【2022年保存版】ダイビングライセンスの種類とは!?
ダイビングをはじめたいと思ったら、まず気になるのがダイビングライセンスですよね。
ダイビングを行ううえで、必要不可欠と言っても過言ではありません。
ただ、ひとくちにダイビングライセンスと言っても、様々な名前や種類があり、迷ってしまうこともあるでしょう。
今回は、ダイビングライセンスについて、ひとつひとつ細かく解説していきます。
目次
ダイビングライセンスとは
ダイビングを行う上で必要になる認定証のことを、正式にはCカードと言います。
よく、A、B、CのCということで、AカードやBカードがあるように勘違いされることもありますが、CカードはCertification(認定)カードの略で、AカードやBカードといった種類はありません。
また、ライセンスは免許という意味なので、厳密にはダイビングライセンスという言葉遣いは誤りです。
しかし、Cカードという呼び名よりもダイビングライセンスという呼び名の方が広く浸透しており、通常使用する分にはダイビングライセンス、または単にライセンス、と言ってしまって良いでしょう。
Scuba Monstersでも、原則として一般的に通りの良い、ダイビングライセンスという言葉を使用しています。
免許は国の機関などが許可を与えるもののことを言います。
一方でダイビングライセンスは、あくまで民間企業が講習を修了した認定を行っているものです。
許可と認定という2つの言葉のニュアンスを明確に使い分けるため、ダイビングライセンスという言葉の使用にナイーブな反応をする方もいらっしゃいますが、皆さんはそこまで難しく考えなくてOK。
ダイビングショップのHPなどで
- ダイビングライセンス
- Cカード
などといった表記があれば、それは全て皆さんが思い浮かべるダイビングライセンスです。
また、他の表記として
国際Cライセンスや初級ライセンス
などといった表記をまれに見かける事もあります。
前述の通りCというのはCertificaton、つまり認定という意味なので、ライセンスという言葉と共存しているのはなんだか不思議な気がしますが、こちらもダイビングライセンスの事を指していると思って良いでしょう。
ダイビングライセンスの種類①
ダイビングライセンス=Cカード
AやBといったダイビングライセンスの種類はない。
ダイビングライセンスがあるとできること
ダイビングには大きく分けて2種類の遊び方があります。
ひとつは体験ダイビング。
こちらはライセンス不要です。
その代わり、インストラクターが文字通り手取り足取り、水中を案内します。
スカイダイビングでインストラクターが背中について2人で飛んでいる様子をTVなどで見たことがあるかもしれませんが、あの様なイメージです。
初めて水中世界を目にした時には体験ダイビングでも十分に感動することができるでしょう。
一方で、体験ダイビングの場合には、ごく浅い水深の場所で、なおかつ、動きは全てインストラクターに制御され、ある意味自由度はゼロです。
これに対して、ダイビングライセンスを持っている人が行うダイビングをファンダイビングと言います。
ファンダイビングでは、自分の行きたいところに自由に移動することができるほか(もちろん、自由にどこでも行って良いという意味ではありません)、じっくり生き物を観察したり、水中カメラを持参して写真撮影を楽しんだり、様々な楽しみ方をすることが可能です。
体験ダイビングとは比べ物にならないぐらい遊びの選択肢が広がり、一生をかけても楽しみ切ることができないほどの奥深い楽しさがあります。
このファンダイビングを行うためにダイビングライセンスを取得するわけですが、そのライセンスにはいくつか種類があり、これこそが今このページをお読みの皆さんを混乱させる原因でしょう。
ひとつひとつご説明していきます。
最初に受講するライセンスの種類
いざダイビングライセンスを取得しようとすると、スクーバダイバーやオープンウォーターダイバー、アドバンスダイバーなど様々な呼称のダイビングライセンスがあることに気が付くと思います。
まず初めに覚えておいて欲しい点として、ダイビングライセンスにも様々なランクが存在するということです。
「ダイビングライセンス」というものを取得すればなんでもできるようになるわけではなく、名実ともになんでもできるダイバーになるまでには、いくつかのステップがあるということですね。
更に、ダイビングライセンスを発行する企業のことを指導団体と言いますが、この指導団体はそれぞれ同じダイビングライセンスであっても異なる呼称を使用している場合があります。
これについては後半で詳しく説明していきます。
→指導団体による違いを先に見る
