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絵合わせって何?ダイビングが100倍楽しくなるヒント〜オンライン講座準備中!〜

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ダイビングには様々な楽しみ方がありますが、生き物の観察は大きなウエイトを占めていると言っても過言ではないでしょう。
逆に、誤解を恐れずに言えば、生き物観察に興味を持つと、これまでとは海の中の見え方が180度変化し、ダイビングがより楽しくなると言って良いと思っています。

そんなことを言っても、最初から生き物に興味があるという方は少ないことでしょう。
かく言う僕もそうでした。

景色から興味の対象へ

ほとんどのダイバーの方は、ダイビングを始めた当初、名前を知っている魚と言えば、マグロにアジ、タイにヒラメと食卓に上がるものばかりだったことでしょう。
切り身の状態なら見分けられても、実際に泳いでいる姿になると、どれも同じに見えるという方も多いかもしれませんね。

その状態でダイビングを行ったとしても、目の前にカラフルな魚たちがいれば、誰だって「綺麗な景色」だと思います。

こんな光景を見れば、誰だって綺麗だと感じますよね。
一方で、見ているのはあくまで景色なので、「海の中の景色」として、どこを見ても同じ景色に見えるのではないでしょうか。

よく、同じ海に何百本、何千本と潜り続けているダイバーの方がいます。
それも、スタッフとしてならいざ知らず、アマチュアダイバーとして、同じ海に潜り続けている方も多くいらっしゃいます。

初心者ダイバーの方からすると、色々なところで潜った方が面白いのでは……と思ってしまうかもしれませんね。

実は、そういったベテランダイバーの方にとって、1本1本の海が、別の場所で潜っているのと同じなんです。

多くのベテランダイバーは、生物観察を目的としています。
そんな彼らには、海の中はこの様に見えているはずです。

ただの景色だったものが、様々な情報が詰まった光景に見えるだけでなく、多くの魚の名前が分かるからこそ、知らない魚が目に付くようになります。

当然、この光景が同じになる瞬間は一度たりともありません。
そして、それぞれの魚の名前が分かっているからこそ、逆に、知らない魚や、普段見かけない魚が目立って見えます。

これが面白いんですね。

もちろん生物観察の面白さは、知らない魚を知ることや、珍しい魚を見つけることだけではありません。
ある魚に注目してじっくりと生態行動を観察することも面白いものです。

どちらにしても出発点は名前を知ることだと考えています。
まずは騙されたと思って、10種類の魚の名前を覚えて潜ってみると、そこには今までと全く異なる景色が広がっているはずですよ。

ちなみに、上記の写真は田子で撮影されたものです。魚種を追記した画像には、敢えて「?」を残しています。後述する播磨先生によると、非常に興味深い写真とのこと。
「元気に生育しているソフトコーラルから海の豊かさが感じられるだけでなく、「?」の魚はレンテンヤッコの可能性もあるだろう。田子がある西伊豆ではレンテンヤッコの個体数は多くない。しかもペアでいるように見受けられることから、見られたら非常にラッキーなシーンと言えるだろう」
一瞬を切り取った1枚の写真にも、ダイビングの面白さを広げる可能性が詰まっています。

魚を見分けよう

名前を覚えるためには、その魚にどんな名前がついているのかを特定する必要があります。
そのためには図鑑と照らし合わせて……ここで挫折してしまった方はいませんか??

図鑑を見たところでどれも同じに見える。
そして、なんとなく覚えてきた魚の記憶はおぼろげで、図鑑のどの写真とも一致しない……。

どうやったら魚の名前を覚えられますか?そんな質問に対して

「実際に見て、図鑑で調べれば自然と覚える」

今まで僕は、こう答えていました。

しかし、そもそも図鑑で調べるということも、知らず知らずのうちに身に着けた基礎知識があってのものだと気づきました。
そして、僕にはその基礎知識を言語化することが出来ていませんでした。

