MAGAZINE
  • HOME
  • 海のレポート
  • 夏の神子元島でハンマーを追え!ハンマーヘッドシャークにダイビングで出会おう

夏の神子元島でハンマーを追え!ハンマーヘッドシャークにダイビングで出会おう

神子元島ダイビングレポート
海のレポート

伊豆半島最南端に浮かぶ孤島・神子元(みこもと)島。
神子元島は伊豆半島の下田から約10km沖の無人島だ。
その水中景観は他の伊豆半島のダイビングスポットとは全く異なり、ワイルドでダイナミックな光景が広がっている。

神子元島には世界最大規模の海流である黒潮が直接ぶつかる。
この黒潮は、神子元島に青く澄んだ海、早い潮流、そして、南からの生物をもたらす。

そして、黒潮の恩恵の最たる例が、ハンマーヘッドシャーク(アカシュモクザメ。以下、ハンマーヘッド)というサメの大群だ。

神子元島でのダイビングで見られるハンマーヘッドシャーク(アカシュモクザメ)の群れ

運が良ければ100匹を超えて群れをなす、圧巻のハンマーリバーを目にすることも夢ではない。

ハンマーヘッドのこの規模の群れをコンスタントにダイビングで見られる場所は、世界でも稀で、ガラパゴス諸島やインドネシアのバンダ海、日本の与那国島など数少ない。
神子元島のハンマーヘッドの群れは、日本のみならず、海外での知名度も高い存在だ。

ただし、神子元島は黒潮の影響をより濃く受け、流れが複雑かつ強いため、誰しもが潜れるわけではない。
だからこそ僕たちダイバーにとって憧れの場所で、スキルを高めて潜りに行きたい海の1つだ。

今回はそんな神子元島の海を紹介しようと思う。
写真ギャラリーで存分に神子元島の光景を堪能してもらった後、ぜひ、基本情報やシーズナリティ、撮影のコツなども読んでもらいたい。

神子元島の魅力を写真で綴る

こんにちは。
Under Water Creatorの茂野です。

多くのダイバーが神子元島に魅了されてきましたが、何を隠そう僕もその1人。
一見は百聞にしかず、ということでまずは僕がこれまで神子元島の海で撮影してきたハンマーヘッドシャークたちを見て欲しい。

これら写真は特別なダイビングをしたわけでもなく、普通にゲストと一緒に潜って撮影した写真です。

ハンマーヘッド ・ギャラリー

まずは僕が今まで出会った中で、1番大きなハンマーヘッドの群れ!
優に300を超える巨大な群れで、ハンマーリバーというよりは、まるでハンマーヘッドの嵐のよう。

上下左右、大量のハンマーヘッドが僕の前に立ちはだかりました。
僕が神子元島の海にハマるキッカケになった光景の1つです。

ハンマーヘッド ・ギャラリー

次は見上げるハンマーヘッド!

ハンマーヘッドはリバーだけじゃなくて、時には雲のように頭上に広がることもあるんです。
この群れも300匹クラスの巨大な群れでした!
下から眺めるハンマーヘッドのシルエットが最高なんです。

ハンマーヘッド ・ギャラリー

もう触れるくらいまで近寄ってきたハンマーヘッドを上から。
ハンマーヘッドの群れに先回りして合わせてあげることで、本当に触れるギリギリまで近寄れることがあります!

どれだけハンマーヘッドに寄れるかも神子元島での撮影の楽しみ。
ただし、無理に追っかけてはダメですよ。

ハンマーヘッド ・ギャラリー

Aポイントでは根待ちでハンマーヘッドの群れ!
このポイントは初心者でもハンマーヘッドに会える、夏のポイントです。
目の前をぐるぐるとハンマーヘッドが回る光景はまさにハンマーヘッド劇場。

ハンマーヘッド ・ギャラリー

お次は、深場のハンマーヘッド!
これは秋の時期に多い、深場に溜まったハンマーヘッドの群れ。
神子元島は岩の隙間や地面を這って泳ぎながらハンマーヘッドを探すこともあり、こんな地面スレスレでハンマーヘッドの大群に会うこともあるんです。

他ではなかなかお目にかかれない光景です!

ハンマーヘッド ・ギャラリー

今度は、ストロボ光を使ってハンマーヘッドを撮影しました。
ストロボが届く距離までハンマーヘッドが近くにやってきてくれた時には、こんな臨場感のある写真が撮れることも!
シルエットになりがちなハンマーヘッドもストロボを当ててあげると、また違った雰囲気、表情の写真になります。

神子元島のダイビングというと、ハンマーヘッドを探すだけの単調なダイビングと思う方もいるかもしれませんが、ハンマーヘッドとの出会い方も千差万別ですし、群れの規模や形もそれぞれ!
今回はどんな出会いができるか!
どんな狙い方ができるか!
そんなことを考えながらアドレナリン全開で潜るのが神子元島のダイビングなんです。

