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大瀬崎のボートポイントは別世界!ホトケ岩のカラフルな景色をご紹介

海のレポート

皆さん、こんにちは!

Under water creatorの茂野です。

大瀬崎のボートダイビングと聞くと、皆さんはビーチダイビングの大瀬崎の延長だとイメージするのではないでしょうか?

もちろん僕も、ホームグラウンドにしている大瀬崎のビーチダイビングも大好きだし、面白いと思います。

しかし、大瀬崎のボートダイビングは全くの別世界。
巨大なソフトコーラルにキンギョハナダイの乱舞、そしてイサキの大群などの魚影!

本当にここが僕たちの知っている大瀬崎の海なのか、と思うような光景が広がっています。

枝垂れ桜のようにオーバーハングからトゲトサカが垂れ下がり、

僕らの背丈ほどもあろうかというソフトコーラルが生えていたかと思うと、

そこに乱入してくるイサキの大群、 

メインのホトケ岩に着けばキンギョハナダイが乱舞し、華やかな光景が広がる。

この光景が大瀬崎のボートポイントのクオリティです!

ですが、やっぱり大瀬崎というと講習のイメージがあったり、ビーチダイビングで大変というイメージを持っていたりする方も多い。

そんなイメージを払拭したくて、今回はCOCOMO OSEZAKIにお願いしました!

僕自身、何度も足を運び撮影をしているホトケ岩ですが、ここから先は11月28日に2ボートダイブして撮影した写真でレポートしていきたいと思います!

いざ大瀬崎のボートポイントへ

左:茂野 右:COCOMO OSEZAKI新長さん

今回は僕と同い年で誕生日も1日違いのCOCOMO OSEZAKIの新長(しんちょう)さんにガイドして頂きました!

ちなみに背格好もドライスーツも似たような姿だし、2人とも大瀬崎にいることが多いので間違えられることもたまに……笑

まぁ同い年ながら頼りになるガイドなので、いつも生物情報を教えてもらったり、珍しい生き物が出た時は連れてってもらったりしてます。

大瀬崎のボートは湾内の右奥にある桟橋から出港します。

普段は見れない角度から眺める、富士山と大瀬崎の先端や、僕らがいつも潜ったり講習したりしている場所。
普段からこの海に潜っているダイバーにとっては、この沖側から見る景色も新鮮に映るでしょう。

秋から冬にかけての時期は空気も水も澄んでいるので美しい景色が広がっています。

外海を越えてボートを井田方面(南)に走らせていくとあるダイビングポイントがホトケ岩です。

ここは大瀬崎と井田との中間あたりにあるポイントで、水深25mからそびえ立つ大きな根があるのが特徴。
その周りでダイビングをしていくのが基本となります。

ポイントに到着すると、陸のダイナミックな風景に圧倒された一方で、ちょっと海がどんよりしていました。どうやら連日降った雨の影響で川の水が入り、水中は濁っている様子。

湾内の方が水の色が綺麗だったよね……

なんて話しながら、とりあえずエントリーしてみることに。

ブイの下に貼られたロープはソフトコーラルが見事に育っている

エントリーをして水底に着いた時、透明度はなんと4mもないほど。

僕も今までホトケ岩を10回以上潜ってきましたが、その中でも1番悪いかもしれない。

しかし、入るとソフトコーラルはどうやら元気な様子。

透明度は悪いけど、ソフトコーラルは満開でカラフルな景色が見れるかも!!

と半分残念、半分嬉しい気持ちで進んでいきます。

【ホトケ岩】ソフトコーラルとキンギョハナダイに埋め尽くされる

エントリーした場所から1〜2分泳ぐとあるのがホトケ岩という大きな根です。

上の写真のようにこの根にはびっしりとソフトコーラルが生えていて、その上をキンギョハナダイたちが乱舞しています。

イメージは田子のフト根の縮小版のような感じ。

ぎゅっとコンパクトに魚たちがまとまっているのが特徴です。

中でも注目すべきは、緑色の大きなナンヨウイボヤギが群生していること。

ソフトコーラル自体は大瀬崎の先端や柵下などにも多いのですが、ナンヨウイボヤギだけはここでしか見たことないんです。

ホトケ岩の周辺は魚影が濃いのも特徴。

時に流れが速くなり、その流れが根にぶつかるため、魚が溜まりやすい環境にあるのでしょう。

今回も振り返ると、こんなイサキの大群が目の前を覆いました。

撮影をした晩秋はイサキも大きく成長しているため、なかなかの見応えがあります。

そして運が良ければ、こんな風にソフトコーラルとイサキが同じ画角に入るような光景も撮ることができます。

イサキは驚くと中層から一気に海底や根にそって逃げていく傾向があり、ホトケ岩の岩肌と一緒に撮ることでカラフルな景色と群れの写真を撮ることができます。

もちろん群れはイサキだけじゃなくタカベが入ることもあれば、それを追う回遊魚の姿があることもあります。

実は僕、このポイントで、ハンマーヘッドの5個体くらいの群れを見たこともあるんです。

浅瀬エリアもソフトコーラルの楽園

ホトケ岩が面白いのは、水深25mからそびえたつ大きな根だけでなく、浅瀬側のソフトコーラルも見事で面白いんです!!

