鮮やかに舞う!?せいぶつ部~ハナダイ~
今週のテーマ【ハナダイ】
紅葉シーズン!
風に揺られて落ちてくる真っ赤な葉っぱをみるとキンギョハナダイが乱舞する海を思い出してしまうのは、せいぶつ部の僕だけでしょうか?
今回は紅葉で表現しましたが、ハナダイの群れが乱舞する姿は本当に花びらが舞っているように美しい!!
誰もがうっとり見惚れてしまった経験はあるのじゃないでしょうか??
ワイドに景色として切り取られてしまいがちなハナダイですが・・・
実は1匹1匹見ていくと、それぞれ違いがあり、また性転換をするなど面白い生態系があるんです!
今回はじっくりハナダイについて見ていきましょう!
ハナダイは一体何種類いるの!?
ハナダイというと群れでいるイメージから一緒くたにしてしまいがちですよね?
実はすごく種類が豊富でそれぞれ異なった見た目をしています。
例えば今回投稿した7種のハナダイは、伊豆の大瀬崎では毎年で見ることのできるハナダイたち!
それ以外にも日本では・・・
カシワハナダイ、ホカケハナダイ、ケラマハナダイ、フタイロハナゴイ、ベニハナダイ、チゴハナダイ、オウテンハナゴイ、マダラハナダイ、シキシマハナダイ、フチドリハナダイ、ニラミハナダイ、オシャレハナダイ・・・etc
海外では
ルソンハナダイ、メラネシアンアンティアス、ペインテッドアンティアス・・・etc
ダイバーのバイブル日本の海水魚には28種のハナダイが載っています!
図鑑に載っていないものおり、その中には2017年の秋に正式に和名が付いた、小笠原に生息するボニンハナダイなんてのもいますよ!!
英語に自身のある方は論文を読んでみても面白いかも!?
Pseudanthias tequila, a new species of anthiadine serranid from the Ogasawara and Mariana Islands
メスからオスへ!!
ハナダイは性転換をする魚としても有名ですね!
生まれたときは、みなメス、女の子として生まれるのです。
そこで大きく成長したものだけがオスに性転換をし、ハレムという1匹のオスが複数のメスを持つ集団を形成します!
そしてハナダイのオスの優劣を決めるのは大きさです!
とにかく大きくないとメスに相手にしてもらえないんです。
せっかく苦労して性転換してオスになったとしても自分より大きい奴がいたら、メスを全部持っていかれてしまいます・・・
なぜオスを目指すのか!?
ハナダイの性転換は子孫を残すことに対して超戦略的に考え抜かれたものだったのです!
基本的に生物は自分の子孫を出来るだけ多く残すために生命活動を行っています。
海の中の生き物、もちろんハナダイだって例外ではありません。
ハナダイのオスは大きさが勝負の世界です。
小さいうちはオスになったところでメスに相手にしてもらえず、自分の子孫を残すことは出来ません。
そこでメスは敢えてメスのままでいることでハレムのオスと産卵を行うことが出来ます!
つまり、目立たないことでハレムの中のメスの1匹として、オスと産卵をすることができ、子孫を残すことが出来ます。
戦略的にメスのままでいるのです!
ではなぜリスクを取ってオスを目指すのでしょうか??
それはハレムの王者!オスになることで・・・
1度に多くのメスと産卵することが出来るのです!
例えばオス1匹にメス10匹のハレムがあったとしましょう。
メスの場合は1回しか産卵できないのに対し、オスは同じ期間に10倍もの産卵が出来ます!
つまり成長をした場合はオスが圧倒的に有利な立場になれるのです!!
さらにハナダイの繁殖戦略は・・・
大きい群れに入るか、小さい群れに入るかも重要になります!
- 小さい群れの場合
早くオスになれる可能性がありますがオスになった時のメリットは少ないです。 - 大きい群れの場合
オスになるまで時間がかかる。またはメスで一生を終えるかもしれませんがオスになった時のメリットは絶大です。
小心者の僕だったら確実に小さい群れを選んでしまいますね(笑)
では、美しいだけじゃないハナダイの性転換する知的な戦略をご紹介したところで、先週の投稿を振り返って行きましょう!!
鮮やかに舞うハナダイ!
【キンギョハナダイ】
ハナダイの性別わかりますか!?
ハナダイの仲間はオスとメスでかなり違った見た目なので見分けるのは簡単!!
キンギョの場合はピンクが♂でオレンジが♀です!
ハナダイは群れの中で大きい個体がメスからオスに性転換することでも有名ですね!
詳しい話はまた記事で!#せいぶつ部
【サクラダイ】
まるで桜吹雪!?
オスの身体に入る白い斑紋が特徴的ですね!
サクラダイは日本でしか見れません!!
日本の太平洋側の固有種で相模湾から、九州くらいまで生息しています!
少し生息深度は深いですが、暗くなった水中に輝く真っ赤なボディーは日本人ならぜひ押さえたい!!#せいぶつ部
【スジハナダイ】
オレンジラインがトレードマーク!!