では、ダイビング未経験の方が取得可能なダイビングライセンスにはどんな種類があるのでしょうか。
ダイビング未経験の方が取得可能なダイビングライセンスは、大きく分けて2つの種類があります。
ひとつは水深18mまでダイビング可能になるダイビングライセンスです。
オープンウォーターダイバーやオーシャンダイバー、1スターダイバーなど様々な呼称があります。
もうひとつは水深12mまででかつ、プロダイバー同伴でダイビング可能になるダイビングライセンスです。
スクーバダイバーやパスポートダイバーなどといった呼称があります。
通常「ダイビングライセンス」と言った場合には前者を指すことがほとんど。
指導団体によって呼称は様々なので、そのダイビングライセンスを取得すると何ができる様になるのか、で見分けましょう。
最も分かりやすいのは水深の差ですね。
尚、オープンウォーターダイバーやオーシャンダイバーなどのダイビングライセンスはエントリーレベル、と呼ばれることもあります。
また、お気づきかもしれませんが、エントリーレベルのダイビングライセンスを取得すると、ルール上はインストラクターなどの引率なしに、ダイバー同士でダイビングをすること(バディ潜水と言います)が可能になります。
ただし、ルール上可能であることと、実際に安全にダイビング可能かどうかは別問題。
また日本では長年インストラクターの引率が前提でダイビング産業が成り立ってきており、バディ潜水を行うことができる環境は限られていると言えます。
インストラクターの引率が大半なので、水深12mまでをプロダイバー同伴で潜ることができるダイビングライセンスでも良いと思われるかもしれません。
水深18mまでダイビング可能になるダイビングライセンスよりも取得にかかる日数、費用共に少ない負担で取得可能なので、試しに受講してみるというのも良いでしょう。
しかし、現実問題としてダイビングポイントの大半は水深12mを超えることもあり、ファンダイビングは最低でも水深18mまでのダイビングライセンスを保有していることを前提に開催されています。
水深12mまでのものではファンダイビングに参加することが出来ない可能性もあるので、ダイビングを趣味にすると決めたら、水深18mまでのダイビングライセンスを取得するようにしましょう。
逆に、まだ趣味にするかはわからないけど体験ダイビングは物足りない。
ダイビングを趣味にしたい一方で自分にできるか少し不安、途中でドロップアウトしてしまったらもったいない。
水深12mのコースのみを受講し、その後、追加で差分の講習を受講することで水深18mまでのダイビングライセンスを取得することも出来ます。
まずは水深12mまでのコースを受講して自らの適性を見極め、それから水深18mまでのコースを受講することも良いでしょう。
ダイビングライセンスの種類②
水深18mまで潜れるものと、水深12mまで潜れるものがある。
原則的には水深18mまで潜れるものを選ぼう。
水深12mまでのものは、何か不安がある場合に選択すると良い。
指導団体による違いはあるの?
「最初に受講するライセンスの種類」の中で、ダイビングライセンスを発行する企業のことを指導団体と言い、指導団体はそれぞれ同じダイビングライセンスであっても異なる呼称を使用しているとお話しました。
結論から言うと、指導団体による違いは無いと思ってOKです。
それぞれの指導団体には理念があり、それぞれ微妙に異なる点もあるのですが、教え方に違いがあろうとも、最終的にできるようになることは同じです。
シェアNo.1はPADIという指導団体です。
歴史の長さNo.1はNAUI(考え方によりBSAC)です。
逆にSNSIやSDIといった指導団体は新進気鋭で、最新の考え方を持っていると言っても良いでしょう。
大手指導団体はどこも海外発祥ですが、StarsやJUDFといった、国内発祥の指導団体もあります。
どんな指導団体なのかということを元に取得するダイビングライセンスを吟味してみることも良いとは思いますが、あまり考えすぎなくてOK。
それよりも、今から申し込もうとしているお店の雰囲気や評判はどうなのか、そんな軸でお店選びを行うことをおすすめします。
指導団体の種類よりもお店自体について吟味した方が良いことを前提としたうえで、それでも迷った時のために、指導団体の選び方をお伝えします。
指導団体は、ダイビングライセンスのクオリティーを共通化するための協会に所属していたり、統一規準を採択していたりします。
そして、国内の協会のことをCカード協議会(通称C協)、世界的な統一基準のことをRSTCと言います。
また、小さな指導団体の集合体であるCMAS(クマス/シーマス)という組織もあります。
