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【ダイバー仕事名鑑】人が感動する瞬間ってすっごい素敵なんです! #小林恵利香

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「ダイビング業界で働くってどうなの?」

そんな学生ダイバーの疑問に答えていくこの企画も3回目を迎えました。

みんなも抽象的な話には飽きてきた頃でしょう。

”好きなこと”×”出来ること”とか”ダイビングには可能性が”とかそんな話ではなく”リアルな声”が聞きたい。

現地のガイドが実際に……

「どういう仕事をしているのか?」

「どういう思いで働いているのか?」

「なにが楽しいのか?」

そんな”リアルな声”を届けてくれるのは小笠原でガイドとして働く小林恵利香さんです。

小林 恵利香
1996年12月8日生まれ。専門学校でイルカについて研究し、そこで訪れた小笠原の海に感銘を受ける。卒業後すぐにパパスダイビングスタジオでガイドを始め今年で3年目。
PADIでは輝く女性インストラクターとして取り上げられたり、MDフェアではGULLブースでフィンについて講演するなど今注目の若手インストラクター。

今回はエリカさんのガイド仲間であり切磋琢磨し、一緒にツアーなど行っているダイバーズ学園しげがインタビューさせて頂きました。
(実際にはしげにとって小笠原の海の先生なんです。)

しげ

いつもお世話になってまーす。

ホントに小笠原の海っていつ潜っても面白いね!

エリカさん

こちらこそ、ありがとうございます!

そうなんですよ!
小笠原の海っていつ来ても違う表情があって本当に面白いんです!

去年のクジラとかやばかったですね〜!

エリカちゃんとしげでガイドをしてる時に現れたザトウクジラ

しげ

あれはスゴかった。

水中で涙が出そうになったもん。

エリカさん

奇跡みたいな感動が味わえるのも小笠原の海の魅力なんです!

もうホントにみんな小笠原の海に潜ってほしいです!

しげ

確かにね!

今日はエリカちゃんに小笠原で働く魅力やガイドになろうと思ったキッカケとかを聞きたいなと思っているんです。

いきなりでなんなんだけど、エリカちゃんの1日の働き方みたいなところから教えて下さい。

エリカさん

はい!わかりました。

まずは私が小笠原でどんな1日を過ごしているかをお伝えします。

小笠原での1日の働き方

早朝の海況チェックのときの様子。ここまでベタ凪だと早くダイビングしたくてワクワクするそうです。

AM6:00 海況チェック
車でウェザーステーションという山の上にある展望台まで行って、海の様子をチェックします。
朝イチの海況チェックは1日のスケジュールを決める重要な時間なんです。

AM7:30 船の準備
みなさんが快適に過ごせるように、飲み物やお弁当を準備したり出港のための準備をします。

AM8:30 出港
お客様を宿まで迎えに行き、船に乗ってもらってから船の説明やブリーフィングをしていきます。

      〜

   3ダイブ ガイド

      〜

PM15:30 帰港
港に戻ってきたら着岸作業をしたり、お客様を宿にお送りしたりします。

PM16:00 船や器材の片付け
船の掃除をしたり、使った器材を洗ったりします。
男性スタッフはこの間にタンクチャージなどの力仕事をすることが多いです。

PM17:00 ログ付け
ショップにてお客様とその日のダイビングを振り返ったりログ付けしたりします。

エリカさん

大体1日の流れはこんな感じです。

でも小笠原ってちょっと特殊で船が1週間に1回しか来ないじゃないですか?

だから船のスケジュールによって1日の動き方は全然変わってくるんです。

しげ

そっか。

おが丸のスケジュールに合わせてダイバーも動くもんね!

エリカさん

そうなんですよ。

おが丸の入港によって仕事が変わっていくんです。

今回お伝えしたスケジュールはダイバーが多く小笠原にいる入港中のスケジュールです。

しげ

これだけ1日のスケジュールが詰まってると

仕事めちゃめちゃ大変そうだね。

休める日とかってあるの?

エリカさん

あ、意外とあるんですよ。

おが丸がいない時はダイバーがぐっと減るので、そこで休んだり次の週の準備をしたりします。

もちろん長期滞在の方や島民の方と潜ったりもしますが、みんな小笠原の空気感をわかってくれている人が多くて結構のんびりやってます!

しげ

そっか!観光の人が全然いない期間もあるんだね。

そういえばサンセットクルーズに連れてってもらったのもおが丸がいないタイミングか!

