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地味だけど地味じゃなかった!?せいぶつ部~カサゴ~

生物について

今週のテーマ【カサゴ】

カサゴと聞くと皆さん何を想像するでしょう?

よくあるのが「地味」、「動かない」、「どこにでもいる」・・・etc

知っている人だと・・・毒がある。高級魚。美味しい・・・etc

確かに美味しいです!!
煮つけに素揚げに刺身に何で食べても美味しい。
岩場に潜むので漁獲高も少なく高級魚と言われるのもわかります!

ちなみに静岡県沼津港では、こんなカサゴの光景もみれます(笑)

寒い冬はアフターダイブに沼津港なんかで食事をして体を温めるのも楽しいかもしれないですね!

 

ってカサゴは確かに美味しいです!
いやでも美味しいだけじゃないんです!
カサゴには誰も知らない面白い生態系がありました!!

 

まるでカンガルーな子育て!?

 

カサゴのメスの体からタマゴではなく、ちゃんと魚の形をした子どもが生まれます。
ん!?一体どういうことなんでしょうか?

魚類はすべてタマゴを生みます。
こどもを産むのはイルカやクジラといった哺乳類だけではなかったでしょうか?
ではカサゴは哺乳類の仲間なのでしょうか?

 

答えはNOです!
カサゴは立派な魚類です!
分類上はカサゴ目フサカサゴ科のカサゴで、そりょ当然魚類ですね。
カサゴが息継ぎに水面に上がるのなんて見たことないですしね。

以前、タツの仲間はオスのお腹の中に育児嚢という
カンガルーのお腹の袋のようなものを持っていて、そこで子供が大きくなるまで
育て成長してから大海原に出すという記事があったと思いますが、それと同じですね!

なにそれ?という方はチェック!

タツノオトシゴの仲間

 

カサゴは卵胎生といってメスが体の中で卵を育てて小さい魚の形になってから仔魚を産卵します!

さらに面白いのがオスとメスで成熟の速度が違います!
オスの方が早熟で11月頃には成熟をし、メスと交尾をします。メスはまだ成熟しきっていないので体に精子を貯めておき自分が成熟する12月頃から体内で子を育て産卵します!

なんてメスは大変なんでしょうか!?
そして人間に置き換えて考えるのはゾッとしますね。

他にも魚の中には面白い生態系をした種がいます!
例えば口内保育をするクロホシイシモチなんかもそうですよね。
観察の方法や手順まで知りたい方はこんな記事を!

見れるわけないって思ってませんか?【クロホシイシモチの口内保育!】

 

さてさてカサゴの面白い生態を知ったところですが・・・
実はカサゴも種類によっては派手なものもたくさんいます!

いや、むしろ派手な個体の方が多いかもしれない!?
そんなカサゴの派手な姿を振り返って行きましょう!


地味だけど地味じゃなかったカサゴたち

 

【カサゴ】

THEカサゴ!!
本州でダイビングを擦るダイバーなら誰もが見たことあるカサゴですが、沖縄や亜熱帯の地域ではレアなんですよ!
カサゴの産卵期は冬から春先ですが、なんとメスがお腹の中で卵が仔魚に成長するまで育てるんです!まるでカンガルーみたいですね!#せいぶつ部

 

【ミノカサゴ】

ダイバーなら誰しも見たことあるミノカサゴ!
大きなヒレを広げて優雅に泳ぐ姿が印象的ですね!
このヒレですが威嚇したり、ヒレを広げて小魚を追い込んだりと多様な使い方をしています!ヒレには強力な毒があり、酷いと失神することも。絶対触っちゃダメですよ。#せいぶつ部

 

【セトミノカサゴ】

区別が付きづらいミノカサゴファミリーの中ではかなり見分けやすい種です!
長く伸びる背ビレや胸ビレにキレイに入るブルーのストライプが特徴的!
めちゃレアってわけではないですが、僕も2度しか見たことありません。
いたらテンション上がりますね!!#せいぶつ部

 

【ハナミノカサゴ】

ミノカサゴとの違いわかりますか??
ハナミノは尻尾に黒い斑点が付くので簡単に見分けられます!
写真だと奥の個体の尻尾がわかりやすいかなと!
ちなみに小魚はミノカサゴから逃げています!
熱帯の海に多いですが、伊豆には両方いるので見極めてみるのも楽しいかも#せいぶつ部

 

【シマヒメヤマノカミ】

海なのに山の神!?
なぜか海水魚なのにヤマノカミと名前付いています。
名前の由来には諸説ありますが、長すぎてここには書けず、来週のまとめでご紹介します!
写真は幼魚ですが、15㎝くらいまで成長します!
カサゴの仲間はホントに目が緑できれいですね!#せいぶつ部

→ヤマノカミの名前の由来には2節あるそうですが・・・
信憑性の欠ける情報にはなりますのでご容赦あれ。

①「山の神」という女神がいて、自分の姿があまりにも見づらいため他の女性が山に入るとヤキモキしたんだとか。それでその女神の怒りを納さめ、機嫌を取るために、見にくい姿のオコゼを捧げていた。そのためオコゼに似たこの魚に「ヤマノカミ」という名が付けられた。

②「海の神」と「山の神」が争い、どちらの方がしもべが多いかを競い合ったんだとか。
海の神はタイやヒラメなどの魚達を、山の神はタヌキやクマなどの動物達を集めました。
両者決着がつかず、海の底から1匹のオコゼが泳いで来ました。
オコゼのおかげで勝負は「海の神」の勝ちになりました。 
それ以来、「山の神」はオコゼを恨むようになり、怒りを鎮めるためにオコゼにヤマノカミと名付けられたそうです。

 

【ヒレナガカサゴ】

春先の贈り物!?
普段は深場に生息しているカサゴなのですが、春先だけは幼魚が浅場に顔を出すことがあります!
探し方は砂地の窪みや海藻の裏側に潜んでます。
写真は幼魚ですが、カサゴ特有のクリクリした目がキレイですね!!
いつか成魚も見てみたいカサゴです!#せいぶつ部

 

【ボロカサゴ】

脱皮をする魚!?
ボロカサゴは成長の過程で脱皮をすることが有名で、また独特なフォルム、色彩は誰もが見てみたい魚じゃないでしょうか!?
赤や紫、茶色などカラーバリエーションはかなり豊富!
滅多に出会えないレア度!僕も大瀬崎で1度だけ!また会いたい魚です!!#せいぶつ部

 


 

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①Twitterにて1日1匹ダイビングで観察できる生物を紹介します。

毎晩11時前後に140字の情報とともに1匹に焦点を当てて生物の情報を流していきます!

 

②毎週水曜日にTwitterの内容を記事にします!

月~日曜までの1週間の投稿をまとめ追加の情報や違った角度から撮った写真、はたまた生物の探し方なんかもまとめて記事にしていきます!

③質問やもっと知りたいという方はTwitterに返信下さい!

140字の情報では伝えきれない情報がたくさん・・・

もっと知りたい方や自分の知ってることと違うなんかは質問頂ければ、月曜日の記事でご回答させて下さい!

はたまた、自分の撮った写真や追加の情報を返信頂いても大丈夫です。

1人だけでは作れないので皆さんドシドシ、コメントお待ちしております。

 

茂野優太

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Under Water Creator。 1991年、神奈川県生まれ。 海・ダイビングの魅力を写真、映像、文章、ガイドなど、多様なアプローチで発信する。 伊...

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