つまり、これらに参加している団体であれば、まず安心と思って良いでしょう。
筆者の主観も多分に含まれますが、現在は以下の様な順番で世の中から認められているのでは無いかなと思います。
- RCTS採択&C協加盟&非CMAS
→PADI、NAUI、SSI、BSAC、SNSI、SDI - C協加盟&CMAS
→Stars、jcs、CMAS=JEFF - C協加盟&非CMAS
→DACS、JUDF、JP、KD - C協非加盟&CMAS
- C協非加盟&非CMAS
こちらの記事で国内すべての指導団体をまとめているので、併せて参考にしてみてください。
ダイビングを楽しむ上で、指導団体ごとに優劣があるわけではありません。
どの団体でも基本的に、直接不利益を被ることは無いはずで、あるとすれば、それがどの団体だとしても他団体のダイバーから馬鹿にされる(様な目で見られる)という程度です。
ダイビングライセンスの種類③
指導団体による違いは無い。
ダイビングライセンスのランクとは
「最初に受講するライセンスの種類」の冒頭で、ダイビングライセンスにも様々なランクが存在するとお話しました。
ダイビング未経験の方が受講するコースについてはご紹介した通りなので、その先のステップの話ではありますが、どの様な種類のランクが存在するのかについてもご説明していきます。
エントリーレベルが水深18mまでダイビング可能なことについては触れましたが、次のステップは水深30mです。
その次のステップは水深40m。
そして、その先はプロダイバーのレベルとなっていきます。
尚、いわゆるダイビングで潜ることができるのは水深40mまで。
その先の水深についてはテクニカルダイビングという全く異なるスポーツだと思って頂ければと思います。
各指導団体ごとにステップアップの道のりの設計が異なるため、単純に3段階になっているというわけではないのですが、突き詰めるとアマチュアダイバーのランクは3つに分かれていると言えます。
ダイビングライセンスの種類④
ランクは大きく分けて3段階存在する。
各指導団体でのダイビングライセンスの呼称
「最初に受講するライセンスの種類」をご紹介した際、水深18mまでダイビング可能になるダイビングライセンスにはオープンウォーターダイバーやオーシャンダイバー、1スターダイバーなどという呼称があることをお伝えしました。
指導団体によって同じランクのダイビングライセンスでも呼称が異なり、更に、ある団体では水深30mまでダイビング可能なランクを指す名称が、ある団体では水深40mまでダイビング可能なランクを指すことも……。
ここがダイビングライセンスの種類で混乱を生む原因なので、主要な指導団体での呼称について見て行きたいと思います。
ここではRCTS採択&C協加盟&非CMASの指導団体であるPADI、NAUI、SSI、BSAC、SNSI、SDIの6団体を取り上げます。
尚、前述した大まかなランク分け3段階の中間に存在するダイビングライセンスも存在し、それらの名前も様々ですが、今回は割愛させて頂きたいと思います。
水深18mまで潜れるライセンス
PADI:オープンウォーターダイバー
NAUI:オープンウォーターダイバー(2020年スクーバダイバーから改称)
SSI:オープンウォーターダイバー
BSAC:オーシャンダイバー
SNSI:オープンウォーターダイバー
SDI:オープンウォータースキューバダイバー
水深30mまで潜れるライセンス
PADI:アドヴァンスドオープンウォーターダイバー
NAUI:アドバンスダイバー
SSI:アドバンスドアドベンチュアラー(※SSIのアドバンスドオープンウォーターダイバーは多団体のアマチュア最高峰との中間相当)
BSAC:スポーツダイバー(※BSACのアドバンスダイバーはプロダイバーの認定のひとつ)
SNSI:アドバンスドオープンウォーターダイバー(※SNSIのアドバンスドオープンウォーターダイバーは水深39mまでダイビング可能)
SDI:アドバンスドダイバー
水深40mまで潜れるライセンス(アマチュア最高峰)
PADI:マスタースクーバダイバー
NAUI:マスターダイバー
SSI:マスターダイバー
BSAC:エクセレントダイバー
SNSI:マスターダイバー(※SNSIは前段階で既に水深39mまで潜水可能)
SDI:マスターダイバー
尚、多くの指導団体で、水深40mまで潜るためにアマチュア最高峰のダイビングライセンスの取得は必須でなく、水深40mまで潜ることのみを目的とした講習である、ディープダイビングスペシャルティコース単独で開催されています。
ダイビングライセンスの種類⑤
各ランクの呼称は指導団体によって様々。
スペシャルティとは