あれは、めちゃ楽しかった。

おが丸がいない日にスタッフだけでサンセットクルーズに出掛けて夕陽とジャンプするクジラを狙いに行ったことも。

おが丸がいない日にスタッフだけでサンセットクルーズに出掛けて夕陽とジャンプするクジラを狙いに行ったことも。

エリカさん

そうなんです!

よくスタッフ限定で船の上で夕陽を見ながら食事をしたり、慰労会もあるんです!

後は休みの日もやっぱり潜りに行っちゃいますね。

せっかく小笠原にいるなら自然に癒やされる方がいい気がして。

しげ

ホントに小笠原の海が好きなんだね。

そもそもエリカちゃんと小笠原の出会いってなんだったの?

最初はただイルカが好きだった

エリカさん

小笠原に初めて来たのは専門学校の研修だったんです。

小さい頃からイルカのことが大好きでドルフィントレーナーのコースとかイルカの生態とかを学べる専門学校に通っていました。

それでイルカと関わる仕事に就きたかったんです。

しげ
水族館とかで働きたかったんだ?

エリカさん

いや野生のイルカが良かったんです。

自由な感じがすごい好きで。

だから御蔵島とか三宅島とかイルカと泳げる場所には小笠原以外にも行ってました。

しげ

そうだよね。

イルカといえば御蔵島みたいなイメージあるし手軽だと思うんだけど……

エリカさん

私、せっかく海の近くで働くんだったら1年中イルカと一緒に泳ぎたかったんです。

1年中海で働きたかったんです。

御蔵島とかって冬の北風が強い時期はどうしても海が荒れちゃって海に出れない。

冬場は内地に戻って違う仕事をしている人が多かったんです。

せっかく好きなことをするのに、なんかもったいないなと思ってしまって小笠原にしたんです。

しげ
たしかにね。すごいわかる!

エリカさん

ちなみに私が小笠原に初めて来たのはOW5本目の時で全然ダイビングなんて初心者だったんです。

イルカのことばっか考えていてダイビングなんてしなくて良いと思ってました。

しげ

ええええ〜。

逆になんでダイビングのガイドになろうと思ったの?

エリカさん

小笠原でドルフィンスイムをしているうちに、

イルカ以外にもギンガメアジがいたりウメイロモドキが群れていたりマグロが泳いでいたり、

私の知らない世界が海には広がっていたんです!

海ってもっと深いんだ!

イルカだけじゃないんだって!

なんかそれからスキンダイビングだけじゃもったいない気がしちゃって……

しげ
それでダイビングインストラクターになろうと思ったんだ。

エリカさん

はい!

実はあともう1つ理由があるんです。

当時は私が見えてなかっただけかもしれませんが……

しげ
なになに?

エリカさん

ドルフィンスイムのガイドはイルカを紹介するのがメインでゲストとの関係が薄い気がしたんです。

ゲストの方もその日1日だけの方が多くて。

ダイビングはもっとゲストの方と深く関われる気がしたんです。

ダイビングは上手にならないと潜れない場所とかもたくさんあって、ゲストの方と1本1本上手になっていったり、また上手になって小笠原に戻ってきてくれる人もいたり。

最初はイルカが好きで小笠原に来たんですけど、

いつの間にかイルカを見る人も好きになっちゃったみたいです。

しげ

結局は人だったんだ!

あとはドルフィンスイムだとイルカがいないとダメな感じするけど、ダイビングはそんなことないもんね。

エリカさん

そうなんです!

なんか予期していない時にイルカが出てきた感動って一生忘れられない経験になるんです!

もしくはイルカがいなかったとしてもダイビングには他にもたくさん魅力があって、もっと小笠原の海に深く関わってたいと思ったんですよ。

イルカそして海の魅力、最後はやっぱり人だった

水面に映る太陽の周りに虹が見える。小笠原ならではの感動的な景色をゲストのみんなと集合写真・

しげ

エリカちゃんの小笠原の愛は十分すぎるほど伝わってきました。

じゃあ、当時イルカから入って小笠原の海に魅了されてガイドをして、

いま1番仕事をしてて嬉しいことってなんですか?

エリカさん

それがやっぱり人だったんですよ!

あんなにイルカが好きだったのにゲストが喜んでくれた時が1番嬉しいんです。

しげ
というのは?

エリカさん

実はガイドってあんまり仕事している気分がなくて遊んでいるような気分なんです。

好きなことをしているっていうのもあって。

そんな私の遊びに付いて来てくれる人がいるのも嬉しいんです。

しかもその人が小笠原に来た時と帰る時じゃ全然違った表情をしているんです!

水中で表情が変わる瞬間がわかる時もあるんです!

