下地島・伊良部島のダイビングスポット情報
地形派ダイバーに大人気の宮古島。
その宮古島で地形ダイビングのメインとなるダイビングポイントが揃うのが、下地島・伊良部島(しもじじま・いらぶじま)エリアです。
およそ自然に出来たとは思えないほどの複雑な地形や、岩の隙間からレーザービームの様に射し込む光。
そんな地形派ダイバー垂涎の、下地島・伊良部島のダイビングスポット情報をその魅力とともにご紹介します。
ダイビングの基本情報から、季節ごとの見どころをまとめたシーズナリティ、ダイビングポイント紹介まで、海の情報満載でお届け!
目次
下地島・伊良部島の概要
下地島や伊良部島周辺のダイビングポイントは、「宮古島のポイント」としてひとくくりに紹介されることがほとんどです。
伊良部島は、宮古島と伊良部大橋で繋がる島で、伊良部大橋は絶景観光スポットとしても人気です。
下地島は、伊良部島とほとんど接しているに等しい島で、島の各所で伊良部島と小さな橋によって結ばれています。
2019年には、訓練専用飛行場となっていた下地島の下地島空港に新ターミナルが完成し、1994年以来25年ぶりに定期航路が就航。
宮古島と周辺離島への新たな空の玄関口となりました。
そんな下地島・伊良部島を含む宮古島周辺は、年間35万人が訪れる国内でも人気リゾート。
年間の平均気温が23度、平均湿度が80%と亜熱帯海岸性気候の島は、年間を通じての温度差が少なく、寒い時期(1月〜2月)でも気温15度前後と暖かい環境です。
ダイビングだけに限らず、綺麗なビーチや、様々なマリンスポーツ、宮古牛、新鮮な魚介などのグルメも楽しめる魅力にも溢れた島ですが、台風には要注意。
7月から10月の台風シーズンは、旅行中に台風に遭遇すると外出が困難になります。
航空便の欠航も相次ぐので、出発前に天気予報をチェックしましょう。
下地島・伊良部島ダイビング基本情報
宮古島でのダイビングといえば地形が有名ですが、その地形ブランドを支えているのがこの下地島・伊良部島です。
このエリアは湧き水が多いため、長い年月をかけて石灰岩が侵食され、様々な地形を形成しています。
そんな石灰岩が創り出す洞窟のバリエーションは国内随一で、ひとつのエリアでこれだけ様々な地形を目にすることができる場所は、世界的に見ても非常に珍しいと言えるでしょう。
洞窟を進むドキドキワクワク感や射し込む光の美しさは必見です。
ただし、特に有名なポイントはどこも水深が深く、残圧管理と中性浮力には常に気をかけて潜る必要があるほか、基本的なことは全て自分でこなせる程度のダイビングスキルが求められます。
ダイビングのシーズナリティ
下地島・伊良部島の海の魅力を春夏秋冬に分けて、ご紹介します。
春の下地島・伊良部島
下地島エリアがメインのシーズンです。
水温こそまだまだ低いシーズンですが、1年の中でも海況が安定しているので潜れるポイントにバリエーションが出しやすい季節です。
3月頃まではマンタが見られることも。ただし、マンタのクリーニングポイントがあるわけではないので、遭遇は運によるところが多いと言えます。
地形やマンタ以外には、生物の交接や産卵が目につき始める時期です。
下地島には有名ポイントが多く集まっており、混雑を避けて有名ポイントに訪れるのには最高のシーズンと言えるでしょう。
夏の下地島・伊良部島
伊良部島エリアがメインのシーズンです。
日差しが強く太陽の軌道が高いため、洞窟内に射し込む光が非常に美しく、地形ポイントを1年で一番美しく見られる時期。
この時期にしか光が射し込まないポイントも少なくありません。
伊良部島エリアは魚をはじめとした水中生物が豊富で、水深も浅いポイントが多いのため、フィッシュウォッチングにも向いています。
生物の交接産卵がピークで、幼魚から成魚まで、1年で最も魚が多い時期です。
秋の下地島・伊良部島
地形を求めて宮古島に訪れるなら、秋がベストシーズン!
