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器材販売の売り文句を斬る

column

ダイビング器材は高額な物も多く、どうしても売り文句に疑念が生じてしまうこともあると思います。

どんな売り文句も基本的には本当のことで、買う人のためを思って言っているのだとは思いますが、あえてここでは少し斜に構えて見てみたいと思います。

よくある売り文句

My器材の方が上達が早いですよ!

半分本当で半分嘘だと筆者は考えています。
My器材だから上達するのではなく、My器材を持っていると、不思議と海に行きたくなるんですね。
ダイビングは、経験に応じて誰でも上達していく物です。
さらに、ダイビングに行くスパンが短ければ短いほど上達は早いです。
My器材だと上達が早い、というよりも、My器材を持っていると海に行く回数が増えて上達も早まるということだと思います。

(重器材は)自分の命を預けるものだから…

これは嘘とは言いませんが、それならあなたの店のレンタル器材はそんなに危険なものを使っているのか、ということになりますね。
レンタル器材であってもしっかりとメンテナンスをしていれば十分に信頼出来ますし、逆にMy器材であってもメンテナンスを怠れば危険なものにもなり得ます。
もちろん日本国内だけでなく、世界中のダイビングスポットを訪れるていると
残念ながら、不安になってしまうような器材も散見されます。
そんな時には自分の器材を持っていれば安心ですね。

(スーツやマスクは)自分の体に合っている方が快適!

これも半分本当といったところでしょうか。
特にウエットスーツは、レンタル品に比べフルオーダーであれば格段に暖かいです。
しかし、沖縄や海外の南国など、水温が30℃以上ある場合などはあまり関係が無いと言えます。
マスクは確かに人それぞれ顔の形にあったものの方が水が入りづらいですが、量販店などで無い限り数多くのマスクを試着することは難しいのが現状です。
また正直なところ、日本で売られているマスクであれば、顔に合わないというケースの方が少ないように思えます。

(フィンは)自分の脚力に合ったものだと疲れないですよ!

自分のマスクを探すときには試着で十分ですが、脚力に合ったフィンとなると実際に水中で使う必要があります。
しかし、数多くのフィンをモニター使用できるケースと言うのはまず無いと言っても良いと思います。
器材メーカーとタイアップしてのモニター会などはありますが、1回のダイビングで使用できるのは1種類だけですからね…
なので、実際にはスタンダードな商品から始めて、潜り続けているうちに色々なものを試して選んでいく、という形になると思います。

(量販店の廉価品は)保証がしっかりしてないし…

販売店が提供する保証というのはあまり聞いたことがありません。
基本的に保証はメーカーがしっかりとしてくれるので心配はありません。
ただし、レギュレーターのセットは各メーカー、自社製品同士の組み合わせで使用することを前提に動作チェックなどを行っているので、様々なメーカーの商品を1つのレギュレーターセットで使用して不具合が発生した場合、それが相性の問題である場合にはメーカー側も保証してくれないでしょう。

○回潜れば元が取れますよ!

もちろんレンタル料が有料のお店で潜り続けるのであれば、その通りになります。
ただ、世の中にはフルレンタル無料のお店も存在するので、そういったお店を利用するという手もあります。

ダイビングに限らず、どんな売り文句も捉え方によっては嘘にも本当にもなる、という側面があると思います。

大事なのは、その言葉を聞いて『欲しい!』と思えたかどうか。

少しでも『欲しい!』と思ったのであれば購入した方が、自分の中でも納得すると思います。

逆に、自分の中に少しでも『買わされそう』という感情があるうちは、自分を強くもって、断る勇気も大切ですよ!

細谷 拓

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合同会社すぐもぐ代表社員CEO。 学生時代、大瀬崎でのでっちをきっかけにダイビングにドはまり。 4年間で800本以上潜り、インストラクターを取得。 静岡県三...

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