見た魚を図鑑と照らし合わせ、もっともらしい種を特定することを絵合わせと言います。

魚をはじめとして、生き物の中には見た目がほとんど同じであっても、別種とされている場合があります。
見た目のみで正確に種を特定することは難しいというのが実情です。

正式には、標本を採取し、ヒレの骨の種類や数などから種を特定するのですが、このことを種同定と言い……
いや、そもそも、標本を採取なんて、通常のダイビングでは出来ませんよね。

しかし、魚の名前を覚え、見分けることでダイビングの楽しみが広がることは前述の通り。
ダイバーは学者ではないので、絵合わせが出来るだけで、十分に楽しみが広がります。
そして、この絵合わせであれば、体系的に整理することができるのです。

絵合わせ力アップのコツとツボ

伝言ゲームというゲームがあります。
言葉だけでお題を伝えて行くゲームですが、言葉だけだと描写の仕方や取り上げる部分に個人差があるため、伝言を繰り返すうちに、最終的にはお題と異なる答えが出てくることを楽しむゲームですね。

これが、予め描写すべき場所を明示されていたらどうなるでしょうか。
きっと、伝言は正確に行われ、ゲームとしての楽しさは損なわれることでしょう。

つまり、何かを正確に描写するためには、基準となる物があればより正確に描写できるということです。
この考え方を絵合わせに取り入れることで、体系的に絵合わせを行うことが可能となります。

例えば魚の体形は、8種類に区分することが出来ます。
そして体色は12種類、模様は8種類に区分することが出来ます。

これだけでも絵合わせ力は大幅に向上することでしょう。

そこに、ヒレの形や生息環境などを掛け合わせて行くと、自分1人の力で図鑑を使って魚の名前を知ることができるようになってきます。

絵合わせの面白さを皆さんにも知ってもらいたい

実は、僕がこの「絵合わせ」という言葉に出会ったのは最近のこと。

スクーバモンスターズで連載している「ダイビング生物情報」の記事制作をしている中で出会いました。

特に執筆者の一人である播磨伯穂先生と記事作りの打合せをさせて頂く中で、絵合わせは、これまで感覚的に行っていたことを言語化したものだということに気付きました。

ダイバーの皆さんもこの絵合わせを学ぶことで、きっとダイビングは100倍楽しくなる。
そう確信した僕らスクーバモンスターズ編集部は、絵合わせ力アップのためのオンライン講座の準備に取り掛かることにしました。

オンライン講座、さて、何をどうやるか

まず、ご協力を仰いだのは、先出の播磨先生。
魚類生態学・魚類博物学がご専門で、日本ペット&アニマル専門学校にて2020年まで教鞭をとっていらっしゃった、言わばこの道のスペシャリストです。

現在はスクーバモンスターズでも、生物解説を寄稿して頂いています。

播磨先生に打診したところ、快諾をいただきました。
そして、こちらの想像を上回る熱量と知識量で、充実した内容を準備してくださっています。
(リハ楽しい……笑)

さて、これまで絵合わせということで話を進めてきましたが、この絵合わせの源流は日本魚類学の父とも言える、益田一先生が一般ダイバー向けに提唱した活動「フィッシュ・ウォッチング」です。
このフィッシュ・ウォッチングに、播磨先生が最新の情報を取り入れてアップデート。
他に類を見ない、オリジナル版です。

今のところ、
●2月頃、講座受講者募集開始
●3月頃、講座開始
の予定で考えています。

決まりましたら、また随時お知らせさせていただきます。

魚に興味がある方も、これまで苦手意識を持っていた方も、ダイビングの楽しみの幅を広げるチャンスです。

ぜひ、ご注目ください!

ダイビングショップの皆さまへ

スクーバモンスターズでは、今回のセミナーの内容を現場で実践するための、ダイビングショップ向けプログラムの開発を行う予定です。
ご興味のある方は、下記までお問い合わせいただければ幸いです。

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細谷 拓

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合同会社すぐもぐ代表社員CEO。 学生時代、大瀬崎でのでっちをきっかけにダイビングにドはまり。 4年間で800本以上潜り、インストラクターを取得。 静岡県三...

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