有名ポイントが多く集まる下地島がメインとなるシーズンで、まだまだ日差しが強く太陽の軌道も高め、透明度も上がります。
気温水温共に高いため、最高のシーズンを快適に潜ることができます。
冬の下地島・伊良部島
下地島エリアがメインで、秋と同様に透明度は高い日が多いシーズンです。
11月頃からマンタシーズンが始まります。
春と同様に有名ポイントを、混雑することなく楽しめることが魅力。
冬は太陽の軌道が低いためにレーザービームの様に射し込む光が織りなす光景こそ期待はできませんが、有名ポイントの多くは水深が深く、そもそも夏であってもレーザービームとは異なる風景を楽しむポイントなのでご安心を。
ダイビングポイント紹介
下地島・伊良部島の代表的なダイビングポイントを3つご紹介します。
魔王の宮殿(まおうのきゅうでん)
人気・実力・知名度と、どれを取ってもぶっちぎりNO.1のポイント。
エントランスホール、メインホール、寝室の3部屋構造で、全て通路で繋がっています。
エントランスホールは、通年光が入りますが、特に光が差し込むのは冬。
メインホールにも通年光が入りますが、こちらは、夏が一番光が差し込みます。
また、寝室に光が差し込むのは、6〜9月です。
季節によって異なりますが全ての部屋でズバッと差し込む光が見られることが最大の魅力と言えるでしょう。
およそ自然にできたものではないのでは、と思ってしまうほどポイントの完成度がズバ抜けていて、まるで計算され尽くしたアトラクションのよう。
最も綺麗に光が射し込むのは8月・9月ですが、8月は風向きとの相性が悪く、潜れないことも多いので、魔王の宮殿をリクエストするなら9月がおすすめです。
洞窟内にはエビやカニもたくさん住み着いているので、壁際も見ながら進んでみましょう。
ライトを持って潜るのが理想ですが、完全に暗くなってしまう部分は少ないため、ガイドのライトを頼りに潜っても問題ありません。
平均水深が深いので残圧に気を付けましょう。
有名ポイントの中では比較的初心者(要アドバンスレベル)でも訪れやすいポイントでもあります。
【エントリー・スタイル】ボート(トゥリバー港から約40分。エントリー時はブイを取る。またはアンカーを打つ)
【最大水深】24m
【流れが出た場合】流れてもコース取りに影響を与えない程度
【ナイトダイビング】×
一ノ瀬ホール(いちのせホール)
知名度こそ高くはありませんが、現地のガイドが口を揃えておすすめポイントに挙げるポイントです。
見どころは、最深部の幅・高さ共に20mはあろうかというスケールの大きなホール。
天井に大きく穴が開いており、そこから射し込む光はまるで光の柱の様で、神聖な雰囲気をまとっています。
それだけではなく、ダイビングを通してホールが続くポイントで、浅瀬のホールに射し込むレーザービームの様な光も必見です。
これだけでも宮古島BIG3※と同等レベルかそれ以上のクオリティといえるでしょう。
さらに、一ノ瀬ホールの真骨頂はキンメモドキの大群とのコラボレーションです。
2~3年に一度、一ノ瀬ホールにはキンメモドキの大群が住みつくことがあり、光が差し込む洞窟内でうごめくキンメモドキの大群は、まるで巨大な竜。
毎年見られるわけではありませんが、どんなベテランダイバーでも息をのむ、圧巻の光景です。
知名度が低い原因はその立地条件。
水深3m程の浅瀬が左右に張り出す、非常に狭い湾の中に船を停める必要があるため、他のポイントでは問題にならない海況でも、座礁の危険性から一ノ瀬ホールには潜れないことがしばしば。
うねりや波、風向きや風の強さ、日差しのタイミング、そして混雑度合い、全ての要素が揃った時にだけ訪れることができる、幻のビッグポイントと言うことができるかもしれません。
【エントリー・スタイル】ボート(トゥリバー港から約30分。エントリー時はブイを取る。またはアンカーを打つ)
【最大水深】30m
【流れが出た場合】流れが出ることはほとんど無い
【ナイトダイビング】×
アントニオガウディ
下地島・伊良部島、そして宮古島エリア全体の中でも一、二を争う大人気ポイント。