しげ

うんうん。

人が感動する瞬間の顔ってすごくいいよね!

エリカさん

ダイビングって遊びじゃないですか?

なのに人の気持や表情を変えれるって本当にすごいと思うんです!

しかもその場に立ち会えた時は本当に嬉しくて!!

今はそういう人が感動する瞬間をたくさん作りたいって思うようになりました。

しげ

素直にカッコいいな。

そういう気持ちでガイドしてるからエリカちゃんのガイドは人気なんだね。

人が感動する顔が好き。その原体験はもっと過去にあった

専門学生時代にやっていたタッチプールのアルバイトの風景。タッチプールとはその日に漁で捕れた魚と子供が触れ合い自然を知ってもらうというプログラム。

しげ
なんかすごい感心しちゃった。僕も見習わなきゃなと。

エリカさん

全然そんなことないです。

でも最近は、もっと子どもたちにこの感動を味わってほしいんです。

最近のこどもたちって、なんでも危ないとか、自然は危険だからとか教えられて自然と触れ合う機会がドンドン減っていると思うんです。

でも自然の中で学べることってたくさんあると思って。

しげ
たしかに、そうだよね。

エリカさん

専門学生の時にタッチプールという、子どもが生きた魚に触ってみるっていうプログラムに関わるアルバイトをしていたんです。

最初はビクビクして触れなかった子も恐る恐る触るとすっごい楽しそうにはしゃいでたり、逆に触れてたのに魚の勢いに驚いて泣き出しちゃうことかもいたんです。

作り物の自然かもしれませんが子どもの感動する顔やビックリする顔を見るのがとっても嬉しくって。

しげ
なんかエリカちゃんってもともと自然と人が好きだったのかもね。

エリカさん

ホントに自然と触れ合った後の子どもって大人以上に表情が変わるんです。

もっと小さい時から自然に触れ合って、自然に優しくなってくれたり、それで成長してくれたりしたらいいなって。

子供に伝えたい!だからこそ大人に伝えたい!

しげ

そっか。

じゃあエリカちゃんは子ども向けのプログラムをこれからやりたいんだね!

エリカさん

あ、それはちょっと違うんです。

子ども向けの活動っていっぱいあるんですが、両親がこどもに教えるプログラムってないんですよ。

両親に向けて教え方を教えるみたいなことをしたいんです。

しげ

それすごい!

普通、子どもが出来たからってダイビングから離れちゃう人多いもんね。

エリカさん

すっごいもったいないですよね!

子どもが出来たからダイビングまで行かなくても、子どもが出来たから自然との関わり方を学ばなきゃ!

そんな感じになったらすごく良いと思うんです。

しげ
なんかワクワクしてきた。

エリカさん

しかもやっぱり子どもも身近な両親に教えてもらうのが1番良いと思うんです。

小さい時の経験って一生残ると思うんです。

しげ

いやあホントに感動した。

これからはエリカ先生と呼ばせて下さい!笑

これからもよろしくお願いします!

エリカさん

まだまだですが、いつかそうやって家族で自然を楽しむのが普通なってほしいなと思っています。

また小笠原の海にも遊びに来てくださいね。

こちらこそ宜しくおねがいします!

学生ダイバーに向けて一言!

学生ダイバーに囲まれる中央にいるのがエリカさん。ダイバーズ学園しげ端っこの右上に。なんだか学生からの人気度が如実に表れている。

私は自分で道を作らないといけないと思い、やりたい事があったらすぐに行動に移していました。

その結果、周りの方々も応援してくれて小さい頃からの夢を現実の仕事に出来ました。

もちろん大変な事はありますが、やっぱり自分好きなことが仕事になるって毎日充実していて本当に楽しいんです!

皆さんやりたい事ってありますか?

もしそれが海だったらとっても嬉しいです!

海じゃなくても何でも、やりたい事や実現したい事があったらそれに向かってとにかく行動することが成功への道だと思っています!

行動しなければ何も始まらない。

皆さんも勇気を持って一歩踏み出してみて下さい!

小林 恵利香  

エリカさんのことをもっと知りたい方はこちらから!

https://www.facebook.com/kobayashi.erika.395
https://www.instagram.com/1d_eke/

エリカさんの働くPAPA’S DIVING STUDIOはこちらから!
https://papasds.com/

~次回予告~

次回は自然写真家の関戸紀倫さんにお話を伺います!

~バックナンバー~

茂野優太

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Under Water Creator。 1991年、神奈川県生まれ。 海・ダイビングの魅力を写真、映像、文章、ガイドなど、多様なアプローチで発信する。 伊...

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