【新種!】亀の甲羅に乗って旅をする甲殻類!
亀の甲羅に乗って生活する生き物がいた!
海の声が聞き~たくて♪
最近はauのCMで桐谷健太が演じていることもあって
僕らの世代の間でも人気のある浦ちゃんこと浦島太郎!
浦島太郎はいじめられていたカメを助けてあげると…
なんと、そのカメが恩返しに背中に乗って竜宮城に連れて行ってくれるという物語ですね!
ダイビング中にカメを見て1度はその背中に乗ってみたいと思ったことのある学生ダイバーも多いのではないでしょうか?
※ダイビング中に生物を触るのなんてご法度!絶対にダメですよ!
国や地域によっては高額な罰金を取られることも・・・
こんな事例も→【要注意】タイではっちゃけ過ぎたダイバーが逮捕!?
なんと!
「カメの甲羅に乗って旅をする」そんなダイバーの夢を実現している生物が発見されたのです!!
北海道大学の講師が「カメの甲羅の上で生活する新種の甲殻類」を発見し、2017年11月22日にプレスリリースとして発表されました!!
「体長数ミリの浦島太郎」
アカウミガメの甲羅の上からタナイス目甲殻類の新種を発見
※PDFが開きます
新種の甲殻類の名前は「ウラシマ」
今回ウミガメの甲羅から採取され、新種となった甲殻類は、タナイス目という甲殻類の1種に分類される生物です。
また、上述のおとぎ話「うらしまたろう」にちなんで、Hexapleomera urashima という学名で新種として報告されたそうです!
学名にウラシマと入っていますね。
和名はウラシマタナイスとなるそうです!
ちなみに学名というのは世界共通の種の名前。
和名というのは日本でだけ通用する名前です。
ある意味あだ名みたいなものですね。
学名について詳しくは、こちらの『属』の所でご紹介しています!
甲殻類というとエビやカニばかりを想像してしまいますが・・・
実はエビやカニというのは甲殻類の中でも、ほんの一部の十脚目の中の分類にしか過ぎないのです。
ミジンコやフジツボといったエビ、カニとは似ないものも甲殻類であり、水中生物のニッチなものは、ほとんど甲殻類といっても過言ではないでしょう。
ちなみにダイビングでよく見るエビやカニ!十脚目の細かい話は甲殻類オタクのせいぶつ部部長が記事にしているのでチェックしてみて下さい!
タラバガニはカニじゃなかった・・・!?せいぶつ部~カニ~
では!
カメの甲羅に乗って旅をする甲殻類「ウラシマタナイス」の写真を見てみましょう!
なんか想像より気持ち悪い!?
その風貌は、もはや寄生虫・・・
でも安心してください!
大きさは2~3mm程度と普通には見れません。
ほらどこにも見ませんよね??
拡大してみてもわからないハズ!!
今回の研究も、鹿児島県屋久島の砂浜に上陸してきたアカウミガメを対象に、甲羅から直接ピンセットで、または甲羅に付着した藻の中から採取したようです。
甲殻類の苦手な女性は、こんな素晴らしい青い海とカメを見たときに、ウラシマタナイスを想像しないように注意してくださいね!
ここからは余談になりますが・・・
せっかくなので日本に住むカメと他の種と共生するエビ、カニ(美しいやつのみ)を紹介していきたいと思います!
日本にいるウミガメは5種類
日本では約5種のウミガメが確認されています。
そのうち3種アオウミガメ、アカウミガメ、タイマイは日本の砂浜での産卵が確認されています。
他の2種ヒメウミガメや世界最大のウミガメであるオサガメは回遊してきたところを漁師さんに捕まったりと日本の海を通っているだけのようです。
ちなみにウミガメの仲間はすべてIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストに掲載されています。
このうちアカウミガメは絶滅危惧種に指定されています。ずっと守っていきたいですね!
和名:アオウミガメ
英名:Green turtle
学名:Chelonia mydas
和名:アカウミガメ
英名:Loggerhead turtle
学名:Caretta caretta
和名:タイマイ
英名:Hawksbill turtle
学名:Eretmochelys imbricata
和名:ヒメウミガメ
英名:0live ridley turtle
学名:Lepidochelys olivacea
和名:オサガメ
英名:Leatherback turtle
学名:Dermochelys coriacea
共生?寄生?甲殻類は居候名人!?
異なる種が一緒に生活することを共生と言います。
クマノミとイソギンチャクが共生関係にあることは多くのダイバーにも有名ですね!
この共生関係は双方にメリットがあることで共生と言いますが、多くのエビやカニが他の生物を隠れ家とし、共生しています!
中には利益だけむさぼり取っているから寄生だという人もいますが・・・
恐らくウラシマタナイスもこの共生や寄生の関係なんでしょう!
その中でもダイビング中によく見る甲殻類との共生関係を見ていきましょう!!
ヒトデヤドリエビとアオヒトデ
ウミウシカクレエビとトラフナマコ
イソコンペイトウガニとトゲトサカ
コマチコシオリエビとウミシダ
バサラカクレエビとウミシダ
このように甲殻類はいろいろな生物と共生することは、有名ですがまさかカメと共生している甲殻類がいたなんてビックリでした!
最後にこの研究を発表した北海道大の角井敬知講師は以下のように述べています。
大型動物の保全を考えるとき,対象動物だけが注目されることが多いですが,彼らの上に住む生物 や,寄生性生物にも目を向けることが生物多様性を守っていく上ではとても重要です。
北海道大学プレスリリースより引用
こういった研究が進んでいき多くの生物の関係が明らかになることに
ダイバーも協力していけると良いですね!
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