気なのが、溶岩なぎさ遊歩道です。
溶岩地帯を進む全長約3kmのコースには、
起点となる溶岩なぎさ公園には、100mにもなる天然温泉の足湯があり、散策の疲れをとることができます。

そして、桜島の迫力を間近に感じることができるのが、湯之平展望所です。
観光客が入ることができる最高地点となる標高373m地点に位置しており、錦江湾を見渡すこともできます。

ただ、標高が高い場所へ訪れる際には、ダイビング後に充分時間を開けてから向かいましょう。

情報・写真提供:ダイビングショップSB(http://sb-diving.sakura.ne.jp/

ScubaMonsters編集部

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