海月〜クラゲ〜
今水族館で大人気のクラゲ。
一方で海水浴場では嫌われ者のクラゲ。
今回はそんなクラゲについてまとめてみました!
クラゲは古来から人々の心を惹きつけていたようで、海月、という書き方意外にも水母、久羅下と様々に美しい字で書かれ、日本最古の書物『古事記』にも登場するんだそうですよ!
■ミズクラゲ
※CC2.5-SA-BY photo by OpenCage(右)
最もポピュラーなクラゲなのでは無いでしょうか?
全世界の海に生息し、日本ではしばしば大発生することもあります。
海の中を漂うクラゲ、その中でも一際遊泳力の低いクラゲで、飼育が難しいそうです。
毒は比較的弱く、皮膚の薄い部分に刺さると痛みを感じることもある、という程度です。
■タコクラゲ
※CC1.0-SA photo by Leonard G(左)
※CC2.0-SA photo by ume-y(右)
クラゲといえばパラオのジェリーフィッシュレイクが有名ですが、そこに棲むクラゲに限りなく近い仲間です。
日本近海では関東より南の温暖な海域に生息しています。
体内には褐虫藻という植物プランクトンが共生しており、褐虫藻が光合成で得た酸素の一部を利用して生活しています。
このクラゲも毒は僅かなので、心配する必要はありません。
■カブトクラゲ
※CC2.0-BY photo by Vidar A(左)
※CC2.0-SA photo by OpenCage(右)
こちらはクラゲという名前は付いているものの、厳密には別の仲間です。
つまり、クラゲにあるような毒もありません!
体の表面に櫛板列という光るスジを持っていることが特徴で、よく見ると非常に美しい光を放っています。
その光はまるでネオンの様に光ることもありますが、あくまでこれは光が反射しているだけで、自ら発行しているわけではありません。
■ベニクラゲ
※CC2.1-BY photo by Vin(右)
不老不死のクラゲとして一躍有名になったクラゲです。
クラゲはポリプと呼ばれる幼体の状態から成長しますが、このベニクラゲは自らの意志でポリプに戻ることが可能なのです!
この仕組みの研究が進めば不老不死も夢ではない…のかも。
そんな不思議なクラゲですが、日本近海にも多く生息しています。
■ハナガサクラゲ
※CC2.0-SA photo by OpenCage(右)
ここからは強い毒を持つクラゲたちです。
このハナガサクラゲ、死亡例こそ無いものの刺されると激しい痛みを伴うので注意が必要です。
それにしてもおよそクラゲとは思えない極彩色!
美しい…
日本では本州中部から九州沿岸のやや深い海で、春から初夏にかけて観察することが出来ます。
■アカクラゲ
※CC2.0-BY-SA photo by 篁(たかむら)(左)
※CC2.1-BY photo by Ishikawa Ken(右)
最もよく目にする毒クラゲでは無いでしょうか。
北海道以南の海に生息しています。
刺されると非常に痛いのですが、目立つので逃げることが出来ま…
と思いきや
その触手は2mを超えるとも言われ、遠くでも注意が必要です。
さらに、触手が切れて浮遊しているものに触れただけでも刺さるので
これを避けるのは不可能に近いです…
■アンドンクラゲ
よく海水浴はお盆までと言いますが、それはこのアンドンクラゲの発生時期を意識したものだと言われています。
体調は3cm程度と非常に小さいのですが痛みは強烈。
クラゲの中では強い遊泳力を持つ種類でもあります。
黒潮に乗って日本近海に北上し、北海道付近にまで達します。
■ハブクラゲ
沖縄や奄美地方に生息する代表的な毒クラゲです。
日本近海に生息するクラゲの中でも特に危険なクラゲで、過去に3件の死亡例も…
小魚を求めて浅瀬にまで入ってくるので注意が必要です。
沖縄県の海水浴場にはハブクラゲ侵入防止網が設置されているところが多いですね!
■カツオノエボシ
いやーひと際綺麗ですね。
青と紫とが美しい…
綺麗だからって近づくのは非常に危険です!
死亡例もあるほか、2度目に刺されるとスズメバチ同様アナフィラキシーショックという症状を引き起こし、ショック死してしまう危険性があります。
約10cmほどの浮袋から海綿下に約10mもの長さで触手が伸びています。
この触手は最大でなんと50mにも達するのだとか…
このカツオノエボシ、実はクラゲではありません。
ヒドロ虫という生物がが多数集まって群体を形成しています。
1つ1つのヒドロ虫は、触手になるもの、ポリプになるもの、刺胞嚢になるものなどそれぞれに役割分担をしています。
なんだか面白いですね!
■ビゼンクラゲ
※CC2.0-SA photo by OpenCage(左)
※CC2.1-BY photo by Vin(右)
この辺で怖い話は終わりにして、美味しい話です!(笑)
傘の直径50cm、重さ10kg程度になる大型のクラゲで食用になります。
そう、あの中華料理で出てくるやつですね!
個人的に大好物です(笑)
毒はほとんどないので、必要以上に怖がることはありませんよ!
■エチゼンクラゲ
デカい!とにかくデカいクラゲです。
傘の直径2m、重さ150kgに達することもあります。
ダイバーとの比較でその大きさがわかりますね!
ビゼンクラゲ同様、食材として使われますが、ビゼンクラゲの方が高級品なんだとか。
ただし、日本のスーパーで売っている多くの『中華くらげ』はこのエチゼンクラゲなんだそうです。
さて、日本近海に生息する美しいクラゲたちを見てきました。
やはり気になるのは毒の存在でしょう。
もしクラゲに刺されてしまったら?
- 触手を取り除く
素手では無くピンセットなどで取り除きましょう! - 海水で洗う
真水は毒を活性化してしまいます! - 40℃以上のお湯で暖めるor氷水で冷やす。
基本的に生物の毒のほとんどは温めることで不活性化します。
また、逆に冷やすことも効果的です。 - 刺されたクラゲの種類がわかるなら…
お酢をかける!
種類がわかるなら、と言ったのは、アンドンクラゲやハブクラゲなど分類学上も『クラゲ』であるものには有効です。
一方で、カツオノエボシには逆効果…毒が活性化してしまいます。
また、抗ヒスタミン剤の軟膏も対処法としては適切です。
こちらはクラゲでもカツオノエボシでもOKなので安心ですね!
クラゲに刺されないためには暖かい海であってもシーガル(半袖半ズボン)では潜らず、しっかりと身体が隠れるフルスーツを着ましょう。
海水浴の場合は長袖のラッシュガードが有効ですね!
さらに、こんな商品もあります。
クマノミの表皮の成分を研究して作られたそうです。
クラゲは近寄ってきた生物を敵とみなして刺しますが、クマノミは仲間だと思わせる成分を持っているのだとか…
それを応用したものがこの商品で、寄せ付けないのではなく、刺されにくくなるのだとか!
効果の程はわかりませんが、日焼け止めにもなっているので、お守りと思って使ってみても良いかもしれませんね!
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