タツの見分け方【上級編】せいぶつ部~タツ~
今週のテーマ【タツの見分け方】
タツと言えば日本ではタツノオトシゴが一番有名で・・・
その独特のフォルムから子供の間では大人気!
なんとなくダイビングを始めたばかりの人が見てみたい生物のトップリストに入るのではないでしょうか?
では、そんな独特なフォルムのタツノオトシゴは魚なのでしょうか??
答えはれっきとした魚です!
目を凝らしてよーくみると、背ビレや胸ビレがあります。
移動する時なんかは、背ビレを必死に動かしながら少しづつ移動します!
分類でいうとタツの仲間は「ヨウジウオ科タツノオトシゴ属」に分類されます。
分類ってなんぞやって人は・・・
この記事を読んで頂ければ生物がどのように分類されているか詳しくわかりますよ!
そして今回はこの魚類の中のヨウジウオ科の中のタツノオトシゴ属!
さらには、その1匹1匹の種!タツの見分け方を知ってしまおうというコーナーになります!
これだけ知っていればログ付けのヒーローになれること間違いなし!!
簡単に見分ける方法を紹介していきます!!
【オオウミウマ】
大海馬!!
日本で見れるタツの中では最大種‼写真はまだ成長途中で、大きなものだと20㎝を超えることも。
色彩も様々で黄色から茶色、黒色まで!
タツは英名ではシーホース、海の馬と言われています。
だから大海馬なんですね~安直な感じですが、分かりやすくて良い。#せいぶつ部
<見分け方>
オオウミウマは大人は簡単に見分けられます。日本で大きくなるタツはオオウミウマとタカクラタツのどちらかです。大人はこの2つを見分ければ良いでしょう。
タカクラタツは特徴に富んでいるのでタカクラタツじゃない大きいタツはオオウミウマくらいの感覚でも問題ないでしょう。こどもは以下の特徴から見分けます。
①頭のてっぺんが冠状になっている
→写真やイラストのよう冠をかぶっている感じですね。
②吻が太くて長い
→他の種と比較すると確かに太く長い事が多いのですが、あくまで比較なので
頭が冠状をメインに見分けると良いでしょう。
【タカクラタツ】
タカクラタツの見分けは簡単!
あごの下に反り返るトゲがあればタカクラタツです!
このタツ、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに絶滅危惧種(VU)として指定されています。
日本のダイビングシーンでは見られますが、世界的に見ると非常に貴重なんですね~ #せいぶつ部
<見分け方>
タカクラタツの見分けるポイントは非常に簡単です。
①あごの部分にかぎ状の首元に曲がる突起があります。
→イラストでいうと矢印のところにあたります。この突起があればタカクラタツと判断して問題ありません。
②背中に黒点が3つあります。
→写真の個体はわかりづらいですが、イラストのように黒点がはっきり入る個体も多いです。
3つの黒点もタカクラタツだけにある特徴です。
【タツノオトシゴ】
タツは立派な魚類!!
よくタツは魚ですかと質問されますが、タツの体をよーく見ると魚と同じ背ビレや胸ビレがあるのがわかるはず。
また日本では「竜の落とし子」と竜を想像することが多いようですね。
タツノオトシゴだけは他のタツと違い寒流域で見れる傾向があります!#せいぶつ部
<見分け方>
タツノオトシゴはハナタツと見分けるのが難しい個体も多いですが、ハナタツよりも大きくなることや寒流のあたるエリアに生息し、昆布系の海藻に着くことから生態からも見分けられます。
特徴としては、
①頭の突起が長く伸びる
→写真のように極端に頭の突起が長く伸びています。また、ハナタツのように皮弁にはなっていないので簡単に見分けることができます。
【ハナタツ】
立派な冠被ったお洒落さん!!
ハナタツといえば特徴的なこの角でしょう!
ただ、すべての個体がこの立派な角を持っているわけではなくメスが持っているイメージが多いです!
タツと言えばカンガルーのようにオスがお腹の中で子供を育てる生態が有名ですね!お父さんは大変だ!#せいぶつ部
<見分け方>
ハナタツのメスは簡単に見分けがつきますが、オスの地味な個体は非常にタツノオトシゴとの見分けが難しくなります。吻の長さで見分けます。
①頭の立派な皮弁
→写真のように頭に角のような立派な皮弁を持った個体は間違いなくハナタツです!
ハナタツの代名詞と言っても良いでしょう。皮弁がない個体もいるので、皮弁がない=ハナタツじゃないはダメですよ。
【イバラタツ】
トゲトゲボディはインスタ映え間違いなしっ!!
カラフルなヤギに付くことも多く、体色も黄色が多いです!
僕も日本で見れるタツの中では群を抜いて好きです!
ダイバーがお世話になる図鑑『日本の海水魚』にはイバラタツは稀種と書いてあります。珍しい個体なのでしょう‼#せいぶつ部
<見分け方>
イバラタツを見分けるのはそんなに難しくないです。
①体中にトゲがある
→名前通りのトゲトゲボディ―ですね。姿が他のタツとは全然違うのでわかりやすいです。
②吻が長い
→吻(口の部分)が長いのもイバラタツをスマートに見せる特徴のひとつでしょう。
【サンゴタツ】
恥ずかしがり屋な小さなタツ!
和名のあるタツの中では小型種!
体色は黒色が多く頭には皮弁も付いていず、砂地で下を向いてしまうことが多いです。
そのため写真を撮っていませんでした。僕が大学2年生の時に撮ったものです。いつかサンゴタツのつぶらな瞳をお届けします!#せいぶつ部
<見分け方>
今度はうって変わって一番地味目のタツです。体色もグレーやら地味な色が多いです。住んでいる場所も砂地の窪みや海藻と他のタツよりも砂地を好む傾向があります。
①体、特に頭に突起が少ない
→頭に突起がなくつるつるしたイメージになります。
②吻が極端に短い
→写真もそうですが、他のタツに比べ吻が短いです。
頭に突起が少なく吻も短ければサンゴタツで間違いないでしょう。
【ピグミーシーホース】
バルギバンディ!この呪文みたい名前はこの子の学名です。
ピグミーシーホースとこの子のイメージが強いですが、実は他にも種類がいます!詳しく知りたい方! http://ow.ly/BzHN30fvqdj
生息域が限られますが、ぜひ見たい憧れの魚です!!#せいぶつ部
【ジャパニーズピグミーシーホース】
最近伊豆の大瀬崎でも初観測され話題の超小型のタツの仲間です!
もともとは八丈島や三宅島に多い個体です。
サイズは非常に小さく5㎜程度でしかも壁に生えてる小さいガヤなんかを住処にしていることから、見つけるのは至難の業!見れたらラッキー!!#せいぶつ部
<見分け方>
見分け方も何も圧倒的に大きさが小さいです。
ピグミーシーホースもジャパニーズピグミーシーホースもその圧倒的サイズ感からすぐわかるでしょう。
さてさて
タツの見分け方はみなさんどうでしたでしょうか?
これでログ付け時の楽しみが一つ増えましたね!!
ガンガン見分けちゃってくださいね!
えっ・・・
そもそも見つけるのが難しいって(笑)
そうなんです。タツは擬態が非常にうまく見つけるのが非常に難しい。
だからこそ、見つけたときは、この豆知識で盛り上がっちゃってください。
タツについてもっと知りたい方は合わせて以下の記事もどうぞ!!
※イラストは学生インカレサークル Ocean KIDs 会長の原田泰君が書いてくれました。
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