スジハナダイは♂♀ともに体の真ん中を突っ切るようにラインが入ります!
見分けは難しくメスのが若干小さくて黄色味がかってるかな?といった程度です。
秋の産卵期のオスは体のラインが見えなくなるくらいまで婚姻色を出します! #せいぶつ部
【アカオビハナダイ】
四葉のクローバーを探せ!
そんな気分でキンギョの群れの中からアカオビを探している人も多いでしょう!
がしかし!あの鹿児島県、桜島率いる錦江湾にはアカオビが数百匹と群れるらしい!
細長い湾や活火山が関係してるのだろうか?
海は不思議でいっぱいですね! #せいぶつ部
【ナガハナダイ】
でかっ!?
ハナダイというと華奢で美しいイメージがありますがナガハナダイはハナダイの中では大型になります!
大きい分だけ美しさに力強さを感じます!!
生息水深は30~40mくらいでしょうか?
見に行く場合はキチンと知識とスキルを付けてから行きましょう! #せいぶつ部
【ミナミハナダイ】
深場で鮮やかに群れるミナミハナダイ!
この子が見たければ大瀬崎先端へ行け。と言っても過言ではないでしょう!
非常に珍しいハナダイですが、大瀬では通年見られます!流石ですね!
ハナダイの中では小型種で動き回るので写真を撮るのは非常に難しいです・・・ #せいぶつ部
【シロオビハナダイ】
生息水深は50ⅿ以深!?
普段は深場にのみ生息するシロオビハナダイですが、数年に一度、水深30m前後まで上がって住み着くことがあります!
この整った美しさは大人気になる理由もわかります!
間違ってもアカオビハナダイとごっちゃにしないで下さいね(笑) #せいぶつ部
深場に生息するハナダイたち
【イトヒキコハクハナダイ】
お待たせしました!
海の宝石ハナダイのレアシリーズ!
「筋違い」なんて呼ばれるイトヒキコハクはスジハナダイの親戚みたいなもの!
体の赤いラインが真っ直ぐではなく途中で曲がっているのが特徴です!見つけた深度は39ⅿ!
それでも浅いといわれる種ですね!#せいぶつ部
【フタイロハナゴイ】
オレンジと紫のツートンカラー!
初めてフタイロハナゴイを見たときはミナミハナダイとの区別が付きませんでした。
同じカラーリングは呼び寄せるのか同じエリアにいました。
沖縄方面では結構普通にいますが、伊豆では季節来遊魚!やっぱり珍しい生物のひとつです!#せいぶつ部
【マダラハナダイ】
なんじゃこりゃ!!
ハナダイ好きにはどうして見たい!
普段は水深100~150mに生息していますが2012年に大瀬崎36ⅿに出たんです。
知り合いのイントラさんに頼み込んで連れてもらいました!
当時100本そこらの学生ダイバーを。無理言ってすいません。#せいぶつ部
【アサヒハナゴイ】
サクラダイのメスの中で異彩を放つアサヒハナゴイ!
図鑑でしか見たことないこの種をマスク越しに捉えた瞬間の感動は今も忘れられません!!
18~60ⅿに生息し、40m前後に小群れを作って生息する事が多いそうです!
確かに1匹見つけると周りに3匹くらいいました!#せいぶつ部
【スミレナガハナダイ】
サロンパスの愛称で親しまれるスミレナガハナダイ!
白い模様があるのはオスだけでメスは意外と普通の見た目なんですよ!
南方種のイメージが強いですが幼魚は伊豆まで流れ着くこともありますね!
まとめでは幼魚、メス、オス、オカマまで全部見せちゃいますよ!#せいぶつ部
【オシャレハナダイ】
どこがオシャレなんだろうか!?
って思うかもしれませんがオシャレカクレエビを思い出して特に名前に意味はないんだなと納得(笑)
暗がりを好む傾向があり、いつも暗がりにいます。
他のハナダイと違って遊泳はせず、地面にベタっとしている姿はゴンベのよう!#せいぶつ部
【ホカケハナダイ】
よく辿り着いた!
としか言いようのない満身創痍のボロボロ具合!
もはや歴史の話みたいではありますが1999年頃、伊豆の海で突如現れ、しかも全くの新種ということでかなり話題になったようです!
僕らもまだまだ新種を発見できる可能性はあるってことですね!#せいぶつ部
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①Twitterにて1日1匹ダイビングで観察できる生物を紹介します。
毎晩11時前後に140字の情報とともに1匹に焦点を当てて生物の情報を流していきます!
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②毎週水曜日にTwitterの内容を記事にします!
月~日曜までの1週間の投稿をまとめ追加の情報や違った角度から撮った写真、はたまた生物の探し方なんかもまとめて記事にしていきます!
③質問やもっと知りたいという方はTwitterに返信下さい!
140字の情報では伝えきれない情報がたくさん・・・
もっと知りたい方や自分の知ってることと違うなんかは質問頂ければ、月曜日の記事でご回答させて下さい!
はたまた、自分の撮った写真や追加の情報を返信頂いても大丈夫です。
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