サグラダファミリアをはじめとする世界的に有名な建造物を手がけた建築家、アントニオガウディから名前をもらったポイントです。
未完成の芸術だと言わんばかりに複雑なアーチが折り重なり、一度潜っただけでは全容を把握することはできないでしょう。
全容を写真に収めるならワイドレンズでも事足りず、フィッシュアイレンズが必須。
一番の見所は、最深部の水深35mの地点から見上げる光景です。立体的に交錯するアーチとその隙間から注ぐクリアなブルーの光。
その対比が、奥行きのある景観を作り出し、見る者を圧倒します。
ただし、水深35m地点なので、滞在できる時間が長くても3分程度。
わずかな時間しか目にすることが出来ない光景ということも、このポイントに何度でも訪れたくなる理由のひとつでしょう。
写真を撮影する場合は、限られた時間の中で最高の1枚を撮影できるよう、写真撮影のコツを事前にガイドに尋ねてイメージしておきましょう。
水深が深く、狭い場所を通ること、行き帰りは中層を泳ぐこともあり、一定以上の中性浮力のスキルとエア持ちの良さを求められます。
残圧チェックと無減圧潜水時間の管理には細心の注意を払い、中層を泳ぐ際にはガイドと水深を合わせるようにしましょう。
【エントリー・スタイル】ボート(トゥリバー港から約35分エントリー時はブイを取る。またはアンカーを打つ)【最大水深】35m
【流れが出た場合】何かに捕まらなくてはならないほどの流れが出ることがある
【ナイトダイビング】×
その他のポイント
通り池、333、パナタ、ミニ通り池、津波石、本ドロップ、だんご岩、中の島チャネル、中の島ホール、マリンレイク、一の瀬ドロップ、35ホール、悪魔の館、なるほどTHEケーブ、女王の部屋、ツインケーブ、ランディングアーチ、ロックビューティ、クリスタルパーク、沈船イラブ、サシバ沖、スネークホール、デンターロック、白鳥ドーム、白鳥ホール、白鳥幼稚園、L字アーチ、Wアーチ、 Zアーチ、クロスホール、オーバーハング、サージョンリーフ、など
下地島・伊良部島へのアクセス情報
船でのアクセス:
2021年現在、下地島や伊良部島、また宮古島への旅客フェリーの運航はありません。
飛行機でのアクセス:
宮古空港へは、羽田空港、関西国際空港、中部国際空港セントレア、福岡空港から直行便が飛んでいます。
宮古空港までの所要時間は以下の通りです。
羽田空港:約3時間
関西国際空港:約2時間30分
中部国際空港セントレア:約2時間45分
福岡空港:約2時間(夏季限定)
下地島空港へは、羽田空港、成田空港、関西国際空港、神戸空港から直行便が飛んでいます。
下地島空港までの所要時間は以下の通りです。
羽田空港:約3時間
成田空港:約3時間
関西国際空港:約2時間30分
神戸空港:約2時間30分
宮古空港、下地島空港へはそれぞれ那覇空港からもアクセス可能で、所要時間は約50分です。
また、宮古空港への定期航路はほかに、石垣島と多良間島があります。
下地島・伊良部島の観光情報
伊良部島と宮古島を結ぶ伊良部大橋は、絶景ポイントとして有名です。
「バスクリン色」とも例えられる美しい海を貫く橋上からの景色は絶景そのもの。
無料で渡れる橋としては日本最長、3540mの長さを持つ橋でもあるため、美しい景色をいつまでも眺めていることが可能です。
ただし、くれぐれもドライバーの皆さんはわき見運転にご注意下さい。
あまりの絶景からインスタ映えスポットとしても人気ですが、橋上は緊急時を除き駐停車禁止なので、橋上に車を停めての写真撮影はやめましょう。
宮古島BIG3としてダイバーに名高い通り池は、ノンダイバーに人気の観光スポットでもあります。
遊歩道が整備されており、陸上から見る通り池もまた美しい景色となっています。
観光客にとっては、通り池の水面に顔を出すダイバーも見所のひとつになっており、昨日お世話になったダイビングショップの方と、通り池で再会といったことがあるかもしれませんね。
情報提供:BIGHOLIDAY(https://bigholiday-miyakojima.com/)
この記事へのコメントはありません。