ホトケ岩には岩のすぐ近くの中間ブイと浅瀬側の水深15mほどにあるブイと2箇所のエントリーポイントがあります。

もちろん1ダイブでホトケ岩も浅瀬側も回ることはできますが、それぞれ見事なソフトコーラルが見れるので、ぜひ2ダイブに分けて楽しんで欲しいです。

浅瀬側はまさに陸の絶壁が崩れ落ちてできたような地形になっていて、大岩が重なりあうように落ちています。

その岩の隙間に色とりどりのソフトコーラルが群生しています。

浅瀬側は魚こそ多くはありませんがホトケ岩より流れがかかりづらく、深度も浅いためボート初心者でも楽しむことができ、ソフトコーラルが本当に見事なのでおすすめです。

どこを撮ってもすごく画になるので、写真好きのダイバーはぜひお気に入りの場所を見つけて撮影してみてください。

またCOCOMO OSEZAKIのガイド陣に頼めば、ソフトコーラルがぎゅっと固まるフォトジェニックなポイントも教えてくれます。

この写真は僕も知らない場所だったのですが、ガイドの新長さんに連れてってもらいました。

透明度だけ少し残念でしたが、この濁りは栄養分が豊富にあるということ。
だからこそ、ソフトコーラルがモリモリになる。

これから透明度の上がる冬の時期はワイド撮影にオススメなので、ぜひ大瀬でボートに挑戦してみて下さい。

マクロも楽しい!

もちろんホトケ岩はマクロ狙いで潜っても面白いです!

ソフトコーラルが多いということは生物にとっては格好の隠れ家になります。

上のクダゴンベは1年以上観察されていて、ホトケ岩に潜るダイバーはまだまだ少ないので生物も同じ場所にずっとい続けてくれることが多いです。

もちろん定番でいる生物以外でも、この日は偶然ウミシダに隠れるニシキフウライウオも発見されました。

やっぱり大瀬崎の外海の先にあるポイントだけあり、珍しい生き物やマクロ生物が非常に多いです。

昨年、ボロカサゴが最初に観察されたのも、このポイントです。

他にもホトケ岩はソフトコーラルやカイメン、ウミシダなどいろんな背景がたくさんあるので、背景を意識して写真を撮りたいダイバーにもおすすめです!

こんな感じにいて欲しいところには大体、生物が隠れています。

気に入ったシチュエーションで、ぜひシャッターを切ってみてください。

他にもナンヨウキサンゴの緑の背景は大瀬崎ではこのポイントにしかないので、ホトケ岩らしい背景といったら、こういうナンヨウキサンゴを入れるのが良いかもしれません。

晩秋から初冬はキンギョハナダイの幼魚たちが隠れる時期なので、かわいい写真を撮りたい人にはうってつけです。

ちなみに、COCOMO OSEZAKIにはナイトロックスタンクが多く準備されていて、手軽に使うことができます。ホトケ岩はボトムが水深25mくらいの根なので、今回はナイトロックスを使いました。

伊豆でのダイビングは通常のエアでのダイビングが主流ですが、ナイトロックスが手軽に使えるというのは嬉しいポイントですね。

1ボート1ビーチで全く異なる海を楽しむことも

もちろん大瀬崎のダイビングの魅力はボートダイビングだけじゃありません。

講習の海と思われがちな湾内だって、じっくり探せば、たくさんのマクロ生物がいて面白いんです。

ガイドの新長さんに今の大瀬崎のオススメを聞くと湾内の右奥の水深20m前後の泥地エリアだそうです。

冬になるとアカタチが出てくるほか、今年の秋に登場して一時人気だったミホノハゴロモハゼも大きい個体から小さい個体までいると言います。

このエリアは湾内でも少し泳いだ沖にあり、窒素の蓄積に注意しないといけないエリアなので、僕はより安心して潜るためにナイトロックスを使っています。

今回、泥地エリアで撮影をしていて僕が1番好きだったのはこのシマオリハゼです!

臆病なため、なかなか近くで撮影するのは難しい生き物ですが、この日は緩やかな流れが湾内にも入っていて、捕食に夢中だったため、すごく近くで撮影できました。

このように1ボート1ビーチで全く異なるダイビングを楽しめるのも大瀬崎の魅力だと思います。

もちろん湾内だけじゃなく、外海や先端なども含めると1日では全然回り切ることのできないバリエーション豊富な海です。

おわりに

今回はソフトコーラルが咲き乱れる大瀬崎のボートダイビングを紹介してきました。

恐らく伊豆の水中の原風景はきっと、こんな美しい光景なのでしょう。

少なからず僕らダイバーが水中に影響を与えてしまっていることは、残念ながら間違いないと思いますが、このような美しい景観をずっと残していきたいものですね。。

ぜひ、皆でこの景色を壊さないように注意しながら楽しんでいけたらと思います!

【後日談】別日に再び、大瀬崎ボートへ!

別日でコンディションの良くなった1月に再度、ホトケ岩を撮影してきました。
この日は透明度も抜群でソフトコーラルも満開!

浅場エリアは見事なソフトコーラルの壁になっているし、

ホトケ岩の間の水路も満開で、ここによく居着いているイラもカットイン!

そして冬らしい爽やかな透き通る海はどこを撮っても絵になる。

そしてまさかのアオウミガメまで登場!!

コンディションの良い時のホトケ岩のカラフルさは本当に伊豆随一!
ぜひ皆さんも通って潜ってみてください。

協力:COCOMO OSEZAKI(https://www.cocomo-ds.net/

■CHECK!■
今回ご紹介した大瀬崎のボートダイビングについては、茂野優太さんのブログ&Youtubeでも紹介されています。合わせて、お楽しみください。

しげのゆうたの旅ブログ:
ここが本当に大瀬崎!?ボートダイビングが超面白かった!

茂野優太

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Under Water Creator。 1991年、神奈川県生まれ。 海・ダイビングの魅力を写真、映像、文章、ガイドなど、多様なアプローチで発信する。 伊...

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