神子元島とは

南伊豆のダイビングスポット・神子元島

さて、こんなエキサイティングなダイビングが楽しめる舞台が、神子元島です。
神子元島は伊豆半島の南東沖合10kmのところに位置する無人島で、ここに潜る拠点となるのが、南伊豆町の弓ヶ浜周辺のダイビングショップです。
僕がいつもお世話になっている神子元ハンマーズも南伊豆町にあります。

ダイビングスタイルは弓ヶ浜の近くの漁港から大型のダイビングボートに乗り込み、神子元島へ片道15分かけて潜りに行きます。
基本は1ダイブごとに港に戻ってきますが、人数が少なかったり、海況が良かったりすると稀に神子元沖合で休憩することもあります。

また神子元島はそのダイナミックさと立地からすごく遠く感じられますが、実は東京からのアクセスは非常にいいんです!
電車だと、特急踊り子に乗れば東京駅から直通で約2時間50分、東京から熱海まで新幹線を使えば約2時間20分で伊豆急下田駅に着きますし、車でもスムーズに行けば東京から約3時間半です。

日帰りや前泊といったスケジュールで神子元島へ潜りに行くことも出来ますし、意外と日帰りの方が主流だったりします!

神子元島のシーズナリティ

神子元島でのダイビングで見られるハンマーヘッドシャーク(アカシュモクザメ)の群れ

ハンマーヘッドは暖かい潮を好むため、やはりメインのシーズンは夏の時期!
例年、5月からハンマーヘッド情報が増え11月くらいまでがシーズン。
ただしここ数年は、冬や春の時期にもハンマーリバーが登場するなど1年を通してハンマーヘッドを見ることができています!

ハンマーヘッドへの遭遇率は、もちろん夏の時期が1番水温も安定するため高くはなりますが、とにかく黒潮次第。
黒潮が伊豆半島に近づき、青い潮が入ってくるとハンマーヘッドへの遭遇率が上がります。
僕もシーズンというよりかは、黒潮情報を見て潜りに行くことが多いです。

神子元島でのダイビングで見られるハンマーヘッドシャーク(アカシュモクザメ)の群れ
Aポイントに群れるハンマーヘッドの群れ

あと、傾向として、初夏から夏にかけてはAポイントという根待ちでハンマーヘッドを見るダイビングポイントにハンマーヘッドの群れが入ってくることが多いそうです。
なので初心者の方や神子元島初めての方はAポイントで見られる時期が、気楽に行けるのでおすすめでしょう。

神子元島でのダイビングで見られるハンマーヘッドシャーク(アカシュモクザメ)の群れ
泳ぎきった先で見ることのできた深場のハンマーヘッド群れ

秋になってくると逆にハンマーヘッドは深場に集まっていることが多くなり、当たると迫力満点の巨大な群れが見られますが、外れると何もいないということも多くなるんだとか。
潮やシーズンによってもハンマーヘッドの狙い方が全然異なってくるのが神子元島の面白いところですね!

僕は夏のAポイントで見られるハンマーヘッドも好きですが、やっぱり秋のドキドキしながら泳いで、当たり外れの大きい時期のダイビングも大好きです!

初心者向けハンマーヘッド撮影のコツ

神子元島でのダイビングで見られるハンマーヘッドシャーク(アカシュモクザメ)の群れ

まず神子元島の海でハンマーヘッドを撮影する時に1番大事なのは、とにかくいいシチュエーションで撮ること。
こんなことを言うと、元も子もないようですが、細かいカメラの設定よりも……まずは良い場所で撮影しないと話にならないし、それが1番難しいんです。

だから、神子元でまだ撮り慣れてない方はまずはシンプルな装備でカメラとワイコンだけ!
ストロボやライトなど余分なものを外して、まずは泳ぎやすい、動きやすい装備で潜った方がいいと思います。

僕も最初の頃はストロボを付けずにシンプルにカメラだけを持って潜っていました。
こう言うと、身軽にして全力疾走してハンマーヘッドに出来るだけ寄ってシャッターを切りまくる。
そんなイメージを持つ方もいるかもしれませんが、それは間違いです。
それでは良い写真も撮れないし、ハンマーヘッドに寄ることもできないんです。

神子元島でのダイビングで見られるハンマーヘッドシャーク(アカシュモクザメ)の群れ

例えば、この写真を撮っている時、僕はフィンキックをほとんどしていませんし、僕の方からハンマーヘッドに近寄ることもほとんどしていません。
むしろ向こうから近づいてきてくれています。
じゃあ、いつ泳いでいるのかというとこの時。
ハンマーヘッドが見えた瞬間、です。

神子元島でのダイビングで見られるハンマーヘッドシャーク(アカシュモクザメ)の群れ

もっと言うと、遠くにハンマーヘッドの群れが見えた時、ガイドの方が指差してくれた時です。
この時にハンマーヘッドの群れではなくて、その進行方向に先回りして泳いでいく。
とにかく群れにプレッシャーをかけずに大回りで泳いでいきます。
短距離走というより、大回りで長距離走をするイメージ!
そうして群れの先頭をやり過ごして、自分の前を通してあげると……