各指導単体での呼称の最後で、水深40mまで潜るための講習は、ディープダイビングスペシャルティコース単独で開催されている場合が多いと言いました。
このスペシャルティというのが、ダイビングライセンスの種類の最後。
そして、ダイビング未経験の方にとっては更に混乱の元となるものかもしれません。
スペシャルティ(BSACではスキルデベロップメントコース)は、何かひとつのテーマに特化して講習を行うものです。
ディープダイビングやボートダイビングなどのスキル面だけでなく、水中写真の撮影や魚の見分け方など楽しみ方に特化したものも存在します。
ダイビングライセンスのランクとは、の中で、各指導団体ごとにステップアップの道のりの設計が異なるとお話しましたが、各団体、ステップアップの中にこのスペシャルティを組み入れることで、ステップアップの道のりにオリジナリティを出しています。
つまり、次のステップに上がるためには、このスペシャルティとこのスペシャルティを取得していなくてはならない、などとされている場合があるということです。
逆に、ステップアップのために必須ではないスペシャルティもあります。
特にステップアップのために必須ではないスペシャルティについては、全く準備していないダイビングショップもあれば、非常に熱心なダイビングショップもあります。
前者について良く言えば、なんでも追加料金なしに教えてくれる、悪く言えば何から教われば良いかわかりづらい、と言えるかもしれません。
後者について良く言えば、楽しみ方の選択肢が明確、悪く言えば何でもコース化されていてお金がかかる、と言えるかもしれません。
どちらが良い、悪い、と言うつもりはなく一長一短なので、興味を持ったスペシャルティコースは受講してみる、一方で、興味が無いものは断る勇気を持っておくことが重要なのではないでしょうか。
ダイビングライセンスの種類⑥
スペシャルティにはステップアップに必要になるものと、そうでないものがある。
潜水士免許との違い
最後に正真正銘のダイビングライセンス、免許である潜水士免許について触れたいと思います。
潜水士免許は厚生労働省が所管し、労働安全衛生法に規定される国家資格です。
簡単に言うと、ダイビング器材を用いて水中で活動する職業を行う場合、取得が義務付けられています。
ここでの職業というのは作業潜水などで、レジャーダイビングのインストラクターは慣例的に潜水士免許を保有していなくとも黙認されていました。
ただし一部の県では条例で明確にダイビングインストラクターの潜水士免許保有が義務付けられています。
また、昨今は事故が発生した際に潜水士免許の有無が刑事事件に発展する場合もあります。
もちろん、遊びで潜る分には潜水士免許は不要です。
ちなみに、海上保安庁や海上自衛隊にも潜水士や潜水員という職域があり、漫画や映画などの影響で一躍有名となりましたが、これらは国家資格の潜水士とはまた異なり、それぞれの組織内での呼称です。
国家資格の潜水士は海上保安庁にイメージされるような厳しいトレーニングは不要であるどころか、実技試験なし、筆記試験のみの資格です。
難易度もそこまで高い資格ではないので、興味を持った方は是非取得してみても良いかもしれませんね。
ダイビングライセンスの種類⑦
潜水士は国家資格。アマチュアダイバーには不要。
ダイビングライセンスの種類まとめ
様々な呼称があり、ダイビング未経験者にとっては少し混乱してしまうダイビングライセンスの種類について、ここまで詳細にご紹介してきました。
改めて、ダイビングライセンスの種類についてまとめると……
ダイビングライセンスの種類①
ダイビングライセンス=Cカード
AやBといったダイビングライセンスの種類はない。
ダイビングライセンスの種類②
水深18mまで潜れるものと、水深12mまで潜れるものがある。
原則的には水深18mまで潜れるものを選ぼう。
水深12mまでのものは、何か不安がある場合に選択すると良い。
ダイビングライセンスの種類③
指導団体による違いは無い。
ダイビングライセンスの種類④
ランクは大きく分けて3段階存在する。
ダイビングライセンスの種類⑤
各ランクの呼称は指導団体によって様々。
ダイビングライセンスの種類⑥
スペシャルティにはステップアップに必要になるものと、そうでないものがある。
ダイビングライセンスの種類⑦
潜水士は国家資格。アマチュアダイバーには不要。
ダイビングライセンスの種類について、この記事をよく読めば、必要以上に悩むことではないことが理解できるでしょう。
ダイビングライセンスの種類について悩むのではなく、まずは思い切ってダイビングの世界に足を踏み入れてみて頂ければと思います。
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