神子元島でのダイビングで見られるハンマーヘッドシャーク(アカシュモクザメ)の群れ

それに続くように後続の群れがどんどん付いてくる。
こうなってしまえば、もうあとはハンマーヘッドは撮り放題です。

神子元島でのダイビングで見られるハンマーヘッドシャーク(アカシュモクザメ)の群れ

ハンマーヘッドの方から僕のいる方にドンドン近寄ってくるので、構図を意識したり明るさの調整をしたり、自分の好きなタイミングで撮ることができます。

神子元島でのダイビングで見られるハンマーヘッドシャーク(アカシュモクザメ)の群れ

こんな感じで正面顔を見せてくれることも。

神子元島でのダイビングで見られるハンマーヘッドシャーク(アカシュモクザメ)の群れ

先回りをして余裕を作ってあげるからこそ、手ブレもしませんし、設定を変えるなど、写真にこだわれるワケです。

神子元島でのダイビングで見られるハンマーヘッドシャーク(アカシュモクザメ)の群れ

短距離走ではなく長距離走でアプローチする。
この感覚が個人的には大事だと思っています。

神子元島でのダイビングで見られるハンマーヘッドシャーク(アカシュモクザメ)の群れ

イメージ的には群れに突っ込むとハンマーヘッドとの並走になりますが、ガイドの指示に従って、群れの先へ先へ大きく回り込んで待つ感じ!
少ないチャンスなので、群れのいない方へ泳いでいくのは確かに勇気が入りますが、良い写真を撮りたい人はぜひ試してみてください。

またカメラの設定はできるだけシンプルに!
僕も基本はオート設定で撮影しています。

カメラやレンズ、海の明るさ深度にによっても設定はまちまちですが……
僕は基本的にはフィッシュアイレンズでは、シャッター速度:1/200、F8、ISO :AUTOで撮影しています。
ストロボなしのハンマーヘッドの撮影ではシャッター速度が遅いとハンマーヘッドがブレてしまうため、もう少し高速シャッターで切りたいのですが、そうすると海が暗くなったり、ISOが上がりすぎてしまうので、大体このくらいで撮影しています。

神子元島でのダイビングで見られるハンマーヘッドシャーク(アカシュモクザメ)の群れ

また、一眼は持ってないよとか、まだまだ神子元島に潜り慣れてないよ、と言う方はシンプルにGoProがめちゃくちゃオススメです!
正直、一眼より良く撮れていることもよくあります。

GoProで撮影して、そのあとに加工アプリのDive+というアプリで編集すると一発で青被りや緑のホワイトバランスが取れるので、初心者にはオススメです!

神子元ハンマーズで潜る方はスタッフの方が詳しいので、潜り終わった後に聞いてみて下さいね。

ハンマーヘッド以外のシチュエーションも面白い!

神子元島でのダイビングで見られるニザダイ

神子元島はハンマーヘッドだけじゃなくて、その魚影も半端ないんです!
ダイバーたちを覆い尽くすようなニザダイ玉が突如現れたり、

神子元島でのダイビングで見られるタカベ

定番で言えば、タカベやイサキの群れも伊豆随一の密度で群れています!
おそらく日本でもトップレベルの魚影の濃さだと思います。

神子元島でのダイビングで見られるカンパチ

他にも初夏の時期の定番でいうと、大型のカンパチなんかも神子元島ではよく見られます!
まるまると太ったカンパチはマグロかと見間違うほどの迫力です。

メジロザメ

他にもメジロザメをはじめとするサメも多く、ハンマーヘッド以外のサメを観察することもできます!
ジンベエやマンタ、ザトウクジラ、マンボウがダイビング中に見れたこともあったりと、何が起こるかわからないドキドキの海なんです!

おわりに

神子元島でのダイビングで見られるハンマーヘッドシャーク(アカシュモクザメ)の群れ

アドレナリン全開の神子元島の海、だんだんと潜りたくなってきたのではないでしょうか!?
ただし、やはり時に流れが強く複雑となり上級者向けの海であることは間違いなく、誰でも簡単に潜れるわけではありません。
しっかり現地のインストラクターの方の話を聞いて、体調を万全にして行くことをオススメします!

特に初めての人は平日がオススメです。
シーズンの週末はゲストがたくさんいるので、質問もしづらいかもしれませんが、平日ならば余裕をもって教えてもらうことができると思います。
ぜひ、みなさんにもハンマーヘッドのご加護がありますように!

取材協力:神子元ハンマーズ(https://www.mikomoto.com/

■CHECK!■

今回ご紹介した神子元島のダイビングについては、茂野優太さんのブログやYoutubeでも紹介されています。合わせて、お楽しみください。

しげのゆうたの旅ブログ「まだ神子元でダイビングしたことないすべての人に届けたい記事!」

関連記事

scuba monstersスポット探し「神子元島」

茂野優太

109,584 views

Under Water Creator。 1991年、神奈川県生まれ。 海・ダイビングの魅力を写真、映像、文章、ガイドなど、多様なアプローチで発信する。 伊...

プロフィール

ピックアップ記事

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。